2024年10月5日
労務・人事ニュース
2024年8月、日本の就業者数が6815万人に到達!30か月連続で雇用者数が増加
労働力調査(基本集計)2024年(令和6年)8月分(総務省)
2024年8月の労働力調査によると、日本の就業者数は6815万人となり、前年同月と比べて42万人増加しました。これにより、25か月連続で就業者数が増加している状況が確認されています。また、雇用者数は6140万人で、こちらも前年同月比で52万人の増加となり、30か月連続の増加を記録しています。特に注目すべき点は、正規の職員・従業員数が3659万人で、前年同月比で22万人の増加、非正規の職員・従業員数が2127万人で、こちらも13万人増加していることです。非正規雇用者の増加は4か月ぶりとなっており、雇用の柔軟化が進んでいることを示唆しています。
就業率は15歳以上の人口に占める就業者の割合で、2024年8月時点で62.0%となり、前年同月比で0.6ポイント上昇しています。また、15~64歳の就業率は79.8%で、同じく0.6ポイントの上昇を記録しています。特に女性の就業率が顕著で、74.6%となり、前年同月比で0.9ポイントの増加を見せています。この傾向は、女性の社会進出や労働市場への参加が引き続き進展していることを示しています。加えて、20~69歳の就業率も81.5%と、前年同月比で0.7ポイント上昇しており、働き盛り世代の就業状況が堅調であることが伺えます。
一方、完全失業者数は175万人となり、前年同月比で11万人減少しました。これは5か月ぶりの減少であり、失業率の改善が見られます。完全失業率は季節調整済みのデータで2.5%となり、前月比で0.2ポイント低下しました。求職理由別にみると、「勤め先や事業の都合による離職」が1万人減少し、「自発的な離職(自己都合)」も9万人減少しています。一方で、「新たに求職」する者は4万人増加しており、労働市場に新たに参入する人々が増加傾向にあります。
産業別の就業者数を見ていくと、「情報通信業」や「学術研究、専門・技術サービス業」などで顕著な増加が確認されています。情報通信業の就業者数は298万人で、前年同月比で19万人の増加を記録しました。また、「卸売業、小売業」も1065万人となり、前年同月比で10万人増加しています。これらの業界はデジタル化の進展や消費行動の変化により、引き続き成長していることが読み取れます。一方で、「運輸業、郵便業」や「宿泊業、飲食サービス業」など、一部のサービス業では減少傾向が見られます。特に、運輸業は前年同月比で3万人減少しており、業界の調整が続いている可能性があります。
労働力人口全体では、15歳以上の人口は10992万人で、前年同月比で31万人の減少が確認されていますが、就業者数が増加しているため、非労働力人口は3994万人と、前年同月比で62万人減少しました。これは、働きたいと考える人々が増加していることを示しており、労働市場の活発化が伺えます。
雇用形態別の雇用者数においても、正規雇用者が3659万人で、前年同月比で22万人増加し、非正規雇用者は2127万人で13万人増加しています。非正規雇用者の中では、パートが1044万人で前年同月比7万人増加、アルバイトが473万人で4万人増加しています。労働市場において、フルタイムの正規雇用とパートタイムやアルバイトといった柔軟な働き方がバランスよく拡大している状況です。
完全失業者に関しては、年齢別に見ると「15~24歳」の若年層や「35~44歳」の働き盛り世代では減少傾向が見られます。一方、「55~64歳」や「25~34歳」といった層では若干の増加が見られ、特に中年層の再就職支援が引き続き重要な課題であることが浮き彫りになっています。
総じて、2024年8月の労働市場は堅調な回復基調にあり、特に雇用者数や就業率の改善が目立っています。また、非労働力人口の減少や、非正規雇用者の増加からも、雇用の多様化が進んでいることが伺えます。今後もデジタル化やリモートワークの普及、少子高齢化の進展に伴い、労働市場の変化が続くと予想されます。これに対して企業は、柔軟な雇用体制や、女性やシニア層の活用など、多様な人材戦略を検討する必要があります。
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