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2025年8月18日

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令和7年10月3日 東京都の最低賃金が過去最高の1,226円に、63円の大幅引き上げ

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東京都最低賃金の63円引上げを答申(東京労働局)


この記事の概要

2025年8月7日、東京地方最低賃金審議会は、東京都の最低賃金を63円引き上げ、時給1,226円に改正する答申を行いました。これは過去10年間で最大規模の引き上げとなり、10月3日にも改正が発効される見込みです。最低賃金の対象や適用範囲、賃金に含まれない手当、法的義務についても明確化され、東京都内のすべての雇用主にとって重要な内容となっています。


東京都の最低賃金をめぐる大きな動きが発表されたのは、令和7年8月7日でした。東京地方最低賃金審議会は、東京都労働局長の諮問を受け、最低賃金の改正について審議を重ねた結果、現行の時給1,163円を63円引き上げ、1,226円とすることが適切であると答申しました。この引き上げは、率にして5.42%と大幅であり、中央最低賃金審議会が示した「令和7年度地域別最低賃金額改定の目安」に完全に沿った形での決定となっています。

東京都内で働くすべての労働者とその雇用主に影響を及ぼすこの最低賃金の改正は、雇用の現場における実務にも直結する重要な制度変更です。常用雇用だけでなく、臨時雇用、パートタイマー、アルバイト、さらに派遣社員までもが対象となるため、雇用形態や年齢、国籍、性別に関係なく広く適用されるのが特徴です。派遣労働者に関しては、派遣先の事業場の最低賃金が適用されるという点も見逃せません。

今回の改正にあたり、東京都労働局は所定の手続きを経たうえで、官報にて正式に公示する方針です。手続きが順調に進めば、早ければ10月3日にも新たな最低賃金が発効される予定となっており、採用や労務管理に携わる担当者は早急な対応が求められるでしょう。

最低賃金の算定において、企業が混乱しやすいのが、どの手当が最低賃金に含まれるのかという点です。精勤手当や皆勤手当、通勤手当、家族手当などは、最低賃金の算定には含まれません。また、結婚祝い金などの臨時に支払われる手当や、賞与のように1か月を超える期間ごとに支払われる賃金、時間外・休日・深夜労働の割増賃金も最低賃金額には算入されないことが明記されています。これにより、企業側は誤った判断で最低賃金を下回る支給を行ってしまわないよう、賃金構造の見直しが必要となります。

さらに注目すべきは、東京都の最低賃金改正の推移です。過去10年間を振り返ると、平成27年度には時給907円だった最低賃金が、令和7年度にはついに1,226円に達します。この10年間での引き上げ額は合計で319円、引き上げ率は35%以上にものぼります。特にここ数年の上昇幅は大きく、令和4年度には31円、令和5年度には41円、令和6年度には50円、そして令和7年度には63円と、年々引き上げ幅が拡大している傾向が顕著です。これは、物価上昇や労働力不足への対応、そして働く人の生活の質を確保するための措置として解釈できます。

最低賃金法によって、使用者は最低賃金以上の賃金を労働者に支払うことが義務付けられています。この義務に違反した場合、最低賃金法第40条により、50万円以下の罰金が科されることになります。つまり、意図せずとも最低賃金を下回る支給を行ってしまった場合でも、法的責任を問われるリスクがあるため、企業は常に最新の最低賃金額を把握し、適正な賃金体系を維持する必要があります。

また、今回のような最低賃金の引き上げは、企業にとって人件費の増加を意味しますが、同時に雇用の安定や人材確保につながる重要な要素でもあります。特に中小企業にとっては、コスト増加への対応が課題となるものの、適切な賃金の支払いは、従業員の定着率向上やモチベーションの維持にも貢献すると考えられています。

今回の改正によって、東京都の最低賃金が過去最高額となる1,226円に達することで、他県と比較しても高水準の労働環境が実現されます。これは、東京都内に拠点を置く企業にとっては、全国的な採用競争において優位に立つ可能性を秘めています。一方で、他地域からの人材流入が進み、地域間の賃金格差が一層顕在化する可能性もあり、全国規模での最低賃金政策の在り方についても今後議論が深まることが予想されます。

企業の採用担当者にとって、この改正は新たな雇用戦略を再構築する契機ともなります。従業員にとって魅力ある労働環境を提供するためには、単に最低賃金の遵守にとどまらず、福利厚生やキャリアアップ支援、柔軟な働き方の導入など、多角的な取り組みが求められる時代に突入しています。

この記事の要点

  • 東京都の最低賃金が1,226円に引き上げられる
  • 引き上げ額は過去最大の63円、引き上げ率は5.42%
  • 最低賃金の適用対象は雇用形態や属性に関係なくすべての労働者
  • 賞与や通勤手当などは最低賃金に含まれない
  • 違反すると50万円以下の罰金が科される可能性がある
  • 改正は2025年10月3日に発効される見込み
  • 企業は賃金体系の見直しと雇用戦略の再構築が求められる

⇒ 詳しくは東京労働局のWEBサイトへ

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