2026年4月13日
労務・人事ニュース
2026年3月24日閣議決定で第221回国会提出へ電気事業法改正案が示す送電網整備と電力市場改革
「電気事業法の一部を改正する法律案」が閣議決定されました(経産省)
経済産業省は2026年3月24日、「電気事業法の一部を改正する法律案」を閣議決定し、現在開会中の第221回国会に提出する方針を明らかにした。国際的なエネルギー情勢の変化と国内の電力需要増加を背景に、電力の安定供給とエネルギー安全保障の強化を目的とした制度見直しが進められる。
近年はロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化により、エネルギーを巡る国際環境が大きく変化している。一方で国内ではデジタル化の進展や脱炭素化の取り組みが加速し、電力需要の増加が見込まれている。こうした複合的な要因を踏まえ、供給力の確保と制度基盤の強化が急務となっている。
今回の法案では、まず送電網や発電設備の整備を後押しする仕組みが盛り込まれた。経済産業大臣が送電線や大規模電源の整備計画を認定し、広域的な電力運用を担う機関を通じて、財政投融資などを活用した資金支援が行われる。これにより、地域内外を結ぶ送電インフラの整備が進み、電力の安定供給体制の強化が期待される。
さらに、広域での電力取引に伴って生じる収益については国庫に納付し、送電網の整備などに再配分する仕組みも導入される見通しとなった。電力市場で生じる資金を公共的なインフラ整備に活用することで、効率的な投資循環の構築を目指す考えだ。
発電設備の運用に関しては、大規模電源を休止または廃止する際に事前協議を義務付ける措置が盛り込まれた。これにより、供給力の急激な減少を防ぎ、需給バランスの安定化につなげる狙いがある。
電気事業の持続的な発展に向けた制度整備も進められる。小売電気事業者の適正な運営を確保するため、一定期間の事業休止などを登録取消の要件に加える方針が示された。また、電力取引の活性化に向けては、従来の翌日市場に加え、中長期市場や需給調整市場といった新たな市場の整備を進め、これらを国が指定・監督できる仕組みを整える。
再生可能エネルギーの普及に伴う安全性の確保も重要な柱となっている。太陽電池発電設備については、設計不備による事故を防ぐため、支持構造などを含めた設備全体を対象に第三者機関による事前確認を義務付ける方向が示された。加えて、事故発生時には製造や施工に関わる事業者に対し、原因究明や再発防止への協力を求めることが可能となる。
今回の法改正は、電力インフラの強化と市場制度の整備、安全対策の向上を一体的に進める内容となっている。エネルギーを巡る不確実性が高まる中、安定供給の確保と持続可能な電力システムの構築に向けた重要な一歩として、今後の国会審議の行方が注目される。
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