2026年8月17日
労務・人事ニュース
令和8年6月 熊本県の有効求人倍率1.18倍 前月比0.03ポイント上昇で採用市場に変化
令和8年6月 熊本県の有効求人倍率1.18倍から見る最新雇用情勢
令和8年7月31日、熊本労働局は令和8年6月分の一般職業紹介状況を公表しました。今回発表されたデータによると、熊本県の有効求人倍率(季節調整値)は1.18倍となり、前月から0.03ポイント上昇しました。有効求人倍率の改善は、有効求人数が増加し、有効求職者数が減少したことが要因となっています。一方で、新規求人倍率は2.06倍となり、前月から0.20ポイント低下しました。求人が求職を上回る状況は維持されているものの、業種ごとに求人動向には違いが見られ、採用市場は一様ではない状況が続いています。
有効求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す代表的な雇用指標です。令和8年6月は、有効求人数が34,034人となり、前月比0.9%増加しました。これで4か月連続の増加となります。一方、有効求職者数は28,831人となり、前月比1.5%減少し、3か月ぶりの減少となりました。求人が増え、求職者が減少したことから、有効求人倍率は1.18倍へ上昇しています。全国平均も1.18倍となっており、熊本県は全国と同水準の雇用環境となりました。
正社員有効求人倍率は原数値で1.07倍となり、前年同月を0.01ポイント上回りました。正社員求人は求職者数を上回る状況が続いており、企業が安定した人材を確保したいという採用意欲は引き続き高いことがうかがえます。
求人の動向を見ると、新規求人数は11,237人となり、前年同月比0.9%減少しました。2か月連続で前年を下回る結果となりましたが、その内訳を見ると特徴的な動きも見られます。一般フルタイム求人は7,742人で前年同月比2.3%増となり、3か月連続で増加しました。一方、一般パートタイム求人は3,495人で前年同月比7.3%減となり、5か月連続で減少しています。企業が長期的な人材確保を意識し、フルタイム採用へ力を入れている様子もうかがえます。
産業別では、製造業が前年同月比16.6%増となり、主要産業の中でも高い伸びを示しました。また、卸売業・小売業は3.4%増、サービス業(他に分類されないもの)は4.0%増となっています。熊本県では製造業が地域経済を支える重要な産業の一つとなっており、人材需要が引き続き堅調であることが数字にも表れています。
一方で、建設業は5.7%減、運輸業・郵便業は4.6%減、宿泊業・飲食サービス業は12.9%減、医療・福祉は3.5%減となりました。主要産業の中でも求人が減少している分野があることから、企業を取り巻く経営環境や採用計画には業界ごとの差が生じています。採用担当者は全国や県全体の求人倍率だけでなく、自社が属する業界の動向を確認しながら採用戦略を考えることが重要になります。
求職者側では、新規求職申込件数は5,464人となり、前年同月比3.6%減少しました。一般フルタイム求職者は3.5%減、一般パートタイム求職者は3.8%減となり、いずれも2か月連続で前年を下回っています。常用求職者を態様別に見ると、在職者は1,374人で3.3%減、離職者は3,388人で4.0%減、無業者は480人で2.4%減となりました。また、離職者のうち事業主都合離職者は789人で5.1%増となり、2か月ぶりの増加となっています。一方で、自己都合離職者は2,433人で5.6%減となり、2か月連続で減少しました。
就職状況では、就職件数は1,781件となり、前年同月比3.8%増加しました。5か月ぶりに前年を上回り、新規求職者に対する就職率は32.6%となっています。前年同月より2.4ポイント上昇しており、求人と求職のマッチングが進んだことがうかがえます。
地域別の有効求人倍率では、熊本所が1.22倍、上益城所が1.04倍、八代所が0.77倍、菊池所が1.08倍、玉名所が0.90倍、天草所が0.88倍、球磨所が1.00倍、宇城所が1.03倍、阿蘇所が1.33倍、水俣所が1.33倍となりました。同じ県内でも地域によって採用環境は異なっており、阿蘇所と水俣所が最も高い一方、八代所は1倍を下回る状況となっています。企業は県全体の数字だけではなく、自社の所在地に近いハローワーク管轄の動向も参考にすることで、より実態に合った採用計画を立てることができます。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.18倍という結果は、依然として人材確保競争が続いていることを意味します。求人倍率が1倍を超える状況では、求職者は複数の企業を比較しながら応募先を選ぶことが一般的です。そのため、給与や休日数だけを掲載する求人では十分な応募につながらない可能性があります。仕事内容を具体的に伝えることはもちろん、入社後の教育制度、資格取得支援、キャリアアップの仕組み、福利厚生、職場の雰囲気など、自社ならではの魅力を積極的に発信することがこれまで以上に重要になります。
また、応募から面接、採用決定までの対応速度も見直したいポイントです。現在は応募者が複数企業へ同時に応募するケースが多く、選考期間が長引くと他社へ人材が流れてしまう可能性があります。応募受付後の連絡や面接日程の調整を迅速に行い、求職者とのコミュニケーションを丁寧に進めることが採用成功率の向上につながるでしょう。
さらに、自社ホームページや採用サイトを充実させることも重要です。求人媒体だけでは伝えきれない企業理念や社員インタビュー、職場風景、1日の仕事の流れなどを掲載することで、応募前の不安を軽減し、企業への理解を深めてもらうことができます。求人倍率が高い環境では、企業が求職者から選ばれるための情報発信力が採用成果を左右する時代になっています。
令和8年6月の熊本県の雇用情勢は、有効求人倍率が1.18倍へ上昇し、有効求人は4か月連続で増加しました。一方で、新規求人は前年をわずかに下回り、業種によって採用動向には差が見られます。採用担当者は毎月公表される雇用統計を継続的に確認し、自社の業界や地域の特徴を踏まえた採用活動を進めることで、人材確保の可能性を高めていくことが重要です。
有効求人倍率の推移は、地域の雇用環境や企業の採用活動を考えるうえで重要な指標です。求人募集を検討している企業の方は、日本全国どこでも対応可能な採用サイト(ATS)の取り扱いにも対応している当社へご相談ください。
⇒ 詳しくは熊本労働局のWEBサイトへ


