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2026年2月16日

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令和7年12月の全国有効求人倍率は1.19倍、中小企業採用に何が起きているのか

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一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)について(厚労省)

この記事の概要

本記事では、令和8年1月30日に公表された一般職業紹介状況をもとに、令和7年12月および令和7年通年の雇用動向について詳しく解説する。全国の有効求人倍率や新規求人倍率の動き、産業別・都道府県別の特徴を丁寧に読み解きながら、中小企業の採用担当者が現在の労働市場をどのように捉え、今後どのような採用活動を進めるべきかについて、実務に即した視点で考察する。数字の背景にある構造的な変化にも触れ、単なる統計の紹介にとどまらない内容としている。


令和8年1月30日、厚生労働省より令和7年12月分および令和7年通年の一般職業紹介状況が公表された。一般職業紹介状況は、全国のハローワークに集まる求人、求職、就職の実績をもとに、労働市場の現状を把握するための重要な統計として、企業の採用担当者や求職者、行政関係者から高い関心を集めている。特に有効求人倍率は、雇用の需給バランスを示す代表的な指標であり、採用戦略を考えるうえで欠かせない判断材料となっている。

今回公表されたデータによると、令和7年12月の有効求人倍率は1.19倍となり、前月から0.01ポイント上昇した。これは、求職者1人に対して1.19件の求人が存在する状態を示しており、全体としては引き続き求人が求職を上回る状況が続いていることを意味する。ただし、上昇幅は小さく、急激な改善というよりは、緩やかな動きの中で均衡に近づいている印象が強い。新規求人倍率についても2.17倍となり、前月比で0.03ポイント上昇しており、新たに動き出した求人と求職の関係においても、企業側の採用意欲が一定程度維持されていることがうかがえる。

一方で、正社員有効求人倍率は0.99倍にとどまり、前月から0.01ポイント上昇したものの、依然として1倍を下回っている。この数字は、正社員として働きたいと考える求職者の数に対して、正社員求人がわずかに不足している状態を示している。中小企業にとっては、非正規や多様な雇用形態だけでなく、正社員採用の条件や魅力をどのように打ち出すかが、今後さらに重要になることを示唆する結果といえる。

12月の動きを詳しく見ると、有効求人は前月比で0.3%増加した一方、有効求職者は0.8%減少している。この組み合わせにより、有効求人倍率が小幅ながら上昇した。求職者数が減少している背景には、少子高齢化による労働力人口の縮小に加え、在職中に転職活動を行う人が増え、表面上の求職者数に現れにくくなっている点も影響していると考えられる。企業側から見れば、待っていれば応募が集まる時代ではなく、能動的に人材にアプローチする姿勢が求められている状況といえる。

新規求人の原数値を見ると、前年同月比で2.4%減少しており、すべての業界で一様に求人が増えているわけではないことが分かる。産業別では、教育・学習支援業が4.0%増、学術研究・専門・技術サービス業が2.5%増、製造業が1.6%増と増加している一方、情報通信業は10.5%減、宿泊業・飲食サービス業は7.0%減、卸売業・小売業は6.5%減となっている。デジタル化や消費行動の変化、人手不足の深刻さなど、業界ごとの構造的な要因が数字に反映されており、採用環境が業種によって大きく異なることを改めて示している。

地域別に見ると、就業地別の有効求人倍率では、福井県が1.80倍と全国で最も高く、福岡県が0.98倍と最も低い結果となった。また、受理地別では東京都が1.75倍で最高、神奈川県が0.84倍で最低となっている。同じ都市圏であっても、求人が出された場所と実際に働く場所の違いによって倍率に差が生じており、企業の所在地や募集エリアの設定が採用成果に大きく影響することが分かる。中小企業の採用担当者にとっては、自社の所在地だけでなく、近隣県やテレワークを含めた働き方の選択肢を検討することが、人材確保の可能性を広げる鍵となる。

令和7年通年で見ると、有効求人倍率の平均は1.22倍となり、前年の1.25倍から0.03ポイント低下した。これは、雇用情勢が大きく悪化したというよりも、求人と求職のバランスがやや落ち着きを見せてきた結果と捉えることができる。有効求人は前年に比べて3.5%減少し、有効求職者も1.2%減少しており、労働市場全体が縮小方向にある中で、限られた人材をどのように確保するかが、企業経営の重要なテーマになっている。

中小企業の採用担当者がこの有効求人倍率をどう活用すべきかを考えると、まず重要なのは倍率の高さそのものに一喜一憂しないことである。1.19倍や1.22倍という数字は全国平均であり、自社の業種や地域によって体感は大きく異なる。例えば、令和7年12月時点で福井県のように1.80倍という高い倍率の地域では、求職者の選択肢が多く、条件面や職場環境の魅力を具体的に伝えなければ応募につながりにくい。一方で、倍率が1倍前後の地域であっても、専門性の高い職種や正社員求人では競争が激しいケースが多く、採用難易度は決して低くない。

そのため、採用活動においては、給与や休日といった条件面だけでなく、仕事のやりがいや成長機会、職場の雰囲気といった定性的な情報を丁寧に発信することが求められる。また、求人を出すタイミングも重要であり、新規求人が減少する傾向にある月や業界動向を踏まえ、他社が動きにくい時期を狙うといった工夫も有効である。有効求人倍率はあくまで市場全体の温度感を示す指標であり、それを自社の採用戦略にどう落とし込むかが、採用担当者の腕の見せ所といえる。

さらに、令和7年以降はオンラインでの求職登録や応募が一般化しており、ハローワークを介した採用であっても、情報発信の質がこれまで以上に問われている。求職者は複数の求人を比較検討することが当たり前になっているため、求人票の内容が曖昧であったり、企業の姿が見えにくかったりすると、選ばれにくくなる。有効求人倍率が示す数字の裏側には、こうした情報戦の側面も存在していることを理解する必要がある。

今回の一般職業紹介状況は、雇用市場が大きく動揺しているわけではないものの、着実に変化していることを示している。中小企業にとっては、統計を読み解き、自社の置かれた立場を冷静に把握したうえで、長期的な視点で人材育成と採用を両立させる姿勢が、今後ますます重要になるだろう。

この記事の要点

  • 令和7年12月の有効求人倍率は1.19倍で前月から小幅に上昇
  • 令和7年平均の有効求人倍率は1.22倍で前年より低下
  • 産業別では増加する業界と減少する業界の差が鮮明
  • 都道府県別に見ると地域差が大きく採用環境は一様ではない
  • 中小企業は倍率の数字だけでなく自社の魅力発信が重要

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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