2026年3月21日
労務・人事ニュース
令和8年1月大阪府有効求人倍率1.15倍から考える人材確保策
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令和8年1月大阪府有効求人倍率1.15倍と6か月連続低下の影響
大阪労働局が令和8年3月2日に公表した令和8年1月分の大阪労働市場ニュースによると、現下の雇用失業情勢は改善の動きが弱まっていると示されている。大阪府の有効求人倍率は季節調整値で1.15倍となり、前月より0.01ポイント低下し、6か月連続の低下となった。有効求人数は179,439人で前月比0.5%減少し、12か月連続の減少となっている。一方、有効求職者数は156,610人で前月比0.9%増加し、2か月ぶりの増加である。求人が緩やかに減少する中で求職者が増加していることが、倍率低下の背景にある。
新規求人倍率は季節調整値で2.29倍となり、前月より0.02ポイント低下した。新規求人数は63,143人で前月比0.3%増加し3か月連続の増加であるが、原数値で見ると66,856人で前年同月比6.8%減少し、7か月連続の減少となっている。新規求職申込件数は季節調整値で27,527件と前月比1.2%増加し、原数値でも28,460件と前年同月比5.7%増加している。採用市場では新規求職の動きがやや強まる一方で、企業側の新規求人は前年水準を下回る状況が続いている。
産業別に新規求人の動向を見ると、令和8年1月の原数値では、製造業が前年同月比10.9%減、情報通信業が13.9%減、運輸業・郵便業が10.5%減、卸売業・小売業が8.7%減、学術研究・専門技術サービス業が8.8%減、宿泊業・飲食サービス業が2.7%減、生活関連サービス業・娯楽業が2.8%減となっている。医療・福祉は前年同月比0.0%で横ばい、教育・学習支援業は4.1%増加している。企業規模別では29人以下の事業所で前年同月比9.5%減、300人から499人規模で18.3%減、500人から999人規模で13.0%減など、中小規模事業所での減少が目立つ。
職業別の有効求人倍率では、サービス職が3.23倍、保安職が5.13倍、建設・採掘が5.60倍、介護関連が4.61倍と高水準で推移している。一方、事務職は0.40倍、管理職は0.78倍、農林漁業は0.65倍と1倍を下回る分野もある。求人の逼迫度は職種ごとに大きく異なり、単純に全体の有効求人倍率1.15倍だけで判断することはできない。
正社員に限定した原数値では、正社員有効求人倍率は0.98倍で前年同月比0.06ポイント低下している。正社員有効求人数は90,587人で前年同月比5.7%減、正社員有効求職者数は92,369人で前年同月比0.3%増となっている。正社員新規求人数は32,724人で前年同月比5.1%減少している。安定雇用を希望する求職者が一定数存在する一方で、正社員求人は縮小傾向にあることが読み取れる。
雇用保険の状況では、令和8年1月末現在の適用事業所数は190,265事業所で前年同月比0.2%増、被保険者数は3,832,192人で前年同月比1.1%増と44か月連続の増加となっている。一方、受給者実人員は34,589人で前年同月比12.7%増と8か月連続で増加している。労働移動が活発化しつつも、完全失業率は1.09%と前月より0.02ポイント低下している。
こうした客観的な統計を丁寧に読み解くことが、採用活動の出発点となる。有効求人倍率1.15倍は依然として求人超過の状態であるが、6か月連続で低下しているという事実は、市場環境が徐々に変化していることを示している。中小企業の採用担当者は、単に人手不足という感覚に頼るのではなく、求人と求職の数量、産業別動向、職種別倍率、正社員比率など多面的なデータを踏まえて戦略を設計する必要がある。
例えば、事務職の有効求人倍率が0.40倍であることは、応募母集団を形成しやすい環境であることを意味する。選考基準や育成体制を明確にすれば、質の高い人材確保が可能である。一方、建設・採掘5.60倍や介護関連4.61倍といった分野では、待遇だけでなく職場環境の透明性、教育体制、キャリアパスの提示が不可欠である。求人票の記載内容を具体化し、実際の業務内容や評価制度を正確に伝える姿勢が信頼につながる。
また、29人以下の企業で新規求人が前年同月比9.5%減少している点は、中小企業が慎重な採用姿勢に転じている可能性を示す。だからこそ、限られた採用機会を成功させるために、自社の強みを数値や実績で示すことが重要となる。離職理由の分析や定着率の公開、研修制度の具体的説明など、応募者が判断できる材料を丁寧に提供することが求められる。
求職者側では、事業主都合離職者が前年同月比20.9%増加している。これは経験を持つ人材が市場に流入している可能性を示している。中小企業にとっては即戦力人材を確保する好機ともいえるが、同時に再就職への不安を抱える人材でもある。面接過程で前職の状況を尊重し、将来の役割や成長機会を具体的に説明することが信頼形成につながる。
採用活動は単なる人員補充ではなく、企業の持続的成長を左右する重要な経営活動である。大阪府の令和8年1月の有効求人倍率1.15倍という数値は、市場の現実を示す指標に過ぎない。その背後にある求人数179,439人、求職者数156,610人、新規求人66,856人、新規求職28,460件といった具体的なデータを読み解き、自社の業種や職種の位置づけを理解することが不可欠である。公的統計に基づく正確な現状認識と、透明性の高い情報発信を徹底することが、結果として企業の信頼を高め、優秀な人材との出会いを実現する道となる。
⇒ 詳しくは大阪労働局のWEBサイトへ


