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2024年10月21日

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医療施設数の変動、2024年7月末に確認された病院数と診療所数の動向

医療施設動態調査(令和6年7月末概数)(厚労省)

2024年7月末に実施された医療施設動態調査によると、日本国内の医療施設における動態は依然として変化を続けていることが明らかになりました。特に病院や診療所の施設数、病床数に注目が集まっています。この調査によると、7月末時点での病院の数は前月から3施設減少し、病床数は440床減少しました。一方、一般診療所は53施設増加したものの、病床数は204床減少しています。歯科診療所においても、58施設の減少とともに病床数がわずかに2床減少しています。

まず、病院の現状を詳しく見てみると、全国での病院数は8,064施設となっています。これは6月の8,067施設から3施設の減少を示しており、病床数も1,470,615床から1,470,175床へと440床減少しました。この減少の背景には、人口減少や地域の医療需要の変化が影響している可能性が指摘されています。特に、精神科病院に関しては施設数の変動はありませんでしたが、精神病床が317,011床から463床減少しており、この分野でも縮小が見られます。また、療養病床を有する病院の数はわずかに6施設減少しており、病床数も161床減少しています。

次に、一般診療所の動向についてですが、7月末時点での一般診療所の数は105,126施設に達しており、前月よりも53施設増加しました。しかしながら、病床数は204床減少しており、特に有床の一般診療所が16施設減少していることが目立ちます。一方で、無床の一般診療所は69施設増加しており、無床診療所の需要が引き続き高まっていることが示唆されます。療養病床を有する一般診療所も3施設減少しており、病床数は33床減少しました。

歯科診療所に関しては、全体で66,432施設が運営されており、前月の66,490施設から58施設の減少が確認されています。病床数についてもわずかに2床の減少が見られ、全体的な縮小傾向が続いていると考えられます。

次に、医療施設の開設者別に見た状況を確認すると、国が運営する施設では病院が14施設、一般診療所が17施設、歯科診療所は運営していません。独立行政法人や国立大学法人、労働者健康安全機構がそれぞれ重要な役割を果たしており、国立病院機構は140の病院を運営し、総病床数は51,595床に達しています。また、国立大学法人が運営する病院は47施設で、病床数は32,622床となっています。地方自治体が運営する医療施設も多く、都道府県によっては、地域医療の重要な役割を担っていることがわかります。例えば、都道府県が運営する病院は184施設、病床数は45,512床に達しており、市町村が運営する病院は588施設、病床数は117,504床となっています。

さらに、都道府県別の医療施設数と病床数を見ていくと、東京が最大の医療提供能力を誇っており、病院数は635施設、病床数は124,824床です。次いで大阪が501施設、病床数は102,877床と続いています。これらの大都市圏では、人口の多さに比例して医療施設の数も多く、病床数も多いことが特徴です。一方で、地方では医療資源の確保が課題となっており、例えば鳥取県では病院数が43施設、病床数は7,977床と非常に少なく、医療へのアクセスが限られている地域が多いことが浮き彫りになっています。

医療施設の種類別では、療養病床を有する病院や一般診療所の数も減少傾向にあり、全国的な医療需要の変化が反映されています。高齢化社会の進展に伴い、今後も療養病床や慢性期医療のニーズが高まると予測されますが、施設数や病床数の減少は、その需要に応えられるかどうかの懸念を生じさせています。特に、高齢者向けの医療サービスを提供する療養病床の確保は、地域によっては急務となっている状況です。

また、医療法人が運営する施設も全国に広がっており、病院の数は5,630施設、病床数は827,875床に達しています。医療法人は、地域密着型の医療サービスを提供しており、特に地方においては医療法人の存在が地域医療を支える重要な柱となっています。一方で、個人が運営する一般診療所は38,732施設、歯科診療所は10,047施設があり、これらの小規模な医療機関も重要な役割を果たしています。

今回の調査結果は、日本の医療施設が引き続き変動を続けていることを示しています。特に、都市部では医療施設や病床数の充実が進んでいる一方で、地方では医療資源の不足が顕著であり、医療へのアクセスが課題となっています。また、医療機関の運営形態や提供するサービスの多様化も進んでおり、これからの医療体制の整備には地域ごとの特性に応じた柔軟な対応が求められます。高齢化や人口減少が進む中で、医療サービスの質と量を維持しつつ、持続可能な医療提供体制を構築するための取り組みがますます重要になってくるでしょう。

⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ

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