2026年2月21日
労務・人事ニュース
2025年人口移動データで見る519万人の国内移動減少が採用市場に与える影響
住民基本台帳人口移動報告 2025年(令和7年)結果(総務省)
この記事の概要
2025年1月から12月までの1年間における住民基本台帳に基づく人口移動の結果が公表され、国内外の人の動きが具体的な数字とともに明らかになりました。市区町村間や都道府県間の移動は全体として減少傾向が続く一方、国外からの転入は増加し、全国では社会増加となっています。年齢層別や都市圏別の動きからは、若年層を中心とした移動の特徴や、大都市圏への集中と一部地域の変化が読み取れます。企業の採用や人材戦略にも影響する最新動向を、事実に基づき丁寧に整理します。
2025年の住民基本台帳人口移動の結果によると、国内で住所を移した人は市区町村間で5190548人となり、前年から0.3%減少しました。都道府県間の移動者数も2515731人で、こちらも0.3%の減少となり、国内移動は全体として縮小傾向が続いています。この動きは一時的な変化ではなく、複数年にわたる連続した傾向として確認されています。
国内移動を都道府県内と都道府県間に分けてみると、同一都道府県内での移動は2674817人となり、前年より0.4%減少しました。男女別では男性よりも女性の減少幅が大きく、生活環境や働き方の変化が移動行動に影響している可能性が示唆されます。企業にとっては、地域内での人材確保の難易度が高まりつつある状況といえます。
一方で、国外との移動に目を向けると状況は異なります。国外からの転入者数は782165人となり、前年から6.3%増加しました。国外への転出者数も409592人と増加していますが、転入が転出を大きく上回った結果、全国の社会増減数は337234人の社会増加となっています。国内移動が減少する中で、国外からの人の流入が全体を押し上げた形です。
都道府県別の社会増減を見ると、23の地域で社会増加となり、都市部を中心に人口流入が続いています。一方で、24の地域では社会減少が続いており、地域間の差は依然として大きい状況です。この差は雇用機会や生活利便性の違いだけでなく、長期的な人口構造の変化も背景にあります。
年齢階級別に都道府県間移動を見ると、20代前半から30代前半の移動が特に多く、25~29歳では前年より増加しています。これは進学や就職、転職といったライフイベントが集中する年代であり、企業の採用活動に直結する重要な層です。若年層の移動先や流出元を把握することは、人材戦略を立てる上で欠かせません。
3大都市圏全体では119581人の転入超過となりましたが、前年からはわずかに縮小しています。圏域ごとに見ると、東京圏は依然として大きな転入超過を維持する一方で、名古屋圏は転出超過、大阪圏は転入超過へと変化しています。都市圏ごとの動きの違いは、企業立地や採用競争の環境差として表れています。
男女別の動向では、3大都市圏全体で女性の転入超過が男性を上回っています。働き方の多様化や職種の広がりが、女性の移動を後押ししている可能性があります。企業側には、多様な人材が定着しやすい職場環境づくりがより一層求められる局面です。
日本人のみの移動に限って見ると、市区町村間移動は4528254人で、8年連続の減少となりました。都道府県間移動も減少しており、国内人口の流動性は全体として低下しています。この傾向は採用市場の地域偏在を強める要因となり、特定地域では人材不足が深刻化する可能性があります。
今回の結果は、人口移動が量的には縮小しつつも、質的には国外からの流入や若年層の動きに特徴があることを示しています。企業の採用担当者にとっては、従来の地域前提の採用戦略を見直し、広域的な人材確保や多様な働き方への対応を検討する材料となる内容です。
この記事の要点
- 2025年の市区町村間移動者数は5190548人で前年から0.3%減少
- 国外からの転入は782165人で6.3%増加し全国は社会増加
- 20代から30代前半の都道府県間移動が依然として多い
- 3大都市圏は合計119581人の転入超過だが圏域ごとに差がある
- 国内人口移動の縮小は企業の採用戦略に直接影響する
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ


