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2026年2月14日

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労働者性判断の最新整理で見えた2024年11月施行制度と5つの重要視点

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労働基準法における「労働者」に関する研究会 第5回資料(厚労省)

この記事の概要

労働基準法における「労働者」の範囲をめぐり、働き方の多様化に対応するための研究会で、これまでの議論を整理した資料が示された。国内外の制度や裁判例を踏まえ、指揮監督や拘束性といった従来の判断軸がどのように機能してきたのかを検証するとともに、プラットフォーム就業者など新しい働き方への対応も論点として整理されている。本記事では、その内容を事実に基づき分かりやすく解説する。


労働基準法における労働者の定義は、賃金や労働時間、労働安全といった最低限の保護を及ぼす対象を定める重要な基準である。今回整理された議論では、過去の裁判例や学説を踏まえつつ、労働者性をどのように判断してきたのかが丁寧に確認されている。特に、昭和60年に示された判断枠組みが、現在の実務や司法判断でも一定程度参照されている点が確認された。

国内の動向としては、個人で業務委託を受ける働き手が増加している現状を受け、取引条件の明示や報酬減額の禁止などを定めた法律が2024年11月に施行されることが整理されている。また、労働者と同じ場所で働く個人事業者を労働災害防止対策に取り込む法改正も進められており、従来の労働者概念だけでは対応しきれない領域が拡大している。

労働者性の判断で中核となるのは、他人の指揮監督下で労務を提供しているかという点である。具体的には、業務の依頼を断る自由があるか、業務内容や進め方について具体的な指示を受けているか、勤務時間や場所が管理されているかといった要素が積み重ねて評価されてきた。これらは単独で結論を導くものではなく、実態全体を見て判断される。

近年注目されているのが、アプリやアルゴリズムによる管理が指揮監督に当たるのかという点である。海外の裁判例では、表面的には自由に働けるように見えても、評価システムや業務配分の仕組みによって行動が実質的に制約されている場合、労働者性を肯定する判断も見られる。研究会では、こうした動きが日本の判断枠組みにどのような示唆を与えるかが論点として共有された。

諸外国の制度を見ると、労働者と自営業者の中間的な概念を設け、限定的な保護を与える仕組みを採用している国もある。EUでは、一定の要件を満たす場合に雇用関係を推定し、反証の責任を事業者側に課す指令が2024年10月に採択され、加盟国は2026年12月までの対応を求められている。このような動きは、労働者性判断の予見可能性を高める試みとして整理されている。

研究会では、判断基準が複雑になり過ぎると実務で使いにくくなるとの懸念も示された。契約書の内容だけでなく、実際の働き方を重視する姿勢は維持しつつ、企業側と働き手の双方が事前にリスクを把握できる仕組みづくりが課題とされている。行政による相談体制の整備や自己診断の仕組みも、その一環として位置付けられている。

今回の整理は、直ちに法律の定義を変更するものではないが、今後の制度設計や実務判断に影響を与える基礎資料となる。企業の採用や業務委託の在り方を考える上でも、労働者性の判断がどのような視点で行われてきたのかを理解することが重要性を増している。

この記事の要点

  • 労働者性判断は指揮監督や拘束性などの実態を総合的に見る枠組みで行われている
  • 2024年11月施行の新たな法律により個人受託者の取引環境整備が進む
  • アプリやアルゴリズム管理も指揮監督として評価される可能性がある
  • EUでは2026年12月までに雇用推定制度への対応が求められている
  • 判断の予見可能性を高めることが今後の大きな課題となっている

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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