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2025年8月19日

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求人倍率1.30倍となった2025年6月福島県

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令和7年6月分 最近の雇用失業情勢(福島労働局)


この記事の概要

2025年6月の福島県における有効求人倍率は1.30倍で、前月と同じ水準が維持されました。求人数と求職者数の両方がほぼ横ばいで推移しており、県内の雇用情勢は安定していると評価されています。企業の採用担当者にとっては、長期的な人材確保に向けた戦略構築が鍵となる時期です。


2025年6月、福島県の有効求人倍率は1.30倍となり、前月と変わらず同水準での推移となりました。この数値は季節調整値によるものであり、全国平均の1.22倍を上回る結果です。求人数は37,661人、有効求職者数は29,073人と、いずれも前月比でわずかに減少したものの、実質的には横ばいの状態にあります。このことから、福島県内では依然として求人数が求職者数を上回っており、企業にとっては人材確保の困難さが継続している状況であるといえるでしょう。

採用担当者の立場から見ると、こうした安定的な求人倍率の背景には2つの重要なポイントがあります。ひとつは、福島県の雇用市場が一定のバランスを保っているという事実です。もうひとつは、人材確保において新たな工夫が求められているという点です。求人倍率が高止まりしている状況では、ただ求人を出すだけでは優秀な人材の確保は難しくなります。したがって、企業は求職者の視点を踏まえた情報提供と、職場環境の魅力を的確に伝える努力を重ねる必要があります。

加えて、福島県では正社員有効求人倍率が1.04倍と、12か月連続で1倍台を維持しています。これは、企業が正規雇用に力を入れていることを示しており、安定した雇用を希望する求職者にとっては好材料となります。しかしながら、採用側にとっては人材の定着や育成まで視野に入れた戦略的な採用が不可欠であり、給与水準や福利厚生制度、キャリアアップ支援の有無なども採用成功に直結する要因となります。

さらに、有効求人倍率が55か月連続で1.2倍を上回っているという事実は、企業にとって人材確保がいかに難しい局面にあるかを如実に物語っています。この長期的な高倍率の継続は、地方における慢性的な人手不足を反映しており、特に製造業や建設業、医療・福祉など人材需要が高い業種においては、その傾向が顕著です。こうした環境下では、企業側のアプローチ次第で採用成果が大きく変わるため、自社の魅力をいかに効果的に伝えるかが問われています。

一方で、県内の一部地域では例外的な状況も見られます。たとえば、須賀川のハローワークでは、有効求人倍率が0.89倍と、4か月連続で1倍を下回る結果となっています。これは、地域ごとに求人と求職の需給バランスが異なることを示しており、企業の採用担当者はエリアごとの特性を踏まえて採用戦略を構築する必要があります。求人を出す場所や媒体、さらには採用する職種の優先順位など、地元の実情に合わせた柔軟な対応が求められる場面も少なくありません。

また、求職者側の動きにも変化の兆しが見られます。ハローワークインターネットサービスの機能拡充により、来所せずにオンラインで求職登録するケースや、WEB経由での応募件数が増加しており、デジタルシフトが進んでいることは明らかです。企業側もこの流れに対応するため、オンライン採用の導入や、応募から面接・内定に至るプロセスの簡素化と効率化を進めることが求められています。

さらに重要なのは、採用活動の「質」です。求人票の内容や企業紹介資料の充実度、採用担当者の対応の丁寧さなどが、求職者の企業選びに大きく影響します。企業が提供する情報が魅力的であればあるほど、応募率は高まり、採用後のミスマッチも防げます。とりわけ福島県のように、首都圏への人材流出が続く地域においては、地元で働く意義や地域貢献の可能性を訴求することが、採用活動の成功につながるポイントとなるでしょう。

物価上昇や生活コストの増加など、経済的な背景にも注目すべきです。求職者にとっては給与や待遇だけでなく、働き方や職場の柔軟性、ワークライフバランスへの配慮といった要素が、企業選びの重要な判断材料となっています。企業は、そうしたニーズに応える体制を整えることで、他社との差別化を図ることが可能になります。たとえば、時短勤務制度やフレックスタイムの導入、テレワークの活用といった働き方改革を推進することが、応募者の関心を引く有効な手段となり得ます。

全体として、福島県の2025年6月時点の雇用情勢は、安定の中にも慎重な対応が求められるフェーズにあります。企業の採用担当者は、数値の安定に安心するのではなく、その裏にある求職者の心理や地域の経済構造の変化を読み取り、自社に適した人材を確保するための布石を打ち続けることが重要です。採用活動は単なる人員確保ではなく、企業の未来をつくる重要な経営課題であるという認識を改めて持つべきでしょう。

この記事の要点

  • 2025年6月福島県の有効求人倍率は1.30倍で前月と同水準を維持
  • 正社員求人倍率は1.04倍で12か月連続の1倍台を記録
  • 求人倍率が55か月連続で1.2倍超を維持しており、人材確保の難しさが続いている
  • 地域差が顕著で、須賀川では4か月連続で1倍を下回る
  • オンライン採用の普及が進み、採用活動のデジタル化が求められている
  • 求職者の志向に応える柔軟な勤務制度や待遇改善が採用成功のカギ
  • 採用活動は企業の将来に直結する経営課題であり、戦略的な視点が重要

⇒ 詳しくは福島労働局のWEBサイトへ

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