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2026年3月19日

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令和8年1月山形県有効求人倍率1.27倍が中小企業採用に与える影響

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令和8年1月山形県有効求人倍率1.27倍と新規求人倍率2.07倍

令和8年3月3日、山形労働局は令和8年1月分の一般職業紹介状況を公表した。今回の発表によると、山形県の有効求人倍率は季節調整値で1.27倍となり、前月を0.02ポイント下回った。一方で、新規求人倍率は季節調整値で2.07倍となり、前月を0.15ポイント上回っている。正社員有効求人倍率は原数値で1.15倍となり、前年同月を0.10ポイント下回った。山形労働局は、県内の雇用情勢について持ち直しの動きに弱さがみられるとし、今後も物価高騰などが雇用に与える影響に留意する必要があるとしている。

まず求人の状況をみると、1月の新規求人数は8,858人で、前年同月比1.5%減となり3か月連続の減少となった。月間有効求人数は季節調整値で21,509人となり、前月比1.4%減で2か月ぶりの減少である。原数値では21,593人で前年同月比4.6%減と、12か月連続の減少が続いている。一方で正社員に係る新規求人数は4,645人で前年同月比0.7%増となり、新規求人に占める正社員の割合は52.4%と前年同月を1.1ポイント上回った。求人全体は減少傾向が続いているが、正社員求人の比率が上昇している点は特徴的である。

産業別に新規求人をみると、医療・福祉は1,875人で前年同月比12.7%増と大きく伸びた。建設業は950人で0.7%増、宿泊業・飲食サービス業は423人で1.7%増と小幅ながら増加している。一方、製造業は1,430人で6.9%減、運輸業・郵便業は384人で12.9%減、卸売業・小売業は974人で8.4%減、サービス業は1,349人で9.5%減となった。製造業の内訳では16業種中8業種が前年を上回ったものの、全体では3か月連続の減少となっている。業種によるばらつきが鮮明であり、特に医療・福祉分野の需要の強さが際立つ。

求職の動向を見ると、1月の新規求職申込件数は4,356件で前年同月比0.1%減となり、4か月連続の減少であった。ただし月間有効求職者数は季節調整値で16,998人となり、前月比0.5%増で2か月ぶりの増加となっている。原数値では15,980人で前年同月比0.8%増と、8か月連続の増加が続いている。離職者は2,295人で前年同月比1.0%減、うち事業主都合離職者は615人で4.4%減となり、企業都合による離職は抑制されている。一方で在職者は1,681人で前年同月比6.1%増と2か月連続で増加しており、転職を志向する動きが強まっていることがうかがえる。

有効求人倍率を改めて確認すると、季節調整値1.27倍は依然として求人が求職を上回る水準であるが、前月からは低下している。原数値では1.35倍で前年同月を0.08ポイント下回った。正社員有効求人倍率1.15倍も前年同月を0.10ポイント下回っており、企業の採用意欲にやや慎重さがみられる。全国の有効求人倍率は1.18倍であり、山形県は全国を上回る水準を維持しているが、差は大きくない。

雇用保険の受給者実人員は3,362人で前年同月比3.8%増となり、9か月連続の増加となった。この動きは、有効求職者数の増加とも整合的である。紹介件数は3,612件で前年同月比2.8%増、就職件数は1,132件で4.2%増と回復の兆しもみられる。ハローワークインターネットサービスの活用が進み、オンライン自主応募など多様な就職経路が統計に反映されている点も近年の特徴である。

これらの数値から読み取れるのは、山形県の雇用環境が完全な回復局面とは言い難く、分野ごとに明暗が分かれているという現実である。有効求人倍率1.27倍という水準は、依然として人手不足の側面を示しているが、求人総数の減少や正社員倍率の低下は、企業が採用計画を慎重に見直している可能性を示唆する。

中小企業の採用担当者にとって、この状況は一律に厳しいと捉えるべきではない。例えば医療・福祉のように求人が増加している分野では競争が激化するため、給与水準や勤務体制、研修制度などを具体的な数字で提示し、自社の強みを明確に伝える必要がある。一方、製造業やサービス業で求人が減少している背景には受注状況やコスト上昇の影響があると考えられ、採用を絞る企業がある中で、将来の技能承継を見据えた計画的採用が差別化につながる。

また在職者の求職が増加している点は重要である。現職に就きながら転職を検討する人材は、即戦力として期待できる可能性が高い。こうした層に訴求するには、職務内容の具体性やキャリア形成の道筋を明示することが不可欠である。曖昧な表現ではなく、月間平均残業時間や年間休日数、資格取得支援の実績などを数値で示すことで信頼を得られる。

有効求人倍率は単なる景気指標ではなく、地域の採用競争の強さを映す鏡である。令和8年1月の山形県有効求人倍率1.27倍という数字は、売り手市場が続く中でも、選ばれる企業とそうでない企業の差が広がる局面にあることを示している。公的統計という客観的データを基に、自社の立ち位置を冷静に分析し、求人内容の透明性を高めることが、持続的な人材確保につながる。採用活動は短期的な充足だけでなく、中長期的な組織づくりの一環として設計することが求められている。

⇒ 詳しくは山形労働局のWEBサイトへ

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