労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和7年8月6日からの大雨災害で査定期間大幅短縮へ、9割の案件で机上査定が可能に(第2回)

2025年9月11日

労務・人事ニュース

令和7年8月6日からの大雨災害で査定期間大幅短縮へ、9割の案件で机上査定が可能に(第2回)

Sponsored by 求人ボックス

令和7年8月6日からの大雨による災害(仮称)における「大規模災害時の災害査定の効率化」の対象について(第2回)(農水省)


この記事の概要

令和7年8月6日からの大雨による災害(仮称)に対し、農林水産省は激甚災害(本激)の指定が追加で公表されたことを受けて、「大規模災害時の災害査定の効率化」の対象を拡大しました。この取り組みにより、災害査定の迅速化が図られ、被災地の農林水産施設の早期復旧が期待されています。


令和7年8月6日から全国各地に甚大な被害をもたらした記録的な大雨に関し、農林水産省は迅速な災害復旧を支援するため、災害査定にかかる業務と期間を大幅に短縮するための措置として、「大規模災害時の災害査定の効率化」の適用対象を拡大することを発表しました。この効率化措置は、平成29年に制度化され、大規模な自然災害が発生した際に、従来時間を要していた災害査定を可能な限り簡素化・迅速化することで、被災地の復旧・復興を加速させるための取り組みです。

今回の対応では、激甚災害(本激)指定の追加が行われたことにより、新たに災害査定効率化の対象となる区域と施設が明示されました。これにより、対象地域においては、査定にかかる事務手続きがこれまで以上に迅速に行われることが見込まれています。対象施設は、「農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律」に規定される農地、農業用施設、林道に加え、「公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法」に規定される漁港も含まれます。

具体的には、災害査定における「机上査定」の上限額が大幅に引き上げられました。これまで暫定法に基づく施設では500万円未満、負担法施設では1,000万円未満が机上査定の対象とされていましたが、今回の措置により、農地や農業用施設に関しては全査定見込み件数の約9割、その他施設においては約7割までの額が机上査定で対応可能となります。この変更により、現地調査が不要となる案件が大幅に増加し、結果として査定の所要期間が大幅に短縮される見込みです。

また、「採択保留」とされる金額の基準についても見直しが行われ、これまで2億円以上(負担法施設では4億円以上)で採択が保留されていた案件についても、今回の措置により2億円または4億円を超えるもののうち、おおむね6割までが早期採択の対象となります。この基準緩和により、採択保留件数が減少し、被災現場での工事着手までの期間がさらに短縮されることが期待されています。

さらに、災害査定に必要な設計書に添付する図面や資料についても、従来に比べて簡素化されることとなり、例えば航空写真や代表的な断面図を用いることで、詳細な設計図書の作成が不要となる場面が増えることになります。これにより、被災自治体や関係機関における資料準備の手間が軽減され、復旧対応のスピードがさらに向上します。

対象となる地域については、令和7年8月6日以降の大雨による被害報告に基づき、過去5年間の平均被災箇所数(本激除く)を超えた地域とされています。今回新たに追加された地域は、農地では秋田県、新潟県、富山県、石川県、愛媛県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、鹿児島県、農業用施設では秋田県、新潟県、富山県、石川県、福岡県、長崎県、熊本県、鹿児島県、林道では秋田県、新潟県、富山県、山口県、福岡県、佐賀県、熊本県、鹿児島県、そして漁港については熊本市が対象とされています。これらの地域における災害査定においては、上記の効率化措置が即時適用されることとなります。

今回の効率化により得られる効果は非常に大きく、まず第一に、机上査定の上限引き上げによって現地調査の件数が大幅に削減されるため、査定期間が大きく短縮されることが見込まれます。次に、採択保留金額の基準緩和により、保留件数が減少し、早期の工事着手が可能となることで、被災地域の復旧のスピードが加速します。さらに、査定設計書に必要な添付資料の簡素化により、資料作成の負担が軽減され、災害復旧事業全体の効率が高まります。

このような取り組みは、単に災害査定の負担を軽減するにとどまらず、実際の復旧工事の早期実施と、それに伴う地域の経済や農林水産業の再建に直結するものであり、災害からの早期復旧と地域住民の生活再建の両面において極めて重要な意味を持ちます。大規模災害が頻発する昨今においては、こうした機動的な制度運用こそが、復旧・復興に向けた現場のニーズに的確に応えるものとして、引き続き評価されるべき施策であるといえるでしょう。

この記事の要点

  • 令和7年8月6日からの大雨により災害査定効率化の対象が拡大された
  • 机上査定の上限額は暫定法施設で従来500万円未満から見込み件数の約9割までに引上げ
  • 採択保留基準も緩和され、2億円または4億円超の案件の約6割が早期採択対象に
  • 設計書添付資料の簡素化により資料準備期間が大幅短縮
  • 対象地域には秋田、新潟、富山、石川、福岡、熊本など多数の自治体が含まれる
  • 効率化により査定期間の短縮、工事着手の早期化が期待される

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ
パコラ通販ライフ
PR記事作成サービス受付フォーム