2026年8月17日
労務・人事ニュース
令和8年6月 山口県の有効求人倍率1.25倍 前月比0.02ポイント低下で採用市場を分析
令和8年6月 山口県の有効求人倍率1.25倍から見る最新雇用情勢
令和8年7月31日、山口労働局は令和8年6月分の山口県の雇用情勢を公表しました。今回の発表では、有効求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.25倍となり、前月より0.02ポイント低下しました。これで2か月連続の低下となりますが、依然として求人が求職を上回る状況は維持されています。一方で、有効求人数は24,692人となり前月比1.0%減少し、4か月連続で減少しました。有効求職者数は19,807人で前月比0.8%増加し、2か月連続で増加しています。山口労働局は、県内の雇用情勢について「求人が求職を上回って推移しているものの、求人の一部に弱さがみられる。物価上昇等が雇用に与える影響に注意する必要がある」と判断し、この基調判断を8か月連続で維持しています。
有効求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す代表的な雇用指標です。令和8年6月の山口県は1.25倍となり、全国平均の1.18倍を上回りました。全国的に見ても比較的高い水準を維持していることから、人材を確保したい企業が多い状況が続いていることが分かります。ただし、前月から低下したことや、有効求人数が減少傾向にあることを踏まえると、採用市場にはこれまでとは異なる変化も見え始めています。
新規求人倍率(受理地別・季節調整値)は1.99倍となり、前月より0.07ポイント上昇しました。新規求人数は8,382人、新規求職者数は4,203人となっており、新たな求人は求職者数を大きく上回っています。一方で、原数値では新規求人は8,597人となり、前年同月比では8.4%減少しました。企業の採用意欲は依然として高いものの、前年と比較すると新規求人の勢いにはやや落ち着きが見られます。
産業別に新規求人を見ると、医療・福祉が2,490人と最も多く、県内の雇用を支える主要産業となっています。しかし前年同月比では1.9%減少しました。建設業は1,164人で17.3%減、製造業は761人で14.3%減、卸売業・小売業は947人で18.6%減となるなど、多くの主要産業で前年を下回る結果となっています。運輸業・郵便業も6.5%減、生活関連サービス業・娯楽業は7.8%減、サービス業(他に分類されないもの)は2.5%減となりました。
一方で、すべての業種が減少しているわけではありません。学術研究・専門・技術サービス業は34.8%増、教育・学習支援業は12.7%増、複合サービス事業は72.0%増となりました。また、医療業は10.5%減少した一方で、社会保険・社会福祉・介護事業は5.7%増となっており、同じ医療・福祉分野でも求人動向には違いが見られます。
事業所規模別では、4人以下の事業所は前年同月比15.5%減、5人から29人は7.3%減、30人から99人は7.5%減、100人から299人は10.2%減となりました。一方で300人から499人は11.1%増、500人から999人は5.6%増となっています。特に中小規模事業所で求人が減少していることは、人材確保だけでなく、採用コストや経営環境の変化も影響している可能性があります。
求職者側を見ると、新規求職申込件数は4,169件で前年同月比3.8%増加しました。仕事を探す人は増えているものの、求人の減少幅の方が大きいため、有効求人倍率は前月を下回る結果となっています。態様別では在職者が6.1%増、離職者は1.7%増となりました。離職者のうち事業主都合離職は30.4%減少した一方、自己都合離職は0.6%増となっています。無業者は10.4%増となり、新たに求職活動を始める人も増加しています。
正社員有効求人倍率は1.21倍となり、前年同月より0.13ポイント低下しました。それでも1倍を上回る水準を維持していることから、正社員を希望する求職者に対して求人が多い状況は続いています。ただし、前年より倍率が低下していることから、企業側は従来の採用活動を見直す時期に差しかかっているとも考えられます。
ハローワーク別の有効求人倍率を見ると、一般では下関が1.70倍と最も高く、徳山が1.69倍、宇部が1.46倍、萩が1.37倍、下松が1.32倍となりました。一方、防府は1.22倍、山口は1.25倍、岩国は1.17倍、柳井は1.03倍となっており、地域によって採用環境には差があります。採用担当者は県全体の数字だけではなく、自社が所在する地域の倍率も確認しながら採用計画を立てることが重要です。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.25倍という数字は「応募を待つ採用」から「選ばれる採用」への転換が引き続き必要であることを示しています。求人倍率は依然として1倍を超えているため、求職者は複数の企業を比較しながら応募先を選ぶことができます。そのため、求人票に募集要項だけを掲載するのではなく、仕事内容や教育体制、働き方、福利厚生、職場の雰囲気などを具体的に伝える工夫が重要になります。
また、求人媒体へ掲載するだけでは十分な応募につながらないケースも考えられます。企業ホームページや採用サイトを活用し、写真や社員インタビュー、1日の仕事の流れなどを掲載することで、求職者が働く姿をイメージしやすくなります。応募後の対応も重要であり、面接日程の調整や結果連絡を迅速に行うことで、他社への流出を防ぐことにつながります。
今回の雇用情勢からは、山口県では求人が求職を上回る状況が続いているものの、有効求人倍率や求人件数にはやや弱さが見え始めていることが分かります。しかし、人材確保が容易になったわけではありません。中小企業では、採用条件だけではなく企業の魅力を積極的に発信し、応募者との接点を増やしながら採用活動を進めることが、今後の人材確保に向けた重要な取り組みになるでしょう。
有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。
⇒ 詳しくは山口労働局のWEBサイトへ


