2026年9月24日
労務・人事ニュース
介護離職10.6万人、働きながら介護は365万人 2026年9月、企業の両立支援が課題に
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最終更新: 2026年9月27日 05:44
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介護との両立者は約365万人 10年で約70万人増、企業の離職防止策が重要に
2026年9月10日、仕事と育児・介護を両立しながら働き続けられる職場づくりを考える特集が公開されました。2025年に段階的に施行された改正制度を踏まえ、企業に求められる対応や職場環境のあり方が整理されています。
背景には、共働きや夫婦で子育てを担う家庭の増加があります。第1子の出産後も働き続ける女性の割合は約7割まで上昇し、男性の育児休業取得も広がるなど、仕事と家庭を両立する働き方が以前より身近になっています。
一方、家庭内の負担には依然として差があります。妻が家事関連に使う時間は夫のおよそ3.4倍とされ、男性が育児に関わるかどうかだけでなく、夫婦がどのように家事や育児を分担するかが課題になっています。
介護との両立も重要性を増しています。介護を理由に仕事を辞めた人は直近の調査で10.6万人に上り、離職せず家族を介護しながら働く人は約365万人となりました。この10年間で約70万人増えています。
こうした状況を受け、2025年に段階的に施行された改正では、育児と介護の双方で働き方を選びやすくする仕組みが強化されました。企業にとっても、制度を用意するだけでなく実際に利用できる環境づくりが重要になります。
育児分野では、「子の看護休暇」が「子の看護等休暇」に改められました。対象となる子どもの範囲は小学校就学前から小学校3年生修了までに広がり、感染症による学級閉鎖や入園・入学式、卒園式も取得理由に加わっています。
さらに3歳から小学校就学前の子どもを育てる労働者に対し、柔軟な働き方を実現する制度が設けられました。事業主は始業時刻の変更、テレワーク、短時間勤務などの選択肢から2つ以上を選んで措置する必要があります。
対象となる労働者は、企業が用意した制度の中から希望する措置を1つ選択できます。また、対象者への個別周知と制度利用の意向確認も事業主に義務づけられ、制度を知らないまま利用機会を失うことを防ぐ仕組みとなっています。
男性の育児休業取得を後押しする対応も広がりました。男性の育児休業取得率を公表する義務の対象は、常時雇用する労働者が1,000人を超える企業から、300人を超える企業へ拡大されています。
企業規模300人超まで対象が広がったことで、育児休業の取得状況はより多くの企業にとって人事課題となりました。採用候補者が働き方を判断するうえでも、制度の有無だけでなく実際の取得状況が重要な情報になります。
介護分野では、相談窓口の設置や研修の実施など、制度を利用しやすくする雇用環境の整備が義務化されました。介護に直面した労働者への個別周知と、制度を利用する意向の確認も企業側に求められています。
介護は本人から職場へ相談しにくいケースもあるため、企業から制度を知らせることに意味があります。突然の介護で離職を選ばざるを得ない状況を減らし、働き続けられる選択肢を早い段階で示すことが狙いです。
制度利用を妨げる要因として、収入の減少や職場の雰囲気、周囲の理解不足も挙げられています。特に男性が育児休業を取得しなかった理由では、収入を減らしたくないことや取得しにくい職場環境が指摘されました。
金銭面への支援として、2025年4月には出生後休業支援給付が始まりました。原則として子どもの出生直後の一定期間に夫婦がともに14日以上の育児休業を取得すると、最大28日間、既存の給付に上乗せされます。
通常の育児休業給付は休業開始前賃金の67%で、社会保険料免除や非課税を考慮すると手取りでは休業前の約8割相当とされています。上乗せ期間は給付率が合計80%となり、手取りでは休業前の10割相当です。
育児休業では、休む人だけでなく仕事を引き継ぐ周囲の従業員への負担も課題になります。2024年1月からは、業務を代替する従業員への手当や代替要員の新規雇用などを行った場合に助成する仕組みも設けられています。
こうした支援は、育児休業を取得する本人だけを対象にするのではなく、職場全体で休業を支える考え方に基づいています。取得者の業務を誰が担うのかまで設計することが、制度を実際に使える環境につながります。
2025年7月には、家事・育児の分担や育児休業から復帰した後の働き方まで考える取り組みも刷新されました。夫婦やパートナーが役割を整理するためのシートや、企業が実施できる学習教材などが用意されています。
企業の採用担当者にとって、育児や介護との両立支援は福利厚生の説明だけにとどまりません。休業取得後も働き続けられるか、必要な時に勤務時間や働く場所を調整できるかは、人材確保や定着にも関わる重要な職場条件です。
今回示された内容からは、制度を整える段階から、実際に利用できる職場へ移行することが求められていると分かります。育児や介護に直面した時でも仕事を続けられる環境を整えることが、今後の人事・採用の重要な視点になります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ


