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2025年5月28日

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国際物流の未来を支える再利用容器、RTI活用の手引きがVer.4へ改訂

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国際間リターナブル物流容器の利用を促進する”手引き”を改訂しました! ~環境にやさしく、シームレスな物流システムの実現に向けて~(国交省)

令和7年5月20日、国土交通省は「国際物流におけるリターナブル物流容器(RTI)利活用の手引き」を改訂したと発表しました。この手引きは、使い捨てではない再利用可能な物流容器の活用を促進し、環境負荷の軽減と物流業務の効率化を目指すものです。RTIとは、輸送後に返却され再利用される物流容器で、例えばパレットやコンテナなどが該当します。今回の改訂では、国際物流におけるRTIの管理に関して新たな実例が追記されるとともに、最近開催されたセミナーの内容や、関係企業へのヒアリング調査結果、参加者からの質問とその回答も追加されました。

この取り組みの背景には、日中韓物流大臣会合が掲げる三大目標、すなわち「シームレスな物流システムの実現」、「環境にやさしい物流の構築」、「強靱な物流ネットワークの推進」があります。RTIの活用は、物流のコスト削減や輸送容器の廃棄量削減といった効果をもたらし、まさにこれらの目標に合致した施策といえるでしょう。

国土交通省は令和3年度からRTIに関する支援を段階的に強化してきました。令和3年度には初めての手引きを策定し、利活用の方法や取組事例を紹介しました。翌令和4年度にはRTIの使用によるコスト削減とCO₂排出量削減の効果を定量的に検証し、それに基づいた手引きの改訂を行いました。さらに令和5年度には、RTIの再輸出免税・再輸入免税に関する課題について実証調査を実施し、その調査結果を反映させる形で再び手引きを更新しました。そして、令和6年度にはセミナーやヒアリングを通じて現場の声を収集し、さらに実践的な内容へと手引きを進化させました。

今回の手引き改訂では、物流現場でのRTI管理の好事例が豊富に掲載されています。例えば、RTIの追跡管理にQRコードを活用して回収率を向上させたり、複数の企業がRTIを共同利用することで保管スペースを削減したりといった取り組みが紹介されています。また、RTIの紛失防止や管理コストの低減に関する工夫も詳しく記載されており、今後の導入を検討する事業者にとって実践的な参考資料となります。

さらに、物流におけるRTIの普及を進めるうえでの課題も明示されています。具体的には、RTIの所有権や返却ルールの不明確さ、国際間の法制度の違い、回収や再利用にかかる費用負担などが挙げられており、こうした課題解決に向けた制度的整備の必要性も指摘されています。

今後、国土交通省はこの手引きを通じて、RTIのさらなる普及と適正な管理を後押しし、国際物流の現場における環境対応と効率化を両立させていく構えです。グローバルなサプライチェーンの変革が求められるなか、持続可能な物流の実現に向けたこの取り組みは、産業界からの期待も高まっています。

興味のある事業者は、国土交通省のウェブサイトにて最新版の手引きをダウンロードし、自社の物流戦略にどう組み込めるかを検討してみると良いでしょう。今後も国際物流におけるRTI活用の動向は、脱炭素と経済性の両立を目指す中で注目を集めていくことは間違いありません。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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