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2026年3月21日

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令和8年1月奈良県有効求人倍率1.12倍が示す採用市場の変化

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令和8年1月奈良県有効求人倍率1.12倍と正社員市場1.07倍

奈良労働局が令和8年3月3日に公表した奈良県の一般職業紹介状況によれば、令和8年1月の有効求人倍率は1.12倍となり、前月を0.03ポイント上回った。県内の雇用情勢については、有効求人倍率が低下しているものの、引き続き求人が求職を上回って推移しており、一部の求人に持ち直しの動きが見られるとされている。一方で、物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要があると明記されており、景気の先行きに対する慎重な姿勢も示されている。

季節調整値でみると、有効求人数は21,435人で前月比1,172人増、5.8%増となった。有効求職者数は19,157人で前月比633人増、3.4%増である。求人、求職ともに増加しているが、求人の増加幅が上回ったことで倍率は上昇した構図である。新規求人倍率は1.95倍で前月より0.04ポイント上昇し、新規求人数は7,842人で前月比263人増、3.5%増となった。新規求職者数も4,022人で前月比55人増、1.4%増となっている。

就業地別でみると、有効求人倍率は1.27倍となり、前月より0.01ポイント上昇した。就業地別有効求人数は24,402人で前月比1,064人増、4.6%増である。県内で実際に働く場所に着目した場合、受理地別よりも高い倍率となっている点は注目に値する。近畿各府県との比較では、受理地別有効求人倍率は奈良県1.12倍に対し、全国は1.18倍、近畿は1.09倍である。新規求人倍率は奈良県1.95倍、全国2.11倍、近畿2.03倍であり、全国水準よりはやや低いが、近畿内では一定の水準を維持している。

産業別の新規求人をみると、医療・福祉が3,201人で前年同月比3.0%増と最も多く、全体の37.6%を占めている。次いで公務・その他が901人で60.3%増、製造業が900人で4.4%増、卸売業・小売業が722人で5.9%増、サービス業が636人で13.8%減、建設業が525人で9.8%増、運輸業・郵便業が487人で0.2%増、宿泊業・飲食サービス業が385人で10.9%減となっている。医療・福祉分野の求人が高水準で推移していることは、奈良県内の人材需要の中心がこの分野にあることを示している。

正社員に限定した状況では、令和8年1月の正社員有効求人倍率は1.07倍で、前年同月を0.02ポイント下回った。正社員新規求人数は3,677人で前年同月比0.2%増、新規求人に占める正社員割合は43.2%である。倍率が1倍を上回っていることから、正社員市場においても求人が求職を上回る状況が続いているが、前年よりわずかに低下している点は慎重に捉える必要がある。

就職件数は874件で前年同月比2.8%増、そのうち正社員就職件数は292件で1.4%増となった。就職率や充足率の動向を含めてみると、求人を出すだけでなく、実際のマッチング精度を高めることが重要であることがうかがえる。

これらの数値を踏まえ、中小企業の採用担当者が取るべき姿勢は明確である。有効求人倍率1.12倍という水準は、求人数が求職者数を上回る売り手市場であることを意味する。したがって、単に求人票を出すだけでは応募が集まりにくい可能性がある。特に医療・福祉が3,201人と突出している現状では、他産業の企業は人材獲得競争の中で自社の魅力を明確に打ち出す必要がある。

例えば製造業は900人で4.4%増と堅調に推移しているが、医療・福祉と比較すると絶対数は大きく異なる。採用担当者は、賃金水準や労働時間といった条件面だけでなく、教育体制やキャリア形成支援、地域貢献性など、自社独自の価値を具体的な数値や事例を交えて発信することが重要である。信頼できる公的統計を基に現状を説明し、そのうえで自社の立ち位置を示すことが、求職者からの信頼獲得につながる。

また、就業地別有効求人倍率が1.27倍であることから、県内で働く求人はより競争が激しいといえる。奈良県は大阪府や京都府への通勤圏でもあるため、他府県企業との比較も避けられない。採用活動では、勤務地の利便性や通勤負担の軽減策など、生活視点での情報提供も有効である。

正社員有効求人倍率1.07倍という状況は、安定雇用を求める人材に対して一定の選択肢があることを示す。中小企業は、雇用の安定性や長期的な成長機会を具体的に示し、短期的な条件競争に陥らない戦略を描くべきである。新規求人倍率1.95倍という高水準を踏まえると、採用活動は待ちの姿勢ではなく、積極的な情報発信と接点創出が不可欠である。

公的機関が公表する令和8年1月奈良県の有効求人倍率1.12倍、有効求人数21,435人、有効求職者数19,157人、新規求人数7,842人といった具体的数値は、採用戦略を構築するための客観的基盤である。これらを定期的に確認し、自社の採用計画に反映させることが、持続的な人材確保につながる。データに基づく冷静な分析と、求職者目線に立った丁寧な情報提供を積み重ねることこそが、奈良県における中小企業の採用成功の鍵となる。

⇒ 詳しくは奈良労働局のWEBサイトへ

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