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2026年1月20日

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令和7年11月大阪府の有効求人倍率1.17倍から考える中小企業採用戦略

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大阪労働市場ニュース(令和7年11月分)(大阪労働局)

この記事の概要

令和7年11月の大阪府における有効求人倍率は1.17倍となり、前月と同水準で推移した。雇用情勢全体としては改善の動きが続いているものの、その勢いは弱まりつつあり、業種や職種による人手不足の偏りがより鮮明になっている。本記事では、大阪労働局が公表した最新データをもとに、有効求人倍率や新規求人倍率、正社員求人の状況を丁寧に読み解きながら、中小企業の採用担当者がこの環境下でどのように採用活動を進めるべきかを独自の視点で考察する。


令和7年11月時点の大阪府の有効求人倍率は1.17倍となり、前月と同じ水準を維持した。この数値は、求職者1人に対して約1.17件の求人が存在する状態を示しており、企業側が人材確保に苦労しやすい状況が続いていることを意味している。全国平均の有効求人倍率は1.18倍、近畿全体では1.10倍であるため、大阪府は全国とほぼ同水準であり、近畿の中では比較的高い求人競争環境に置かれていると言える。ただし、資料全体を通して示されている通り、雇用情勢は改善しているものの、その動きは力強いものではなく、慎重な見方が必要な段階に入っている。

有効求人数は182401人となり、前月比で0.4パーセント増加した。一方、有効求職者数も155879人と前月比0.3パーセント増加しており、求人と求職の双方が増える中で倍率は横ばいとなった。この動きからは、企業の採用意欲が急激に冷え込んでいるわけではないものの、積極的な拡大局面とも言い切れない微妙なバランスが読み取れる。中小企業の採用担当者にとって重要なのは、このような「横ばい」の局面こそ、従来と同じ採用手法では成果が出にくくなるという点である。

新規求人倍率は2.24倍となり、前月から0.14ポイント低下した。新規求人数自体は62377人と前月比1.8パーセント増加しているが、新規求職申込件数が27850件と8.0パーセント増加しており、求職者側の動きが一時的に活発化したことで倍率が下がった形となっている。これは、仕事を探し始める人が増えている一方で、企業側が提示する求人条件や仕事内容を慎重に比較する姿勢が強まっている可能性を示している。採用担当者は、応募が増えたかどうかだけで判断するのではなく、なぜその応募が集まったのか、また選考辞退や早期離職につながっていないかまで含めて振り返る必要がある。

業種別に見ると、新規求人数は全体で前年同月比13.4パーセント減少し、5か月連続の減少となった。特に製造業は前年同月比28.2パーセント減と大きく落ち込み、卸売業や小売業、宿泊業や飲食サービス業でも2割から3割程度の減少が見られる。一方で、学術研究や専門・技術サービス業、生活関連サービス業、教育や学習支援業など一部の分野では増加が確認されている。この偏りは、大阪府の産業構造の変化を反映しており、採用市場においても「どの業種で働くか」が求職者の判断に大きく影響する時代に入っていることを示している。

職業別の有効求人倍率を見ると、サービス職や保安職、建設・採掘関連、介護関連の職業では倍率が3倍を大きく上回っている。例えば、建設・採掘の職業では5.63倍、介護関連では4.54倍となっており、慢性的な人手不足が続いている。一方で、事務職の有効求人倍率は0.38倍と低く、求職者が多い一方で求人が限られている状況である。このようなデータは、中小企業の採用担当者に対して、自社が属する職種や業界が「売り手市場」なのか「買い手市場」なのかを冷静に見極める材料を提供している。

正社員に限定した場合、大阪府の正社員有効求人倍率は0.98倍となり、前年同月比で0.02ポイント低下した。正社員を希望する求職者数が求人をやや上回っているものの、倍率は1倍前後で推移しており、条件次第では採用が可能な状況とも言える。ただし、この数字にはフルタイムの派遣労働者や契約社員を希望する人も含まれているため、実際の正社員採用の難易度は数字以上に高いと感じる企業も少なくないだろう。中小企業にとっては、正社員という雇用形態そのものが魅力として十分に機能しているのかを再確認する必要がある。

有効求人倍率1.17倍という数字は、一見すると「まだ何とかなる水準」と受け止められがちである。しかし、実務の現場では、応募が集まらない、内定辞退が増える、採用しても定着しないといった課題が同時に発生しやすい局面でもある。中小企業の採用担当者は、給与や休日といった条件面だけでなく、仕事の進め方や教育体制、将来のキャリア像を具体的に示すことで、求職者の不安を減らす工夫が求められる。特に大阪府は転職機会が多い地域であるため、入社後の成長イメージが描けない企業は選ばれにくい傾向が強い。

有効求人倍率を採用戦略に生かすという視点では、単月の数字だけを見るのではなく、業種別や職業別の動向、前年差や前月差の流れを合わせて理解することが重要である。令和7年11月の大阪府のデータは、採用市場が大きく好転しているわけでも、急激に悪化しているわけでもない「踊り場」の状態にあることを示している。このような時期こそ、採用活動を単なる欠員補充ではなく、企業の将来を支える人材投資として位置づけ直すことが、中小企業にとって大きな意味を持つ。

この記事の要点

  • 令和7年11月の大阪府の有効求人倍率は1.17倍で前月と同水準
  • 求人と求職がともに増加し採用環境は横ばいの状態にある
  • 業種や職業による人手不足の差が一層拡大している
  • 正社員有効求人倍率は0.98倍で条件設計が採用成否を左右する
  • 中小企業は有効求人倍率をもとに採用戦略を再設計する必要がある

⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ

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