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2025年5月10日

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2023年度の日本人海外留学者が前年比53.3%増の89,179人に回復

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  • 看護師/2025年5月9日更新

    会社名 新中間病院 雇用形態 正社員 給与 時給1,300円~ 勤務地 福岡県

    最終更新: 2025年5月9日 10:15

  • 介護職員/2025年5月9日更新

    会社名 有料老人ホームサンルーム輝き 雇用形態 正社員 給与 時給1,500円 勤務地 福岡県

    最終更新: 2025年5月9日 10:15

  • 看護師/2025年5月9日更新

    会社名 きららデイサービスセンター 雇用形態 正社員 給与 時給1,200円~1,800円 勤務地 福岡県

    最終更新: 2025年5月9日 10:15

  • 看護師/2025年5月9日更新

    会社名 特別養護老人ホームヘルシーハイム 雇用形態 正社員 給与 時給1,220円~ 勤務地 福岡県

    最終更新: 2025年5月9日 10:15

「日本人学生の海外留学状況」及び「外国人留学生の在籍状況調査」について(文科省)

令和7年4月30日、独立行政法人日本学生支援機構が実施する「日本人学生の海外留学状況」および「外国人留学生の在籍状況調査」の最新結果が発表され、国内外の学生交流に関する現状と動向が明らかとなった。今回の調査結果は、ポストコロナの時代における国際的な人材移動の回復と変化を示す重要なデータとして注目される。

まず、日本人学生の海外留学者数に関しては、2023年度において合計89,179人が海外留学を行っており、前年度から31,017人、実に53.3%の大幅増加となった。これは、2021年以降の入国制限緩和を背景に、コロナ禍で一時中断・減少していた国際的な学生交流が明確に回復基調に入ったことを示している。中でも、留学期間が1か月未満の短期留学は約2倍に増加しており、グローバル経験を短期間で得たいという学生ニーズに応える形で、各大学が柔軟なプログラムを提供し始めていることがうかがえる。

留学先の内訳を見てみると、最も多かったのはアメリカで13,517人(前年比13.8%増)、次いでオーストラリア9,163人(同48.1%増)、韓国8,384人(同79.2%増)と続いた。韓国への留学者の急増は、地理的な近さや文化的親和性に加え、韓国の大学側が提供する奨学金制度や交流プログラムの充実が要因とみられる。さらに、地域別に見ると、アジア地域への留学は前年比約110%と飛躍的に増加しており、かつて欧米中心であった日本人学生の留学先に多様性が生まれている。

一方、OECDやユネスコなど海外機関が把握する日本人学生の長期留学者数に関する統計では、2022年時点で48,991人となり、前年から7,379人(17.7%)の増加となった。国別では、アメリカが16,054人で最多、次いで台湾が7,323人、中国が7,078人となっている。特に台湾は前年比31.1%、中国は23.7%の増加を記録しており、コロナ収束後のアジア圏における留学ニーズの高まりが鮮明となっている。また、英国やオーストラリア、ドイツなど欧米諸国への長期留学も堅調に回復しているが、統計手法の違いにより、短期プログラムを含まない場合もあるため、全体像を正確に把握するには複数の統計を複合的に分析する必要がある。

一方で、日本に在籍する外国人留学生の数は、2024年5月1日時点で336,708人に達し、過去最多を更新した。これは前年度比で57,434人、率にして20.6%の大幅な増加であり、日本における高等教育機関および日本語教育機関が国際的な受け入れ体制を積極的に整備してきた成果といえる。出身国別に見ると、中国が123,485人で最多、ネパールが64,816人で続き、特にネパールは前年比で71.1%の急増となっている。その他、ミャンマー(113.5%増)、スリランカ(79.9%増)、バングラデシュ(42.6%増)などアジア圏からの増加が顕著である。

注目すべきは、外国人留学生の在学先の内訳である。高等教育機関に在籍している学生数は229,467人で、前年から21.7%の増加。特に専修学校(専門課程)の留学生は76,402人と前年比64.9%も増えており、日本の職業教育・実務教育への関心が高まっていることが示されている。また、日本語教育機関には107,241人が在籍しており、こちらも過去最多を更新している。大学院(修士・博士)への進学も着実に増加しており、日本の高度人材としての進路を希望する外国人学生が増えている実態が浮かび上がっている。

2024年の調査では、コロナ禍以前の2019年と比較しても、多くの国・地域からの外国人留学生数が回復し、さらにはそれを上回る水準となっている。特にネパール、ミャンマー、スリランカ、バングラデシュ、インドネシア、モンゴルといった国々からの留学生は、2019年時点の在籍者数を超えており、アジア新興国における「日本留学」の価値が依然として高いことを物語っている。

こうした学生交流の拡大は、日本の教育機関にとって国際化の推進に大きな意味を持つとともに、企業の採用活動にも多方面での影響を及ぼしている。海外留学経験を持つ日本人学生は、語学力や異文化理解力、柔軟性といったグローバル人材に求められる資質を備えており、国際展開を視野に入れる企業にとって貴重な戦力である。また、日本で学ぶ外国人留学生は、日本の職場環境や文化に精通した即戦力人材としての評価も高まっており、特にITや介護、製造分野など慢性的な人手不足に悩む業界では、採用の対象として積極的に受け入れる動きが広がっている。

さらに注目されるのは、日本語教育機関から専門学校や大学への進学ルートが明確になりつつある点である。これは、日本でのキャリア構築を目指す外国人学生にとって大きな動機付けとなっており、長期的な在留意欲の向上にもつながっている。こうした流れを受けて、今後は企業側も留学生採用に対する制度や研修の整備、文化的配慮を含めた環境づくりが一層重要となるだろう。

今回の調査から明らかになったのは、日本人学生の海外への意欲が確実に復活していること、そして日本がアジアを中心とする外国人学生にとって魅力ある留学先として確固たる地位を築きつつあるという事実である。教育と雇用を結ぶ視点から見ても、国際的な人材流動の流れは今後の企業戦略に直結するテーマであり、採用方針の柔軟性とグローバル対応力が一層求められる時代が到来している。

⇒ 詳しくは文部科学省のWEBサイトへ

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