2026年8月10日
労務・人事ニュース
2026年度に東大阪市の職業体験を全業種へ拡大、2002年度から続く学生受け入れ事業が採用担当者に示す人材育成策
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東大阪市で2026年4月1日から12月31日まで実施、企業・学生・学校の3者で進める職業体験ガイドブックを配布
大阪府東大阪市で学生の職業体験を支援するため、地域企業の受け入れ情報をまとめた「2026年度 職業体験・学生受入企業ガイドブック」が作成され、大学や専門学校、高校、高等専門学校などへの配布が始まりました。
この取り組みは、将来の地域産業を支える人材を育てることを目的に、2002年度から続けられてきたものです。学生が地元企業の仕事を実際に体験し、働くことへの理解や職業選択に必要な視点を深める機会として展開されています。
これまで職業体験の受け入れ対象は製造業に限られていましたが、2026年度から全業種へ拡大されました。新しいガイドブックでは受け入れ企業を製造業と非製造業の2区分に整理し、学生や学校が希望に合う体験先を探しやすくしています。
対象が全業種へ広がったことで、ものづくりの現場だけでなく、物流、建設、卸売、サービス、福祉などの仕事も職業体験の選択肢に加わりました。地域産業を幅広く知りたい学生にとって、業界を比較しながら進路を考えられる内容となっています。
ガイドブックには、各受け入れ先の事業内容、就業場所、対象となる学生、募集人数、就業時間、受け入れ時期、研修内容などが掲載されています。最寄り駅や提出書類、服装に関する情報も確認でき、参加前の準備に役立つ構成です。
受け入れ期間については、4日以下、5日以上、相談の上で決定する場合に分けて表示されています。留学生を受け入れられるか、個別相談が必要かについても記号で示され、学校側が学生の状況に合わせて候補を選べるよう工夫されました。
職業体験へ参加する場合、学生が企業へ直接申し込む仕組みではありません。まず学校の担当部署がガイドブックを学生へ案内し、掲載情報を見た学生が希望する受け入れ先を選んだ上で、在学する学校へ相談する流れとなっています。
学生から希望を受けた学校は、受け入れ先へ直接連絡し、職業体験の実施を依頼します。その後、企業、学生、学校の3者が研修内容や実施時期などを協議し、必要な条件を確認してから各職場で体験を行います。
職業体験の終了後には、学生が学校へ報告書を提出する必要があります。学校側も実施報告書を作成し、学生の報告書と合わせて事業の運営主体へ提出するため、体験を実施して終わるのではなく、内容を振り返る過程まで組み込まれています。
2026年度の対象期間は、2026年4月1日から12月31日までです。ガイドブックに掲載された受け入れ先と対象教育機関は、この期間に実施される職業体験を対象としており、参加を希望する学生は学校のキャリアセンターや就職課などへ問い合わせます。
対象教育機関には、大学や短期大学のほか、工業系高校、普通科高校、高等専門学校、専門学校、日本語学校などが含まれています。対象に入っていない教育機関も、新たに事業への参加を希望する場合は、学校単位で参加について相談できます。
今回のガイドブックでは、大学生のキャリア形成を支援する取り組みについて、4つの類型も紹介されています。企業や業界の情報提供を目的とするもの、働くことへの理解を深める教育、就業体験を伴う実践的なプログラムなど、目的ごとの違いが整理されました。
企業や業界を知るための説明会などは、就業体験を必須としない形式です。教育を主な目的とする取り組みも、授業や産学連携のプログラムなど実施方法によって内容が異なり、いずれも通常はインターンシップとは呼ばない扱いになっています。
一方、学生が実際の職場で就業体験を行い、自らの能力を見極める形式では、一定の実施期間や指導体制が求められます。汎用的な能力を活用する場合は5日以上、専門性を生かす場合は2週間以上が目安として示されています。
この形式では、実施期間の半分以上を職場での就業体験に充てることに加え、現場の従業員が学生を指導し、体験後にフィードバックする必要があります。企業と学校は、プログラムがどの類型に当たるかを確認した上で内容を調整します。
高度な専門性を対象とする形式は、修士課程や博士課程の学生を想定し、2か月以上の実施が目安とされています。職業体験という同じ名称でも、学生の学年や目的、期間によって必要な条件が異なるため、3者による事前協議が重要です。
ガイドブックに掲載された研修例には、工場見学、機械加工、検査、製品の組み立て、商品開発、業界研究、設計、物流業務などがあります。受け入れ先によって1日程度の体験から複数日間の研修まで幅があり、内容は協議によって変更される場合があります。
学生にとっては、ウェブサイトや求人票だけでは分かりにくい職場の雰囲気や仕事の進め方を確認する機会になります。業務を体験し、働く人から説明や助言を受けることで、自分の関心や適性を具体的に考える材料を得られます。
受け入れ企業にとっても、自社の仕事や技術、職場環境を学生へ直接伝えられる取り組みです。ただし、受け入れに当たっては、研修内容の設計、安全面への配慮、指導担当者の配置、学校との連絡調整などの準備が必要となります。
採用担当者には、職業体験を単なる会社説明の場にせず、学生が仕事への理解を深められる内容にすることが求められます。どのような業務を体験させ、誰が指導し、どのように振り返りを行うかを整理することが、受け入れの質に関わります。
2002年度から続く人材育成事業は、2026年度に製造業限定から全業種へ対象を広げました。企業、学生、学校の3者が連携する仕組みを通じて、地域企業と次代の人材が早い段階で接点を持つ機会が一段と拡充されています。
⇒ 詳しくは東大阪商工会議所のWEBサイトへ


