2025年8月19日
労務・人事ニュース
令和7年10月5日から滋賀県最低賃金63円アップ、過去最大の引き上げで時給1,080円に
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最終更新: 2025年10月23日 10:05
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最終更新: 2025年10月23日 03:00
滋賀県最低賃金の63円の引上げを答申(滋賀労働局)
この記事の概要
滋賀県における最低賃金が過去最大となる引き上げを迎え、2025年(令和7年)10月5日から時間額1,080円が適用される見通しとなりました。これは現行の1,017円から63円の増額で、引上率6.19%は過去最高を記録しています。
滋賀県では、2025年10月5日より最低賃金が大幅に引き上げられる見通しとなりました。滋賀地方最低賃金審議会は2025年8月8日、現行の最低賃金である時間額1,017円を63円引き上げて1,080円とする旨を滋賀労働局長に答申しました。この改正は引上額・引上率のいずれにおいても過去最大となっており、企業や労働者にとって極めて重要な転換点となることが予想されます。
最低賃金とは、使用者が労働者に支払わなければならない賃金の最低限度を法律で定めた制度です。たとえ労使間で合意した賃金であっても、最低賃金額を下回る場合は無効とされ、最低賃金額に自動的に引き上げられる仕組みです。この制度は、昭和34年に制定された最低賃金法に基づき運用されており、すべての労働者に法的保護を提供するための重要な役割を担っています。
滋賀県における最低賃金の改正は、労働局長からの諮問を受けて地方最低賃金審議会が審議を行い、答申を経て決定されます。その後、公示と意見聴取期間を経て、正式な改正決定が官報で公表され、30日後に効力を発するという厳格なプロセスが踏まれています。今回の改正もこのプロセスに則っており、10月5日に新しい最低賃金が適用開始される予定です。
最低賃金の見直しにあたっては、労働者の生活費、地域の賃金水準、企業の支払い能力など複合的な要素が検討されます。とくに労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護政策との整合性も重視されます。滋賀県の審議会では、現在の物価上昇や雇用環境、県内企業の経営状況をふまえ、慎重に議論が進められた結果として今回の大幅な引き上げに至りました。
具体的な推移を見ると、滋賀県の最低賃金は令和3年度の896円から、令和4年度に927円、令和5年度に967円、令和6年度には1,017円と、年々増額が続いています。そして令和7年度の1,080円は、直近5年間で最も大きな引上額63円、引上率6.19%を記録し、かつてない水準に達しています。背景には物価高騰や生活費の上昇があり、それに応じた賃金の見直しが不可欠とされたためです。
最低賃金の上昇は、労働者の生活の安定に大きく寄与する一方で、企業にとっては人件費の増加という課題も生じます。特に中小企業や小規模事業者にとっては、経営への影響が無視できない状況です。従業員の賃上げを実施するためには、価格転嫁の工夫や業務効率の向上、ITの導入による省力化など、企業体質の見直しが求められる可能性があります。
また、滋賀県のように地方都市で最低賃金が引き上げられることは、都市部との賃金格差の是正にもつながります。これにより、都市部への人口流出の抑制や地域経済の活性化といった波及効果も期待されています。働く人々が安心して暮らせる地域社会を実現するために、最低賃金の水準は極めて重要な指標であり、その動向に注目が集まります。
企業の採用活動においても、最低賃金の改定は給与設計の見直しや求人戦略に直結する重要事項です。人材確保が困難になる中、労働条件の魅力を高めることは競争力の強化に直結します。新たに導入される1,080円という水準は、応募者への訴求力にも影響を与える可能性があり、企業側の柔軟な対応が問われる局面にあります。
今回の改定は、全国的にも同様の流れが続いている中での一環であり、地域間の格差是正とともに、日本全体の賃金水準を底上げする動きと連動しています。滋賀県が提示した今回の答申は、こうした全国的な政策方向性と一致しており、将来的にはさらなる見直しも視野に入ってくるでしょう。
今後、滋賀県では公示期間を経たうえで異議申し立てがなければ、正式に新たな最低賃金が発効します。企業や団体は早期の対応が求められ、賃金体系の見直し、契約内容の再確認、労使間の合意形成など、多岐にわたる準備が必要となります。行政機関や商工団体からの情報提供や支援策の活用も、こうした過渡期における対応を円滑に進める鍵となります。
滋賀県内で事業を展開する企業にとっては、この改定は単なるコスト増ではなく、従業員のモチベーション向上や定着率改善につながる機会と捉えることが重要です。最低賃金を上回る待遇や福利厚生の充実、働きやすい職場環境の整備が、長期的には企業の成長に資する結果となることも多いためです。
労働市場の変化が急速に進む中、最低賃金の動向は企業経営の方向性を左右する要素の一つとなっています。今回の改定を契機に、滋賀県の雇用環境や地域経済がどのように変化していくのか、今後の展開が注目されます。
この記事の要点
- 2025年10月上旬から滋賀県の最低賃金が時間額1,080円に改定予定
- 引上額63円、引上率6.19%は過去最大
- 改定は滋賀地方最低賃金審議会の答申に基づいて行われる
- 最低賃金の見直しは物価上昇や生活費の変化を背景に実施
- 企業にとっては人件費増への対応が必要不可欠
- 中小企業には業務改善や価格転嫁などの工夫が求められる
- 地域経済や採用活動にも波及効果が期待される
⇒ 詳しくは滋賀労働局のWEBサイトへ