2025年6月15日
労務・人事ニュース
消費者心理に回復の兆し、消費者態度指数が6か月ぶりに32.8まで上昇(令和7年5月実施分)
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最終更新: 2025年6月14日 22:38
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消費動向調査(令和7年5月実施分)(内閣府)
令和7年5月に実施された「消費動向調査」によって、消費者の意識や景気の見通しに関する詳細なデータが明らかになりました。この調査は、全国の二人以上の世帯を対象に行われ、季節調整値に基づいた結果が分析されています。今回の調査では、消費者態度指数が前月比で1.6ポイント上昇し、32.8となりました。これは、実に6か月ぶりの上昇であり、一見すると回復の兆しが感じられる結果です。
ただし、政府の基調判断としては「消費者マインドは、弱含んでいる」と据え置かれており、依然として消費者心理において慎重さが残っていることが読み取れます。これは、指数が上昇したとはいえ、その水準が過去の水準と比較しても低いことや、今後の生活に対する不安が払拭されていないためと考えられます。
消費者態度指数は「暮らし向き」「収入の増え方」「雇用環境」「耐久消費財の買い時判断」の4つの指標の平均によって算出されています。今回、暮らし向きに関する意識は2.9ポイント上昇し30.2となりました。雇用環境も1.6ポイント上昇して37.3となっており、いずれも前月の大幅な落ち込みからやや回復した形です。収入の増え方に関しても0.8ポイントの上昇が見られ、38.3と小幅ながら改善傾向にあります。耐久消費財の買い時判断も1.2ポイント上昇して25.4となり、消費者が高額商品の購入に対して少しずつ前向きな姿勢を示し始めたことがわかります。
また、消費者が所有する資産価値に対する見方も改善傾向にあり、前月差5.1ポイント上昇して39.2となっています。これは、各種資産価格の回復が影響していると推測されますが、依然として大きな安心感を持つには至っていないと見るべきでしょう。実際のところ、「暮らし向きが良くなる」と答えた人の割合は全体のわずか3.4%であり、「やや悪くなる」と「悪くなる」を合わせた割合が61.7%にも上っています。このように、多くの人が生活に対して慎重な姿勢を崩していないことが、データからも明確です。
加えて、1年後の物価の見通しに関しても興味深い結果が出ています。「5%以上の上昇」を見込む人が55.5%と半数以上を占めており、「2%以上5%未満の上昇」と答えた人を合わせると、実に約93.6%が物価上昇を予想しています。これは、前月比で0.4ポイントの増加となっており、物価に対する先行きの懸念がいまだ根強いことを示しています。対して、「物価が下がる」と回答した人は2.2%に過ぎず、「変わらない」と答えた人も2.1%と少数派にとどまっています。このような物価観が広がる中では、消費者の購買行動にも慎重さが加わるのは避けられないでしょう。
企業の採用担当者にとって重要なのは、このような消費者心理の変化が人材市場にどう影響するかという点です。まず注目すべきは「雇用環境」に対する消費者の見方です。指数自体は1.6ポイント上昇し37.3まで回復しましたが、依然として4月の35.7という低水準からわずかに持ち直したにすぎません。実際に「雇用環境が良くなる」と答えた人は全体の5.6%しかおらず、逆に「悪くなる」との見方が42.9%と多数を占めています。これは、企業側にとって採用の難易度が今後さらに高まる可能性を示しており、働きやすい職場環境の整備や柔軟な雇用条件の提示が必要とされる時代に突入していると言えます。
一方で、収入に関する期待も限定的であり、「収入が大きくなる」「やや大きくなる」と回答した人は合計5.9%にとどまっています。これに対し、「やや小さくなる」「小さくなる」と答えた人は37.0%と依然として悲観的な見方が優勢です。こうした背景からも、企業が求職者に対して魅力的な給与体系を打ち出すことは、採用戦略の中で極めて重要なファクターとなっています。
また、注目すべきは「耐久消費財の買い時判断」に関する意識です。この指標は24.2から25.4へと1.2ポイント上昇しましたが、それでも過去と比較すると非常に低い水準にとどまっています。高額な買い物に慎重になる消費者心理は、雇用の安定や収入の見通しが不透明であることに由来しており、企業の業績や販売戦略にも影響を及ぼす要素です。したがって、採用においても、消費の停滞が中長期的な企業運営に与える影響を踏まえ、持続可能な人材確保に向けた方策が求められます。
総じて、今回の消費動向調査は、一部の指標で回復傾向が見られるものの、依然として不安定な経済状況の中で消費者が慎重な姿勢を崩していない現状を如実に示しています。企業においては、こうした経済環境の変化を敏感に捉え、採用戦略や人材マネジメントに反映させることが競争力を保つ鍵となるでしょう。
⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ