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2026年4月14日

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2026年制度改正で労災診療単価12円に設定、再診1,430円や救急入院6,900円の新評価体系

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労災診療費算定基準の改定について(令和8年度)(厚労省)

厚生労働省は2026年3月26日、労働災害に関する医療費の算定方法を見直し、同年6月1日以降の診療から新たな基準を適用すると発表した。今回の改正は、労働災害補償制度に基づく療養給付の算定方法を明確化し、医療現場における運用の統一を図ることを目的としている。

新たな基準では、診療費の算定は従来と同様に診療報酬点数に一定の単価を乗じる方式を基本としつつ、一部の項目について具体的な金額や加算条件が整理された。労災診療単価は12円とされ、特定の法人などについては11.50円が適用される仕組みとなっている。

初診料については3,850円と明記され、再診料は1,430円とされた。さらに、療養指導を伴う再診時には920円が加算されるなど、診療内容に応じた評価体系が示されている。救急対応についても見直しが行われ、初診時に救急医療を実施した場合は入院で6,900円、外来で1,250円を算定できるとされた。

入院に関する評価では、入院開始から2週間以内は診療報酬点数の1.30倍、それ以降は1.01倍とする仕組みが導入されている。さらに、個室などの療養環境に応じた加算についても具体的な上限額が定められ、個室では1日あたり最大11,000円、2人部屋や3人部屋では5,500円などと細かく設定された。

リハビリテーションについても詳細な基準が整備され、疾患別に100点から250点までの点数が設定された。これにより、心疾患や脳血管疾患、運動器疾患など、それぞれの状態に応じた適切なリハビリ提供が評価される仕組みとなっている。加えて、入院中の早期回復を目的とした取り組みには追加で30点を加算できるなど、機能回復支援の強化が図られている。

また、職場復帰を支援するための評価も充実している。職場訪問による指導は1回あたり580点から770点とされ、条件に応じて最大6回まで算定可能となった。さらに、精神疾患に対応した支援や職場復帰に向けた計画書の提供などについても新たな加算が設けられている。

そのほか、石綿関連疾患に対する管理料として225点、労災請求の支援に対して450点を算定できるなど、特定の疾病に対する対応も明確化された。医療機関による電子請求には1件あたり5点が加算される仕組みも導入され、事務効率の向上も意識された内容となっている。

今回の見直しは、医療提供の質を維持しつつ、労働災害に対する適切な補償と早期の社会復帰を支援する制度設計の一環と位置付けられる。制度の透明性を高めることで、医療機関と労働者双方にとって分かりやすい運用が期待される。

2026年3月通知で再診料1,430円へ見直し、60歳以上30.0%の高齢労働者対策を強化した労災制度改定

厚生労働省は2026年3月26日、労災診療費算定基準の一部改定に伴う運用上の留意事項を各都道府県に通知した。今回の通知は同日付で示された基準改定を現場で適切に運用するための補足であり、医療機関や関係機関に対して具体的な取扱いの明確化を求めている。

今回の見直しでは、再診料の取り扱いが改めて整理された。健康保険の診療報酬改定を踏まえ、労災保険における再診料は1,430円とされ、特定条件に該当する場合は720円となる。また、紹介状に関する定額負担が発生するケースでは1,030円とするなど、実務に即した細かな基準が示された。

療養の給付請求書の取扱料についても見直しが行われ、再発を除く請求に対して2,200円とすることが明確化された。これにより、事務手続きに関する費用の取り扱いが統一され、医療機関における運用の透明性向上が期待される。

職場復帰支援に関する項目では、医師の指示のもとで訪問指導や情報提供を行う職種に新たに言語聴覚士が加えられた。これにより、リハビリテーションや復職支援における専門的な関与の幅が広がり、多様な症状に対応した支援体制の強化が図られる。

さらに、職場復帰支援・療養指導料については、高年齢労働者への対応強化が大きな柱となっている。60歳以上の労働者が労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める割合は30.0%に達しており、こうした背景を踏まえた制度拡充が行われた。対象者に対しては指導内容を記載した書面を交付した場合、150点を加算できる仕組みが導入されている。

高年齢労働者は身体機能の低下により回復に時間を要する傾向があるとされ、復職後の再発リスクも高いと指摘されている。こうした課題に対応するため、社会復帰支援指導料についても見直しが行われ、個別の健康状態に応じた指導を実施した場合に100点を加算できるようになった。

入院時の食事に関する費用については、食材価格の上昇を背景に見直しが行われ、改定後の基準に基づいて算定することが示された。医療提供体制の維持に向けた現実的な対応として、コスト増を反映した内容となっている。

また、入院室料加算の地域区分については、2026年3月5日付の基準に基づく区分を適用することが明確にされた。地域ごとの医療環境やコスト差を踏まえた制度設計が維持される形となる。

加えて、電子的な診療費請求に対する加算については、2028年3月診療分までの時限措置として継続され、2026年4月1日診療分から適用されることが示された。デジタル化の推進と事務効率化を後押しする施策として位置付けられる。

今回の通知は、制度改正の内容を現場で正確に運用するための重要な指針となる。高齢化の進行や医療環境の変化に対応しながら、労災医療の質と公平性を確保するための具体的な対応が求められている。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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