2026年9月21日
労務・人事ニュース
全国の製造業給与391,017円・所定外15.7時間、2026年3月は勤務地別データを求人条件見直しの材料に
毎月勤労統計調査地方調査 2026(令和8)年3月分結果概要 事業所規模30人以上 製造業(厚労省)
2026年3月分の毎月勤労統計調査地方調査で、事業所規模30人以上の製造業における賃金や労働時間の地域差が明らかになりました。全国では常用労働者数5,923,000人、現金給与総額391,017円となっています。
全国の総実労働時間は157.5時間で、このうち所定内労働時間は141.8時間、所定外労働時間は15.7時間でした。出勤日数は18.5日、きまって支給する給与は364,166円、所定内給与は325,212円です。
都道府県別の現金給与総額では東京が547,473円となり、全国の391,017円を156,456円上回りました。きまって支給する給与は449,270円、所定内給与も417,759円と高い水準になっています。
東京の特別給与は98,203円で、現金給与総額との差をみる際に重要な数字です。常用労働者数は328,400人、総実労働時間150.1時間、所定外労働時間12.8時間となりました。
神奈川の現金給与総額は448,454円で、きまって支給する給与410,228円、所定内給与368,701円でした。常用労働者数は309,700人となり、東京と並んで給与水準の高さが目立っています。
製造業の常用労働者数では愛知が647,100人と全国の都道府県で最も多く、現金給与総額は408,722円でした。きまって支給する給与400,525円、所定外労働時間17.9時間となっています。
東海では三重の現金給与総額が404,994円、岐阜399,722円、静岡395,483円でした。所定外労働時間は三重18.2時間、岐阜18.1時間と全国の15.7時間を上回る結果です。
北関東では茨城の現金給与総額が412,848円、栃木398,058円、群馬335,754円でした。茨城では特別給与が61,605円となり、給与総額を比較する際には月例給与との違いも確認する必要があります。
北陸では富山385,362円、福井378,474円、石川350,354円でした。福井は特別給与が58,461円である一方、きまって支給する給与は320,013円となり、給与の構成に特徴がみられます。
甲信越では山梨395,169円、長野342,450円、新潟311,236円となりました。山梨は特別給与65,387円を含んでおり、所定内給与は294,533円と、給与総額とは異なる水準になっています。
近畿では和歌山440,134円、滋賀420,752円、大阪394,465円、京都386,550円、兵庫382,389円でした。和歌山では特別給与96,806円が大きく、きまって支給する給与は343,328円です。
中国地方では広島390,675円、山口384,682円、岡山352,132円、島根321,122円、鳥取287,503円でした。広島の総実労働時間は165.8時間で、所定外労働時間も19.6時間となっています。
広島の所定外労働時間19.6時間は都道府県別で最も長い水準です。岡山も18.7時間、山口17.0時間となっており、中国地方の一部では全国平均を上回る時間外労働が確認されました。
四国では愛媛354,017円、徳島347,090円、香川319,170円、高知278,781円でした。香川の総実労働時間は161.9時間、所定外労働時間17.7時間となり、勤務時間の長さが目立ちます。
九州では熊本394,420円、長崎338,980円、福岡335,863円、大分341,932円でした。熊本は特別給与52,155円を含み、総実労働時間も165.3時間と長い水準になっています。
労働時間では長崎の167.1時間が都道府県別で最も長く、広島165.8時間、熊本165.3時間、大分165.1時間と続きました。長崎の所定外労働時間も19.0時間となっています。
一方、沖縄の現金給与総額は254,961円で、今回の都道府県別では最も低い水準でした。きまって支給する給与248,194円、所定内給与224,232円、特別給与6,767円となっています。
沖縄の総実労働時間は162.1時間、出勤日数は20.1日でした。給与水準だけをみると低い一方、勤務日数や労働時間は比較的長く、地域ごとの雇用条件を多面的に見る必要性が表れています。
採用担当者が今回の統計を活用する際は、現金給与総額だけで求人給与を決めるのではなく、きまって支給する給与や所定内給与も合わせて確認することが重要です。特別給与が大きい地域では特に注意が必要になります。
例えば東京は現金給与総額547,473円ですが、特別給与98,203円を含みます。和歌山も総額440,134円に対して特別給与96,806円であり、給与総額をそのまま月給相場として扱うことは適切ではありません。
また、採用競争を考える際には給与だけでなく労働時間も確認したいところです。広島19.6時間、長崎19.0時間など所定外労働が長い地域では、残業時間の抑制や勤務条件の分かりやすさも求人設計で重要になります。
採用担当者は自社の勤務地について、所定内給与、所定外労働時間、出勤日数を今回の地域データと照らし合わせ、提示条件に大きなずれがないか確認することが有効です。給与と働き方を一体で見直す材料になります。
特に製造業では愛知の常用労働者数が647,100人と大きく、東京328,400人、大阪340,200人など地域ごとに雇用規模も異なります。拠点別に採用計画を立てる場合、労働者規模まで確認する必要があります。
今回の数字は地域全体の製造業を示すもので、職種や年齢、経験年数別の給与までは分かりません。採用条件を決める際は、この統計を地域相場の基礎資料として使い、自社の職務内容や勤務条件と合わせて判断することが重要です。
2026年3月は、30人以上の製造業で東京の給与547,473円から沖縄254,961円まで大きな差が確認されました。企業には全国平均だけでなく、勤務地ごとの賃金と労働時間を踏まえた採用条件の点検が求められます。
なお、全国の数字は都道府県別の地方調査を平均または合計したものではなく、全国調査として別に集計された結果です。地域別データと全国値を比較する場合には、集計方法が異なる点も踏まえて確認する必要があります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


