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2026年1月22日

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企業10,000社と正社員7,291人が示した人材戦略調査から見る採用の新常識

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働く意識の変化や新たなテクノロジーに応じた労働の質の向上に向けた人材戦略に関する調査(企業調査・労働者調査)(JILPT)

この記事の概要

2025年12月24日、働く人の意識変化やAIなどの新たなテクノロジーに対応した労働の質向上を目的とする人材戦略に関する調査結果が公表された。企業と正社員を対象に実施された本調査では、人材獲得や就業継続の要因、長期勤続意識、賃金や仕事内容への価値観、テクノロジー導入への期待と不安が数値で示され、今後の雇用管理の方向性を考える重要な材料となっている。


2025年12月24日、働く意識の変化や新たなテクノロジーに応じた労働の質の向上をテーマとした人材戦略に関する調査結果が公表された。本調査は、企業と正社員の双方を対象に行われ、近年の人材不足や働き方の多様化を背景に、どのような雇用管理が人材確保や能力発揮につながるのかを明らかにすることを目的としている。

調査は郵送を基本としつつ、オンライン回答も可能な方法で実施された。企業調査では全国の従業員30人以上の企業10,000社を対象とし、正社員調査では同企業を通じて60,000人分の調査票が配付された。調査期間は2025年2月7日から3月5日で、企業調査は2,004件、正社員調査は7,291件の有効回答が得られている。

人材獲得に関する企業側の対応を見ると、過去1年間に実施した施策として、求人募集時の賃金引き上げを挙げる企業が新卒で74.8%、中途で71.4%と最も高かった。これに続き、賃金以外の労働条件改善や採用チャネルの多様化、ワーク・ライフ・バランス制度の整備などが挙げられており、金銭面と環境面の両立が重視されていることがうかがえる。

一方、正社員側の意識を見ると、入職時の決め手として最も多かったのは仕事内容への興味で78.1%を占めた。雇用の安定性や働きやすい環境も高い割合を示しており、賃金水準は38.1%にとどまっている。就業を継続している理由についても、仕事内容への興味が76.8%と最も高く、働きやすさや安定性が続いている点が特徴である。

年齢別に見ると、若年層ほど働きやすい環境や柔軟な働き方、キャリア形成支援を重視する傾向が強く、高年齢層ほど長期雇用制度を重視する割合が高くなる。仕事内容への興味や賃金水準については、年齢による差がほとんど見られず、世代を超えて共通する価値観であることが示されている。

キャリア観については、現在の企業で長く勤めることが望ましいと考える割合が71.4%と、転職によるキャリア形成を上回った。年齢が低くなるほど転職志向は高まるものの、20代以下でも6割以上が長期勤続志向を示しており、安定した雇用を求める意識は依然として根強いことが分かる。

賃金と仕事内容のどちらを重視するかについては、賃金重視が52.7%、仕事内容重視が47.4%と拮抗している。特に若年層では賃金水準を重視する傾向が強く、生活基盤の安定とキャリア形成の両立が重要なテーマとなっていることが読み取れる。

企業側の認識としては、5年前と比べて昇進よりもワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えたと感じる割合が6割を超えており、この傾向は若年層ほど顕著である。働き方に対する価値観の変化が、雇用管理の在り方に影響を与えている実態が示されている。

新たなテクノロジーの活用状況では、Webミーティングツールやクラウドによる情報共有が5割を超え、テレワークやAI周辺技術、RPAの活用も一定程度進んでいる。企業規模が大きいほど活用割合は高く、デジタル化の進展には規模差が存在することが明らかになっている。

テクノロジー導入への期待としては、労働生産性の向上や煩雑な業務からの解放、人手不足の解消を挙げる企業が6割を超えている。一方で、正社員側には影響が分からないことへの不安や、仕事内容の変化、仕事を奪われる可能性への懸念も多く、特に若年層でその割合が高い。

本調査は、働く人の意識変化とテクノロジーの進展を踏まえた雇用管理の在り方を、具体的な数値で示した点に大きな意義がある。人材確保と定着、能力発揮を実現するためには、賃金だけでなく、仕事内容や働きやすさ、将来の見通しを含めた総合的な人材戦略が求められていることが明確になった。

この記事の要点

  • 企業の74.8%が人材獲得のため賃金引き上げを実施している
  • 正社員の78.1%が仕事内容への興味を入社の決め手としている
  • 長期勤続志向は全体で71.4%と依然として高い
  • 新たなテクノロジーに企業の6割以上が生産性向上を期待している
  • 一方で若年層を中心に仕事の変化や不安を感じる割合も高い

⇒ 詳しくは独立行政法人労働政策研究・研修機構のWEBサイトへ

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