2025年8月5日
労務・人事ニュース
令和7年度最低賃金目安、全国平均1,118円へ 過去最高63円引き上げで企業の採用戦略に影響か
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最終更新: 2025年10月16日 10:06
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最終更新: 2025年10月16日 10:57
令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について(厚労省)
この記事の概要
令和7年度の地域別最低賃金額の改定目安が決定し、AランクとBランクは63円、Cランクは64円の引き上げが示されました。仮にこの目安通りに改定が行われた場合、全国加重平均は1,118円となり、引き上げ額は63円で過去最高となります。引き上げ率も6.0%と高水準で、企業の人件費や雇用計画への影響が大きくなる見通しです。
令和7年8月4日、中央最低賃金審議会は今年度の地域別最低賃金額改定に関する答申を公表しました。今回の改定目安は、都道府県を経済状況に応じてA・B・Cの3ランクに分け、それぞれAランク63円、Bランク63円、Cランク64円の引き上げを示しています。
現在、Aランクには埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪の6都府県が含まれ、Bランクには北海道や宮城、京都、広島、福岡など28道府県、Cランクには青森や沖縄など13県が分類されています。各ランクごとの加重平均引き上げ率はAランク5.6%、Bランク6.3%、Cランク6.7%とされ、地域ごとに異なる経済事情を反映した改定となっています。
(参考)各都道府県に適用される目安のランク
ランク | 都道府県 | 金額 |
A | 埼玉、千葉、東京、神奈川、愛知、大阪 | 63円 |
B | 北海道、宮城、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、富山、石川、福井、山梨、 長野、岐阜、静岡、三重、滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山、島根、岡山、 広島、山口、徳島、香川、愛媛、福岡 | 63円 |
C | 青森、岩手、秋田、山形、鳥取、高知、佐賀、長崎、熊本、大分、 宮崎、鹿児島、沖縄 | 64円 |
表の引用元:厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について
この答申は、7月11日に開かれた第70回中央最低賃金審議会において厚生労働大臣から諮問を受け、同日に設置された小委員会で7回の審議を経て取りまとめられました。今後は各地方最低賃金審議会が、この目安を参考にしつつ地域ごとの賃金実態や参考人の意見などを踏まえて検討を行い、最終的に各都道府県労働局長が正式な最低賃金額を決定します。
仮に今回の目安通りの引き上げが全国で実施された場合、全国加重平均額は1,118円に達し、引き上げ額は63円となります。この額は昭和53年度に目安制度が始まって以来の最高額で、前年の51円を大きく上回ります。引き上げ率も6.0%と、昨年度の5.1%を超える水準です。
この動きは企業の採用戦略や人件費計画に大きな影響を及ぼす可能性が高く、特に人手不足が深刻な業界や中小企業にとっては経営計画の見直しが迫られる局面となります。最低賃金の上昇は労働者の生活改善につながる一方、雇用コスト増による事業への負担も増すため、各企業は労務管理や効率化への対応を早急に進める必要があります。
令和7年度地域別最低賃金、都道府県別の目安一覧
令和7年度の地域別最低賃金と都道府県別目安を押さえておくことは、採用活動の戦略立案において極めて重要です。まず、地域ごとに異なる最低賃金の設定状況を理解することで、応募者に対する給与提示の競争力やコスト管理のバランスを適切に保つことが可能となります。
例えば、東京都や大阪府などの都市部では高水準の最低賃金が設定されている一方、地方都市や郡部では比較的低い水準にあります。これを踏まえて、例えば九州エリアや東北エリアへの採用展開を検討する場合、地域別の最低賃金目安を事前に把握しておくことで、人件費の見通しが立てやすくなり、全体的な採用予算の調整が可能となります。
下記の令和7年度地域別最低賃金、都道府県別の目安一覧は参考値として見ていただければと思います。最終的に各都道府県の労働局より発表があります。
令和7年度地域別最低賃金、都道府県別の目安一覧(Excelデータはこちら)
都道府県名 | 令和6年度 | 引き上げ目安 | ランク | 令和7年度改定目安額 |
北海道 | 1,010円 | 63円 | B | 1,073円 |
青森県 | 953円 | 64円 | C | 1,017円 |
岩手県 | 952円 | 64円 | C | 1,016円 |
宮城県 | 973円 | 63円 | B | 1,036円 |
秋田県 | 951円 | 64円 | C | 1,015円 |
山形県 | 955円 | 64円 | C | 1,019円 |
福島県 | 955円 | 63円 | B | 1,018円 |
茨城県 | 1,005円 | 63円 | B | 1,068円 |
栃木県 | 1,004円 | 63円 | B | 1,067円 |
群馬県 | 985円 | 63円 | B | 1,048円 |
埼玉県 | 1,078円 | 63円 | A | 1,141円 |
千葉県 | 1,076円 | 63円 | A | 1,139円 |
東京都 | 1,163円 | 63円 | A | 1,226円 |
神奈川県 | 1,162円 | 63円 | A | 1,225円 |
新潟県 | 985円 | 63円 | B | 1,048円 |
富山県 | 998円 | 63円 | B | 1,061円 |
石川県 | 984円 | 63円 | B | 1,047円 |
福井県 | 984円 | 63円 | B | 1,047円 |
山梨県 | 988円 | 63円 | B | 1,051円 |
長野県 | 998円 | 63円 | B | 1,061円 |
岐阜県 | 1,001円 | 63円 | B | 1,064円 |
静岡県 | 1,034円 | 63円 | B | 1,097円 |
愛知県 | 1,077円 | 63円 | A | 1,140円 |
三重県 | 1,023円 | 63円 | B | 1,086円 |
滋賀県 | 1,017円 | 63円 | B | 1,080円 |
京都府 | 1,058円 | 63円 | B | 1,121円 |
大阪府 | 1,114円 | 63円 | A | 1,177円 |
兵庫県 | 1,052円 | 63円 | B | 1,115円 |
奈良県 | 986円 | 63円 | B | 1,049円 |
和歌山県 | 980円 | 63円 | B | 1,043円 |
鳥取県 | 957円 | 64円 | C | 1,021円 |
島根県 | 962円 | 63円 | B | 1,025円 |
岡山県 | 982円 | 63円 | B | 1,045円 |
広島県 | 1,020円 | 63円 | B | 1,083円 |
山口県 | 979円 | 63円 | B | 1,042円 |
徳島県 | 980円 | 63円 | B | 1,043円 |
香川県 | 970円 | 63円 | B | 1,033円 |
愛媛県 | 956円 | 63円 | B | 1,019円 |
高知県 | 952円 | 64円 | C | 1,016円 |
福岡県 | 992円 | 63円 | B | 1,055円 |
佐賀県 | 956円 | 64円 | C | 1,020円 |
長崎県 | 953円 | 64円 | C | 1,017円 |
熊本県 | 952円 | 64円 | C | 1,016円 |
大分県 | 954円 | 64円 | C | 1,018円 |
宮崎県 | 952円 | 64円 | C | 1,016円 |
鹿児島県 | 953円 | 64円 | C | 1,017円 |
沖縄県 | 952円 | 64円 | C | 1,016円 |
全国加重平均額 | 1,055円 | 1,118円 |
地域別最低賃金の全国加重平均額と引上げ率の推移
平成27年 | 平成28年 | 平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | |
時間額 | 798円 | 823円 | 848円 | 874円 | 901円 | 902円 | 930円 | 961円 | 1,004円 | 1,055円 |
対前年度引上げ額 | 18円 | 25円(※) | 25円 | 26円 | 27円 | 1円 | 28円 | 31円 | 43円(※) | 51円 |
前年対比 | 2.31% | 3.13% | 3.04% | 3.07% | 3.09% | 0.11% | 3.10% | 3.33% | 4.48% | 5.08 |
表の引用元:厚生労働省 令和7年度地域別最低賃金額改定の目安について 参考3 地域別最低賃金の全国加重平均と引上げ率の推移
(注)1 金額は適用労働者数による全国加重平均額である。
2 (※)は全国加重平均の算定に用いる経済センサス等の労働者数の更新による影響分
(平成28年度、令和5年度は+1円)が含まれる。
この記事の要点
- 令和7年度の最低賃金改定目安はAランクとBランクが63円、Cランクが64円の引き上げ
- 目安通り改定されれば全国加重平均は1,118円に上昇
- 引き上げ額は63円で目安制度開始以来の最高額
- 引き上げ率は6.0%で昨年度の5.1%を上回る
- 地方ごとにA・B・Cの3ランクで経済状況に応じた改定幅を設定
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ