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2025年8月20日

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求人倍率1.28倍の2025年6月群馬県、早期離職を防ぐ組織づくりとは

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労働市場速報(令和7年6月)(群馬労働局)


この記事の概要

2025年6月の群馬県における有効求人倍率は1.28倍。これは3か月連続の減少であり、企業の採用活動に変化の兆しが現れています。求人数は28か月連続の減少となっており、企業の人材確保に対する慎重姿勢が強まっていることがうかがえます。


2025年6月時点で群馬県の労働市場における有効求人倍率は1.28倍となり、前月比で0.02ポイントの減少が記録されました。全国順位では15位と比較的高い水準にあるものの、県内では雇用市場の持ち直しにやや陰りが見え始めています。有効求人数は33,278人と、前年同月比で2.3%減少しており、これで28か月連続の減少となります。この長期的な減少傾向は、企業が採用活動に対して慎重な姿勢を維持していることを示しており、採用の在り方を見直すタイミングに差しかかっていることを意味します。

新規求人に関しては、6月の数値として11,766人が確認され、前年同月比で1.7%の増加となりました。これは9か月ぶりの増加であり、全体の流れとは逆に、新たな採用ニーズが一定程度復活してきている兆候とも受け取れます。しかしながら、これが一過性の動きにとどまるのか、今後の持続的な傾向となるのかを見極めるためには、もう少し時間が必要です。一方で、有効求職者数は28,150人で前年同月比1.7%の増加となり、求職者の活動はやや活発化しています。新規求職者数も5,625人で9.9%の増加を記録し、特に若年層や転職希望者の動きが反映されていると考えられます。

このような背景のもと、採用担当者が注目すべきは、業種ごとの求人動向と、その業界における求職者の心理や傾向です。産業別に見ると、医療・福祉業は依然として高い求人需要を保っており、2025年6月には前年比で22.4%の増加を示しています。この分野では慢性的な人手不足が続いており、採用活動も継続的に行われています。こうした業界では、人材育成と職場環境の整備が採用の鍵を握っており、求人広告や説明会での情報提供において、長期的なキャリア形成やワークライフバランスの実現可能性を伝えることが重要です。

一方で、卸売・小売業は前年同月比で17.4%の減少となっており、6か月連続で求人が減少しています。加えて、製造業でも8.0%の減少、情報通信業では7.8%の減と、景気の先行き不透明感や設備投資の停滞が影響を及ぼしている可能性があります。このような業界においては、短期的な雇用需要の回復は見込みにくいため、企業としては採用活動の重点を再構築する必要があります。既存人材のスキルアップや再配置、働き方の柔軟化といった視点が今後の採用戦略に欠かせない要素となります。

群馬県の求人倍率の中で、特に注目されるのは正社員の求人倍率が1.03倍である点です。これは安定志向の強い求職者が多く、非正規雇用からの転換を望む声が高まっていることを示唆しています。企業側としては、長期雇用を前提とした育成型採用を進めると同時に、職場の定着率を高める工夫が必要です。特に離職率の高さが問題とされる業界では、メンタルヘルス対策やキャリアカウンセリング制度の導入が有効です。採用活動は単なる「入り口」の確保ではなく、企業全体の人材戦略の一環として取り組むべきであり、その一貫性が求職者にとっての信頼につながります。

また、企業が今後注視すべき点として、物価上昇などのマクロ経済的な影響が挙げられます。生活費が上昇する中で、求職者が重視するのは「給与の水準」だけではありません。通勤の利便性や職場の雰囲気、柔軟な勤務体系、福利厚生制度の充実などが総合的に評価され、企業選びの判断材料となります。したがって、採用広報の場では、給与以外の面でも自社の魅力を十分に伝える努力が必要です。

さらに、採用活動の手法そのものも見直しが求められています。従来のハローワークや紙媒体に加えて、オンライン求人サイトやSNS、動画などを活用した情報発信が主流となりつつあります。群馬県内でも、インターネットを通じて直接求人に応募する「オンライン自主応募」が浸透しつつあり、企業の側でもこうした流れに対応した採用設計が求められています。オンラインを活用することで、地理的な制約を超えた採用が可能となり、都市部や他県からの人材確保にもつながります。

地域別に見ると、群馬県は都心へのアクセスの良さに加え、自然や生活環境のバランスが取れていることから、Uターン・Iターン希望者にとっても魅力的な選択肢となっています。採用担当者は、単に「人手を確保する」だけでなく、「働きたくなる企業」としてのブランディングに力を入れるべきです。とりわけ、家族を持つ求職者に対しては、地域の子育て支援や医療体制、教育環境などを含めた生活全体を支える視点が不可欠です。

このように、2025年6月の群馬県における有効求人倍率の数値は、ただの統計にとどまらず、採用担当者に多くの示唆を与えています。数字の変化の背後には、求職者のニーズや社会的な背景、経済状況の変化が複雑に絡み合っており、企業としてはその本質を読み解く力が問われているのです。採用活動は単なる人材の募集ではなく、企業の未来を形作る重要な経営戦略であるという認識を持つことが、今後の成功の鍵となるでしょう。

この記事の要点

  • 2025年6月群馬県の有効求人倍率は1.28倍
  • 有効求人数は28か月連続で減少し採用活動は慎重傾向
  • 新規求人は9か月ぶりに増加し一部業界で採用意欲回復の兆し
  • 医療・福祉業界で求人が前年比22.4%増と需要が高まる
  • 卸売・小売業などでは求人減少が続き採用縮小傾向
  • 求職者の活動は活発化し正社員志向も強まっている
  • 採用広報では職場の魅力や柔軟性を伝える工夫が必要
  • オンライン自主応募の普及に対応した採用設計が求められる

⇒ 詳しくは群馬労働局のWEBサイトへ

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