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2025年9月14日

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令和6年度調査で育休後に正社員以外で復帰・離職した人の46.9%が体力気力不足を理由に

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仕事と生活の調和推進のための調査研究 ~キャリア形成と育児等の両立を阻害する要因に関する調査~(令和7年8月)(内閣府)


この記事の概要

内閣府男女共同参画局が令和6年度に実施した「仕事と生活の調和推進のための調査研究」によると、育児休業を経験した20歳から49歳の男女2,853人を対象にした調査で、女性の多くが育休後にキャリアをセーブせざるを得ないと回答した一方、男性は従来のキャリアプランを維持または向上できていると答える割合が高かった。


今回の調査は、男女が家事や育児を分担しつつ、キャリア形成とライフイベントの両立を実現できる社会環境を整えることを目的に行われた。調査対象は20歳から49歳で小学生以下の子どもと同居している男女で、末子に対して育児休業を取得した人々を中心に、合計2,853人(女性1,587人、男性1,266人)から回答を得た。特に育休から復帰した後のキャリア形成に焦点を当て、その阻害要因を明らかにしている。

調査結果によれば、35歳以上の女性の約半数が「当初描いていたキャリアプランよりもキャリアをセーブすることになった」と回答したのに対し、同年代の男性では約8割が「育児休業前に描いていたプラン通りに進んでいる」または「むしろキャリアアップできている」と回答した。この男女差は、家庭や職場における役割分担の意識が依然として影響を及ぼしていることを示している。さらに、両立を可能にするために必要なサポートとして、女性は「柔軟な勤務制度」や「パートナーの育児参画」を重視する傾向が強く、男性は「育児や仕事の両立に関して相談できる体制」を最も重視していた。これらの回答からは、男女で異なるニーズが明確に浮かび上がった。

また、育休後に正社員以外の形で復帰した人や離職した人の理由として最も多かったのは「体力や気力が持たないと感じたため」で、次いで「残業や夜間勤務があったため」「保育サービスが利用できなかったため」などが挙げられた。これは、育児と仕事を両立する際に、制度面の不足や周囲の理解不足が依然として課題であることを物語っている。

さらに、育休前にキャリアプランを立てていた人は、復帰後に仕事へのモチベーションや生活全体への満足度が高い傾向にあることも確認された。特に、育休前に難易度の高い業務を経験していた人は、復帰後にキャリアをセーブする割合が低く、モチベーションも高い傾向にあることが示され、職務経験の重要性が明らかになった。

自由記述では「復帰後に責任ある業務を任されず昇進の機会が制限される」「子どもの体調不良による欠勤で職場に迷惑をかけてしまう不安」などの声が多く寄せられた。男性の育休取得に対する職場の理解不足や、依然として残る「男性は仕事、女性は家庭」という固定的な意識も課題として指摘されている。

調査のまとめでは、女性がキャリアをセーブせずに働き続けられる環境整備の重要性、柔軟な働き方制度の導入と実際に利用しやすい職場環境づくり、男性の育休取得促進と長期取得の環境整備などが今後の重点課題として挙げられている。こうした施策が進むことで、子育て世代が安心してキャリアを形成でき、将来にわたって社会全体の持続可能な成長につながることが期待される。

この記事の要点

  • 育休後に女性の半数がキャリアをセーブすると回答、男性の約8割はプラン維持または向上
  • 調査対象は2,853人で、女性1,587人、男性1,266人が回答
  • 必要なサポートとして女性は柔軟な勤務制度、男性は相談体制を重視
  • 正社員以外で復帰・離職した理由は「体力や気力が持たない」が最多
  • 育休前にキャリアプランを持っていた人は復帰後のモチベーションと満足度が高い

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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