2025年8月21日
労務・人事ニュース
令和7年11月1日から和歌山県最低賃金1,045円、65円アップ
-
「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年8月21日 23:02
-
常勤・医療業界の看護師/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年8月21日 09:35
-
アイリスト/西新駅/社員募集/8月21日更新
最終更新: 2025年8月21日 01:05
-
注目の訪問看護業務大手法人の求人/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年8月21日 09:35
令和7年度和歌山県最低賃金の改正決定の答申について(和歌山労働局)
この記事の概要
令和7年度、和歌山県の最低賃金が現行の980円から65円引き上げられ、1,045円になることが発表されました。改正は11月1日から施行予定であり、中小企業や事業者への支援策として、業務改善助成金やキャリアアップ助成金が設けられています。
令和7年度、和歌山県における最低賃金の大幅な改定が決定されました。具体的には、現行の時間額980円から65円の引き上げが行われ、改正後の最低賃金は1,045円となります。この改定案は、和歌山地方最低賃金審議会によって慎重な調査と審議を重ねたうえで、和歌山労働局長に答申され、令和7年11月1日より発効される予定です。これは近年の物価上昇や労働者の生活環境の変化を踏まえたものであり、地域経済全体への波及効果も期待されています。
今回の引き上げ幅65円は、過去6年間で最大の上昇額であり、前年比で6.63%の増加率となっています。過去を振り返ると、令和2年度は1円、3年度は28円、4年度は30円、5年度は40円、6年度は51円と徐々に増加してきた中での今回の引き上げは、非常に大きな転換点といえるでしょう。この改定は、地域で働く多くの非正規労働者や若年層にとって、日々の生活の安定に直結する重要な要素です。
一方で、最低賃金の引き上げは中小企業や小規模事業者にとっては負担増にもなりかねません。そこで、厚生労働省および和歌山労働局では、生産性向上と賃金引き上げの両立を支援するための多様な助成制度を整備しています。代表的な制度として「業務改善助成金」があり、事業場内で最も低い賃金を30円以上引き上げ、かつ生産性向上に資する設備投資を行った場合に、その費用の一部が最大600万円まで助成される制度です。この制度は、地域別最低賃金との差が50円以内の中小・小規模事業者が対象であり、事業場ごとの申請が可能です。
業務改善助成金は、労働者1人当たりの賃金引き上げ額と引き上げ人数によって助成金の上限が異なり、30円コースから最大90円コースまで設けられています。例えば、90円コースで10人以上の労働者の賃金を引き上げる場合、600万円が支給されるケースもあります。助成率も一定の基準により設定されており、賃金水準が1,000円未満の事業場では最大4/5が助成されます。また、物価高騰などの外的要因で利益率が著しく低下した「特例事業者」に該当する場合は、助成対象となる設備投資の範囲が拡大され、パソコンや車両なども対象となる場合があります。
加えて、「キャリアアップ助成金」も実施されています。こちらは、有期雇用労働者等を正社員化した場合や、賃金規定を3%以上改定して適用した場合などに対して支給される助成制度です。たとえば、有期から正規に転換した場合、中小企業であれば1人当たり最大80万円、障害者の場合は最大120万円が支給されます。さらに、昇給制度の新設や賞与・退職金制度の導入、短時間労働者への社会保険適用時の処遇改善にも助成が行われ、より柔軟で多様な雇用環境の整備が促されています。
こうした助成制度の利用には、事前の計画提出や要件の確認が不可欠です。交付決定前に設備投資を実施してしまうと助成対象外となるため、企業は計画的な申請を心がける必要があります。また、業務改善助成金については、令和7年4月14日から申請が開始されており、第一次の締切は6月13日、第二次は6月30日までとされています。事業完了期限は令和8年1月31日までですが、特別な理由が認められた場合には3月末までの延長も可能です。
さらに、企業に向けた包括的な支援体制として「和歌山働き方改革推進支援センター」も設置されています。このセンターでは、長時間労働の是正や非正規雇用者の待遇改善、生産性向上を通じた賃金引き上げ、人手不足の解消に向けた雇用管理の改善など、多岐にわたる課題に対応する専門的な相談支援が提供されています。相談方法は電話・メール・訪問・対面など柔軟に対応しており、事業者の実情に合わせたサポートを受けることが可能です。
今回の最低賃金引き上げと、それに伴う支援制度の整備は、単に一時的な経済施策ではなく、長期的に地域経済の持続可能性を高めるための重要な基盤づくりとも言えます。企業にとっては一見負担に見える賃上げも、適切な支援制度を活用することでコストを抑えつつ、生産性の向上や人材の定着率向上、さらには企業価値の向上にもつながる可能性があります。従業員にとっても安定した収入と働きやすい環境が整うことで、生活の質が向上し、働く意欲にも良い影響を与えることが期待されます。
今後、申請期間や制度内容の詳細については厚生労働省や和歌山労働局の公式サイトで随時更新されていくため、最新情報の確認が不可欠です。助成制度を活用しながら、最低賃金の引き上げに柔軟かつ前向きに対応することが、今後の企業経営においてますます重要となるでしょう。
この記事の要点
- 令和7年度から和歌山県の最低賃金が1,045円に引き上げられる
- 最低賃金の引き上げ幅は65円、過去最大の上昇幅
- 引き上げに対応する中小企業向けに各種助成金制度が設けられている
- 業務改善助成金では最大600万円までの支援が受けられる
- キャリアアップ助成金で正社員化や賃金規定改定に対する支援が実施されている
- 和歌山働き方改革推進支援センターで企業向けの相談体制が整っている
- 制度の活用には事前申請と計画的な取り組みが不可欠
- 支援制度の詳細は厚労省および労働局の公式情報で要確認
⇒ 詳しくは和歌山県のWEBサイトへ