2024年6月23日
労務・人事ニュース
NTTドコモのシェア34.9%、KDDIのシェア26.8%、ソフトバンクのシェア20.4%
競争ルールの検証に関するWG(第57回)資料57-4 通信市場の動向について(一部構成員限り)(総務省)
2023年度の日本の通信市場は、携帯電話やスマートフォンの契約数の変動と料金プランの多様化が進展し、利用者にとっての選択肢が広がっています。移動電気通信役務の契約数は微減しているものの、スマートフォン向け契約数は堅調な伸びを見せており、2019年から2023年にかけて約20.5%の増加を記録しています。
主要な通信事業者であるMNO3者(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)の市場シェアは2019年度末と比較すると減少傾向にありますが、それでも依然として90%以上を占めています。特に2022年度以降、これらの事業者の合計シェアは再び拡大しており、競争が一定程度機能している一方で、寡占的な状況が続いていると言えます。
料金面では、改正電気通信事業法の施行に伴い、MNO各社およびMVNO(仮想移動体通信事業者)は多様な料金プランを提供しています。これにより、利用者の月々の通信料金支払額は大幅に低下し、通信料金の低廉化が進んでいます。具体的には、通信料金の支払い額は施行時点と比べて約44.2%減少し、通信料金を含む総支払額でも約39.5%の減少が見られます。
一方で、通信料金の引き下げ競争により、MVNOの価格優位性が低下しつつあります。MNO各社がオンライン専用プランや低廉な料金プランを提供することで、MNOとMVNOの料金差が縮まり、MVNOにとっての競争環境は厳しくなっています。
移動通信トラヒックも急増しており、過去10年間で約15.4倍、直近1年間でも約1.2倍に増加しています。特にLTEサービス開始以降13年間で約88.1倍、5Gサービス開始以降の3年間で約1.8倍の増加を記録しています。これにより、通信事業者はネットワークのキャパシティ拡張と品質維持に努めており、利用者の利便性向上が期待されます。
また、通信事業者の経営状況についても注目されます。2023年度のMNO3者の通信事業の売上高は総計11兆3,157億円で、前年から2.1%の増加を見せていますが、営業利益は3.4%の減少となっています。特に、NTTドコモとソフトバンクの営業利益が減少している一方で、KDDIは微増を記録しています。
通信市場における競争環境の改善と消費者の利便性向上を図るためには、MNO3者以外の事業者が競争できる環境整備が重要です。利用者のニーズに応じた料金プランの提供や通信品質の向上により、より多くの消費者が恩恵を受けることが期待されます。
参照:「資料57-4 通信市場の動向について(一部構成員限り)」はこちら
⇒ 詳しくは総務省のWEBサイトへ