2026年4月12日
労務・人事ニュース
求人減少12.9%と求職者増加7.9%が同時進行する2025年採用サービス市場とスカウト型サービスの成長
特定募集情報等提供事業の令和7年6月1日現在の状況等(速報)(厚労省)
厚生労働省は2026年3月24日、特定募集情報等提供事業に関する2025年6月1日時点の実施状況を取りまとめた速報値を公表した。職業安定法に基づき、該当する事業者は毎年8月31日までに報告書を提出することが義務付けられており、本データはその報告に基づく信頼性の高い統計として位置付けられる。
今回の集計では、報告書を提出した事業者数は1,283事業者となり、前年より11.2%増加した。提出対象となる事業者数も1,285事業者で、11.4%増となっている。過去からの推移を見ると、2023年の902事業者から2024年には1,154事業者へと増加しており、2025年も引き続き拡大傾向が続いている。
特定募集情報等提供事業は、求職者と企業をつなぐ情報流通の仕組みとして制度化されており、職業安定法第4条第6項において4つの類型に整理されている。企業から依頼を受けて求人情報を提供する第1号事業は、一般的な求人サイトや求人誌が該当する。これに対し、第2号事業は企業から直接依頼を受けず、他サイトの求人情報を集約して提供する形態で、いわゆる求人情報の転載型サービスが含まれる。
一方で、第3号事業は求職者からの登録情報をもとに企業へ情報を提供する仕組みであり、企業が求職者に直接アプローチできるサービスが代表例となる。さらに第4号事業は、求職者の公開情報などを収集し、企業側に提供する形態で、近年増加しているスカウト型のサービスの一部がこれに該当する。これらの分類は、採用市場における情報の流れを理解するうえで重要な基準となる。
サービス数の動向を見ると、総数は1,642サービスで前年比2.8%増となった。内訳では第1号事業が1,502サービスで2.4%増と引き続き中心的な役割を担っている。一方、第2号事業は132サービスで5.0%減少し、従来型の情報集約モデルに変化が見られる。求職者情報を扱う第3号事業は623サービスで1.6%増となり、企業主導の採用手法の広がりがうかがえる。
求人情報の提供件数は126,535,021件で、前年から12.9%減少した。一方で、求職者情報の収集件数は200,032,187件と7.9%増加している。求職者の登録や活動が活発化する一方で、求人情報の供給が減少している状況が明らかとなり、需給バランスの変化が浮き彫りとなった。
求職者情報の提供に関する第3号および第4号事業では、提供件数が129,922,926件と前年比12.2%増となった。ただし、その提供先となる企業数は1,950,302件で15.4%減少しており、企業側の採用行動や利用状況にも変化が生じている可能性がある。
さらに、サービス形態別の動きにも特徴が見られる。第1号事業単独では求人情報提供が30,741,165件で3.2%増となったのに対し、第1号と第2号を併用するサービスでは77,417,235件と18.9%減少した。単独型サービスの伸長と複合型サービスの縮小という対照的な動きが確認できる。
求職者情報の収集においても、第1号事業は162,539,512件で14.2%増と大きく伸びた一方、第2号事業は472,618件で72.8%減となった。サービスの種類によって利用の偏りが生じており、求職者の行動が特定のプラットフォームに集中している実態が読み取れる。
こうした結果から、特定募集情報等提供事業は量的拡大を続けながらも、質的な変化の局面に入っていると考えられる。求人情報の減少と求職者情報の増加という構造変化は、採用活動の手法や戦略に影響を与える重要な要素となる。今回のデータは、採用担当者にとって市場環境を把握するための基礎資料として有用であり、今後の人材確保に向けた意思決定に活用されることが期待される。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


