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2026年3月20日

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令和8年1月愛知県有効求人倍率1.23倍と正社員1.15倍

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令和8年1月愛知県有効求人倍率1.23倍と全国1.18倍

愛知労働局が令和8年3月3日に公表した令和8年1月分の雇用情勢によると、愛知県内の有効求人倍率は季節調整値で1.23倍となり、前月と同水準で推移した。求人が求職を上回る状況は維持しているものの、前年同月の1.29倍と比べると0.06ポイント低下している。全国の同月の有効求人倍率は1.18倍であり、愛知県は0.05ポイント上回っているが、東海4県の中では岐阜県1.41倍に比べて低い水準であることが示されている 。

同資料によれば、月間有効求人数は季節調整値で121,547人となり、前月比0.4%増加した。一方で月間有効求職者数は99,406人で前月比0.2%増加している。求人と求職の双方が増加する中で倍率が横ばいとなっている点は、労働市場が大きく緩むことも締まることもなく、一定の均衡状態にあることを示唆している。しかし原数値で見ると、月間有効求人数は前年同月比5.4%減少しており、企業の求人意欲が前年よりやや抑制的であることも読み取れる。

新規求人倍率は季節調整値で2.24倍となり、前月から0.06ポイント上昇した。新規求人数は45,083人で前年同月比2.9%減少している一方、新規求職申込件数は19,398件で前年同月比0.6%増加している。足元では新規求人倍率が持ち直しているが、前年との比較では求人数の減少が続いており、景気の先行きや物価上昇の影響を慎重に見極める企業の姿勢がうかがえる。

産業別にみると、製造業の新規求人は5,102人で前年同月比4.3%減少している。中でも輸送用機械器具製造業は1,333人で1.3%減少、食料品製造業は395人で33.1%減少と大きな落ち込みがみられる。一方で生産用機械器具製造業は307人で15.0%増加しており、分野によって明暗が分かれている。医療・福祉は11,528人で1.8%減少となったが、社会保険・社会福祉・介護事業は7,686人で2.3%減少にとどまり、依然として高水準の求人を維持している。宿泊業・飲食サービス業は2,871人で5.0%減少しているが、生活関連サービス業や一部専門サービスでは増加もみられる。

地域別では、名古屋地域の有効求人倍率は1.69倍、尾張は1.06倍、西三河は1.06倍、東三河は1.00倍となっている。名古屋地域は3.30倍という高い新規求人倍率を示しており、人材確保競争が特に激しい。一方で東三河は1.00倍と需給がほぼ均衡している。地域差を踏まえた採用戦略が不可欠であることは明らかである。

正社員の状況に目を向けると、正社員有効求人倍率は1.15倍で前年同月より0.07ポイント低下したが、55か月連続で1倍台を維持している。正社員有効求人数は55,004人で前年同月比0.7%増加している一方、正社員有効求職者数は63,360人で5.0%減少している。企業が正社員採用を継続する姿勢を保っていることが分かるが、応募母集団は縮小傾向にある。

職業別の有効求人倍率を見ると、建設躯体工事従事者は10.43倍、土木作業従事者は9.21倍と極めて高い。介護サービス職業従事者も6.95倍と高水準である。一方で一般事務従事者は0.77倍にとどまり、事務職は依然として狭き門である。職種間の需給ギャップは大きく、企業は自社の職種特性を踏まえた戦略設計が求められる。

中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.23倍という数字は単なる統計ではない。求人が求職を上回る状況下では、応募を待つ姿勢から脱却し、自社の魅力を積極的に発信する姿勢が不可欠である。特に愛知県は製造業を中心とする産業集積地であり、同業他社との競争は避けられない。給与や福利厚生だけでなく、技術力、取引先実績、教育体制、地域社会への貢献など、具体的な事実を示すことが信頼構築につながる。

さらに、地域差を踏まえた戦略も重要である。名古屋地域では競争が激しいため、選考スピードの迅速化やインターンシップの活用が効果的である。一方、東三河のように倍率が1.00倍前後の地域では、地元志向の求職者に向けた安定性や長期雇用の実績を強調することが有効である。

また、正社員有効求人倍率1.15倍という状況は、即戦力だけでなく未経験者や若年層の育成を視野に入れた採用の余地を示している。求職者数が減少している中では、育成前提の採用モデルを構築することが持続的な人材確保につながる。職業別データを精査し、自社の職種が属する市場の需給バランスを正確に把握することが第一歩である。

統計は冷静な事実を示している。愛知県の雇用情勢は堅調さを保ちつつも、前年よりはやや弱含みで推移している。物価上昇や外部環境の変化が雇用に与える影響を見据えながら、企業は長期的視点で採用戦略を再構築する必要がある。公的機関が公表する信頼性の高いデータを基盤に、実態に即した判断を重ねることが、これからの採用活動の成否を分ける鍵となる。

⇒ 詳しくは愛知労働局のWEBサイトへ

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