2026年3月19日
労務・人事ニュース
令和8年1月大分県有効求人倍率1.14倍 九州平均1.08倍との違いを解説
-
正社員前提/土日祝休み/大手生命保険会社でサポート事務/田川
最終更新: 2026年3月18日 01:30
-
歯科衛生士/残業なし 昇給あり 車通勤OK 一般歯科などの診療を行っ/一般歯科
最終更新: 2026年3月17日 21:02
-
歯科衛生士/産休育休取得実績あり サポート体制 スキルアップ JR鹿/一般歯科 小児歯科 訪問歯科
最終更新: 2026年3月17日 21:02
-
4月開始/製品やサービスの問い合わせ対応など/未経験OK/駅近/テレフォンオペレーター/ヘルプデスク
最終更新: 2026年3月18日 01:08
令和8年1月大分県と全国1.18倍の差を読み解く採用担当者の視点
令和8年3月3日、大分労働局は令和8年1月分の雇用情勢を公表した。発表によると、大分県の有効求人倍率は1.14倍となり、前月の1.19倍から0.05ポイント低下した。これで9か月連続の下降となる。一方で、平成27年2月から132か月連続で1.0倍を上回っており、求人が求職を上回る構図自体は維持されている。ただし、持ち直しの動きには足踏みが見られ、物価上昇など外部環境の影響を慎重に見極める局面に入っているといえる。
1月の有効求人数は季節調整値で21,617人となり、前月比2.5%減少した。これで8か月連続の減少である。対して有効求職者数は18,897人で前月比1.8%増加し、2か月連続の増加となった。求人が減り、求職が増える方向に動いた結果、倍率は低下した。新規求人数は8,773人で前年同月比9.9%減少している。企業側の採用意欲が前年よりもやや慎重になっていることが数字から読み取れる。
産業別にみると動きは一様ではない。建設業は前年同月比1.4%増、製造業は6.8%増、情報通信業は64.4%増、運輸業・郵便業は4.0%増と増加した分野がある一方、卸売業・小売業は21.4%減、宿泊業・飲食サービス業は11.9%減、生活関連サービス業・娯楽業は22.5%減、医療・福祉は10.5%減、サービス業全体でも14.0%減となった。とりわけ医療・福祉は2,587人と依然として求人数自体は多いものの、前年からは減少しており、人材確保の難しさと経営環境の変化が影響している可能性がある。
求職側の動きにも注目すべき変化がある。新規求職申込件数は5,079人で前年同月比10.3%増加した。常用フルタイムの新規求職者は2,914人で前年同月比4.1%増である。その内訳は在職者が1,096人で2.0%増、離職者が1,663人で5.1%増、無業者が155人で9.9%増となった。離職理由別では事業主都合が319人で2.6%増、自己都合が1,295人で7.3%増である。自己都合退職の増加は、より良い条件を求めて転職を選択する動きが一定程度続いていることを示唆する。
正社員有効求人倍率は原数値で1.17倍となり、前年同月を0.14ポイント下回った。それでも55か月連続で1倍台を維持している。正社員の求人は一定数確保されているが、前年よりは需給のひっ迫度が緩和している。就業地別有効求人倍率は1.29倍で前月比0.04ポイント低下した。地域別にみると、ハローワーク大分は1.45倍、中津は1.03倍となっており、地域間で差があることも確認できる。
雇用保険受給者実人員は4,771人で前年同月比10.4%増加した。受給者の増加は、離職者の増加傾向と連動している可能性がある。全国の有効求人倍率は1.18倍であり、大分県の1.14倍は全国水準をやや下回る。九州平均は1.08倍であるため、九州内では中位に位置している。
これらのデータを踏まえると、中小企業の採用担当者は戦略の再設計が求められる局面にある。令和8年1月の大分県の有効求人倍率1.14倍という数字は、依然として売り手市場の側面を持ちながらも、過度な人材不足局面からはやや落ち着きつつあることを示す。求職者数が増加している今こそ、応募母集団の質と量を高める取り組みが重要になる。
まず、求人票の内容を再点検する必要がある。給与水準や休日数、キャリアパスの明確化など、具体的な条件を数字で示すことで信頼性を高められる。E-E-A-Tの観点では、企業自身の実績や社員の声など経験に基づく情報発信が有効だ。例えば平均勤続年数や研修時間、離職率などを明示することで、求職者にとって判断材料が増える。曖昧な表現ではなく、実証可能な情報を積極的に開示する姿勢が、信頼獲得につながる。
また、自己都合離職が増加している現状を踏まえると、採用だけでなく定着施策も重視すべきである。採用広報の段階から企業文化や働き方を正確に伝えることが、入社後のミスマッチ防止に寄与する。特に中小企業は知名度で大企業に劣る場合があるが、その分、意思決定の速さや経営層との距離の近さといった強みを具体例とともに示すことで差別化できる。
さらに、情報通信業が前年同月比64.4%増と大きく伸びている点から、デジタル人材の需要が拡大していることがうかがえる。異業種からの転職希望者を受け入れるためのリスキリング支援や未経験者向け研修の整備も、長期的には競争力を高める施策となる。単に即戦力を求めるだけでなく、育成を前提とした採用戦略に転換する企業が優位に立つ可能性が高い。
有効求人倍率は単なる数字ではなく、企業と求職者の力関係や心理を映す指標である。令和8年1月の大分県で1.14倍という状況は、依然として求人が上回るが、選考の質が問われる局面といえる。中小企業の採用担当者は、地域の労働市場データを定期的に確認し、自社の採用活動を客観的に見直すことが重要である。信頼できる公的統計に基づいた判断は、採用の精度を高めるだけでなく、経営戦略全体の安定にも寄与する。変化する雇用環境の中で、事実に基づく冷静な分析と、求職者に対する誠実な情報開示が、これからの採用成功の鍵を握っている。
⇒ 詳しくは大分労働局のWEBサイトへ


