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2026年3月18日

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令和8年1月山口県有効求人倍率1.31倍と全国1.18倍の比較分析

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令和8年1月山口県1.31倍時代の中小企業採用の方向性

令和8年3月3日、山口労働局は令和8年1月分の山口県内の雇用情勢を公表した。発表によると、令和8年1月の有効求人倍率は受理地別かつ季節調整値で1.31倍となり、前月の1.29倍から0.02ポイント上昇した。求人が求職を上回る状況は継続しているが、県内の雇用情勢については「求人の一部に弱さがみられる」とし、物価上昇等が雇用に与える影響に注意する必要があるとの判断を3か月連続で維持している。数値は改善を示しているものの、慎重な見方が続いている点が特徴だ。

季節調整値でみると、月間有効求職者数は19,842人で前月比0.1%増加した。これに対し、月間有効求人数は26,030人で前月比1.6%増加している。求人数の増加幅が求職者数を上回ったことにより、有効求人倍率は上昇した。ただし前年同月の1.42倍と比較すると0.11ポイント低下しており、長期的にはやや落ち着いた水準へと推移していることが分かる。

新規の動向を見ると、新規求職者数は4,572人で前月比1.4%増加した。一方、新規求人数は9,767人で前月比9.3%増加している。その結果、新規求人倍率は2.14倍となり、前月の1.98倍から0.16ポイント上昇した。しかし前年同月は2.31倍であったため、依然として前年水準を下回っている。新規採用市場は活発さを保ちながらも、勢いはやや緩やかになっているといえる。

実数での一般職業紹介状況では、月間有効求職者数は18,634人で前年同月比2.2%増加したのに対し、月間有効求人数は25,858人で前年同月比6.3%減少した。新規求人数は10,162人で前年同月比2.3%減少している。求人が減少し求職が増加している構図は、需給バランスが徐々に変化していることを示唆する。就職件数は1,177件で前年同月比2.7%増加したが、前月比では8.2%減少しており、動きは一定ではない。

産業別に見ると、増減には明確な差がある。製造業の新規求人は1,040人で前年同月比19.1%増加した。中でも電気機械器具製造業は前年同月比103.3%増、はん用機械器具製造業は80.3%増、輸送用機械器具製造業は73.1%増と大きな伸びを示している。一方で運輸業・郵便業は640人で前年同月比23.1%減少し、宿泊業・飲食サービス業は385人で21.6%減少、医療・福祉は2,939人で4.3%減少した。前年同月より100人以上減少した産業も複数あり、業種ごとの経営環境の違いが雇用に反映されている。

正社員に関する指標も重要だ。正社員有効求人倍率は1.34倍で、前年同月の1.45倍から0.11ポイント低下した。正社員の月間有効求人数は14,261人で前年同月比5.1%減少している一方、パートタイムを除く常用の月間有効求職者数は10,675人で前年同月比2.7%増加した。正社員採用は依然として求人超過の状況にあるが、以前ほどの逼迫感は薄れつつある。

都道府県別に見ると、令和8年1月の全国平均有効求人倍率は1.18倍であり、山口県の1.31倍はこれを上回る水準にある。中国地方では広島県が1.39倍、岡山県が1.34倍、山口県が1.31倍となっており、地域内でも中位に位置している。福岡県は1.06倍であり、隣県との比較でも状況は異なる。採用活動を行う企業にとっては、県内だけでなく近隣県との人材流動も視野に入れる必要がある。

雇用保険の被保険者数は393,449人で前年同月比1.1%減少した。適用事業所数も23,668事業所で前年同月比1.2%減少している。企業数や被保険者数の減少は、人口減少や事業縮小の影響も考えられる。資格取得者数や資格喪失者数の動向を見ても、雇用の入れ替わりは一定程度続いている。

こうした状況の中で、中小企業の採用担当者は有効求人倍率1.31倍という数字をどのように受け止めるべきだろうか。倍率が1倍を超えている以上、基本的には売り手市場である。しかし前年より低下している事実は、採用環境がわずかに緩和している可能性を示している。過度な人材獲得競争に振り回されるのではなく、自社の採用基準や育成計画を再確認する好機と捉えることができる。

特に重要なのは、統計を自社の経営戦略と結びつける姿勢だ。例えば製造業が増加傾向にあるならば、同業他社との競争が激化する可能性が高い。その場合は給与水準だけでなく、技能習得支援や資格取得支援、働きやすい環境整備といった具体策を明示することが求められる。一方、求人が減少している業種では、安定性や将来展望を丁寧に伝えることが応募者の安心感につながる。

また、企業の信頼性を高める情報発信も欠かせない。平均勤続年数、離職率、育児休業取得実績、研修参加人数など、客観的な実績を示すことで、求職者は企業の実態を理解しやすくなる。公的データを参考にしながら、自社の現状を数値で把握し、透明性のある採用活動を行うことが、長期的な人材確保に結び付く。

新規求人倍率が2.14倍であることから、新規採用市場は依然として競争が続いている。求人票の記載内容を具体化し、業務内容や評価制度、キャリアパスを明確に示すことが応募の質を高める。オンライン応募が増えている現状を踏まえ、デジタル媒体での情報発信を強化することも有効だ。

令和8年1月の山口県の有効求人倍率1.31倍は、数字だけを見れば堅調に映る。しかしその内訳を丁寧に読み解くと、求人減少や産業別の格差、被保険者数の減少など、複合的な課題が浮かび上がる。中小企業にとって重要なのは、短期的な充足だけを目指すのではなく、育成と定着を見据えた採用活動を構築することだ。公表された統計を活用し、現状を正確に把握し続けることが、変化する雇用環境の中で持続的な成長を実現する基盤となる。

⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ

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