2026年4月3日
労務・人事ニュース
2026年3月公表の令和7年度福島県産農産物流通調査、米・牛肉・桃など6品目の出荷量と価格の実態
令和7年度福島県産農産物等流通実態調査結果について(農水省)
2026年3月13日、農林水産省は福島復興再生特別措置法に基づき実施した令和7年度の福島県産農産物等流通実態調査の結果を取りまとめ、公表した。この調査は、福島県産農産物や水産物について生産、流通、販売の各段階の実態を把握することを目的として実施されており、出荷量や価格の動向、さらに事業者や消費者の購入姿勢などを総合的に分析することで、流通の現状や課題を明らかにするものとなっている。
今回の調査では、重点品目として米、牛肉、桃、あんぽ柿、ピーマン、ヒラメの6品目を対象とし、それぞれの出荷量と価格の推移を調査した。加えて、流通段階ごとの価格形成の事例についても整理され、福島県産品が市場においてどのように取引されているかについての実態が分析された。また、福島県産品に対する評価や購買意識を把握するため、事業者と消費者を対象としたアンケート調査も実施された。
出荷量の状況を見ると、桃とヒラメについては概ね震災前の水準まで回復している状況が確認された。一方で、米と干し柿については全国的に出荷量が減少する傾向の中で、福島県産についても同様に減少している状況が見られた。また、牛肉とピーマンについては出荷量が減少傾向で推移していることが明らかになり、品目ごとに異なる流通状況が存在していることが示された。
価格の状況については、ピーマンの価格水準が全国平均を上回っていることが確認された。また、米については令和6年産の価格が全国平均を上回る水準となっていた。一方で、牛肉、桃、干し柿、ヒラメについては全国平均を下回る価格水準となっており、特に牛肉、桃、干し柿については震災前の水準まで回復していない状況が明らかとなった。こうした結果から、品目ごとに市場評価や流通状況が異なる実態が示された。
事業者と消費者を対象に実施されたアンケート調査では、福島県産の重点6品目に対する購入者の評価は全体として高い水準にあることが確認された。しかし一方で、品目によっては店舗で見かけた経験や実際の購買経験の割合が低いことも明らかになり、評価の高さと流通の実態の間に差がある状況が見られた。
また、福島県産商品に対する購入姿勢についての調査では、消費者自身は比較的前向きに評価している傾向が確認された。一方で、小売業者や外食業者の評価は概ね中立的であることが示されており、流通や販売の現場では慎重な姿勢が見られる状況が明らかとなった。この結果は、消費者の意識と流通事業者の判断の間に一定の差があることを示すものとなっている。
調査結果からは、福島県産農産物等の流通拡大に向けた課題も整理された。消費者が福島県産の商品を購入する機会が十分に確保されていない状況があることから、福島県外への流通量を確保するためには生産力の強化や販路の拡大に関する検討が必要と考えられるとされた。また、流通や外食の現場において福島県産農産物の評価を高めるためには、具体的なデータや内容を示した情報発信の取り組みが重要であることも指摘された。
具体的には、小売業者や外食業者が福島県産農産物等を前向きに評価できるよう、データや情報を掲載したチラシやウェブ媒体などを活用した情報発信が必要であると考えられるとされた。こうした取り組みは、消費者の理解を深めるとともに、流通段階における取引の促進につながる可能性があるとされている。
今回公表された調査結果は、福島県産農産物や水産物の流通状況を客観的に把握するための基礎資料として位置づけられている。生産から流通、販売までの各段階の実態を明らかにすることで、今後の流通対策や販路拡大の検討に活用されることが期待されている。
⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ


