2026年3月21日
労務・人事ニュース
令和8年1月香川県有効求人倍率1.43倍174か月連続1倍台
令和8年1月香川県有効求人倍率1.43倍と新規求職1.8%増
香川労働局が公表した令和8年1月分の雇用情勢によると、香川県の有効求人倍率は季節調整値で1.43倍となり、前月から0.02ポイント上昇しました。これで174か月連続して1倍台を維持しており、全国順位は第5位、全国平均の1.18倍を上回る水準です。求人数が求職者数を継続して上回っていることを示す結果であり、県内の雇用市場は引き続き売り手優位の状況にあるといえます。一方で、正社員の有効求人倍率は原数値で1.24倍となり、前年同月より0.03ポイント低下しました。全国平均の1.04倍を上回る水準ではあるものの、正規雇用に関してはやや慎重な動きも見られます。
雇用情勢の判断は据え置きとされ、「求人が求職を上回って推移しているものの、このところ持ち直しの動きに弱さがみられる。今後も物価上昇等が雇用に与える影響に留意する必要がある」と示されています。令和7年11月には同様の表現で下方修正が行われており、景気の回復基調の中にも不確実性が残っていることがうかがえます。物価上昇や外部経済環境の変動が企業活動に影響を与え、それが採用姿勢にも波及している可能性は否定できません。
新規求人は原数値で10,197人となり、前年同月比4.5%増で2か月連続の増加となりました。増加した主な産業は医療・福祉、運輸業・郵便業、建設業などであり、人手不足が続く分野で採用需要が高まっています。一方で、宿泊業・飲食サービス業、卸売業・小売業、情報通信業では減少が見られ、業種間の差が広がっています。新規求職は3,961人で前年同月比1.8%増とこちらも2か月連続で増加しました。求職者が増えているとはいえ、求人の伸びが上回っているため、全体としては企業間の人材確保競争が続いている状況です。
直近の有効求人倍率の推移を見ると、令和7年8月が1.45倍、9月が1.44倍、10月が1.42倍、11月が1.39倍、12月が1.41倍、そして令和8年1月が1.43倍となっています。やや上下を繰り返しながらも高水準を維持していることがわかります。正社員有効求人倍率も令和7年8月の1.22倍から12月の1.26倍を経て1月は1.24倍となっており、正規雇用の需要も一定程度保たれています。
このような数値を中小企業の採用担当者はどのように受け止めるべきでしょうか。まず、有効求人倍率1.43倍という水準は、求職者1人に対して1.43件の求人が存在することを意味します。全国平均1.18倍を大きく上回り、全国第5位という位置にある香川県では、企業が積極的に行動しなければ人材を確保できない環境にあると考えるのが現実的です。募集を出すだけで応募が集まる時代ではありません。
特に医療・福祉や建設業、運輸業といった分野では求人増加が顕著です。これらの業界では待遇面の改善だけでなく、働きやすさやキャリア形成支援など総合的な魅力づくりが不可欠です。求人票には具体的な業務内容、研修制度、評価制度、賃金体系を明確に記載し、求職者が入社後の姿をイメージできるようにすることが重要です。曖昧な表現では他社との差別化は図れません。
また、正社員有効求人倍率が前年同月より0.03ポイント低下している点にも目を向ける必要があります。これは企業側が正規雇用に対して慎重になっている可能性を示唆します。中小企業にとっては、正社員採用と同時に多様な雇用形態を活用する戦略も検討する余地があります。短時間正社員制度や柔軟な勤務体系を整備することで、育児や介護と両立を希望する人材を取り込むことができます。
信頼性の高い公的統計を基に採用戦略を立てることは、経営判断の精度を高めます。感覚や経験則だけに頼るのではなく、174か月連続で1倍台を維持しているという事実や、全国順位第5位という位置づけを踏まえて自社の競争環境を客観視することが求められます。さらに、新規求人が4.5%増、新規求職が1.8%増という動向からは、転職市場が活発化していることも読み取れます。即戦力人材を狙うのであれば、選考スピードの迅速化やオンライン面接の導入など、応募から内定までの期間短縮が有効です。
物価上昇が続く中で、求職者は実質的な生活水準を重視しています。賃金水準の見直しが難しい場合でも、通勤手当や資格手当の充実、福利厚生の拡充など具体的な支援策を提示することが信頼につながります。企業の実績や地域貢献の取り組みを丁寧に発信することも、応募動機を高める要素となります。
令和8年1月の香川県有効求人倍率1.43倍という結果は、単なる景気指標ではなく、企業の採用活動に直接影響を与える重要なデータです。高水準を維持しているからこそ、採用担当者は受け身ではなく主体的に動く必要があります。地域特性や業種動向を踏まえ、自社の強みを具体的な数値や事例で示しながら、持続的な人材確保を目指すことがこれからの採用戦略の鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは香川労働局のWEBサイトへ


