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2025年6月20日

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生物多様性の鍵を握る河川調査、34年で実施された約4000件の調査結果が明らかに

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川は“生き物の宝庫” 気候変動や外来生物の影響も ~河川水辺の国勢調査34 年の成果を分析~(国交省)

令和7年5月30日、国土交通省は「河川水辺の国勢調査」の最新分析結果を公表しました。この調査は、全国の一級河川に生息する動植物の状況を継続的に把握することを目的に、平成2年度から実施されており、今回で34年目を迎えます。これまでに行われた調査回数は約4000回に上り、その膨大なデータを基に、日本の河川がどれほど多様な生き物の生息地として重要であるかが改めて浮き彫りになりました。

調査では、「日本産野生生物目録」などに掲載されている動植物のうち、実に約2~5割が河川区域で確認されており、河川が生物多様性を支える“生き物のゆりかご”であることが明確になりました。とくに草地に生息するカヤネズミは、自然度の高い環境を象徴する指標種とされており、近年の調査でも21河川でその生息が確認されました。草地の維持が長年にわたって続けられていることが、河川環境の良好な管理状態を示しています。

また、河原で営巣する鳥類であるコチドリやイカルチドリの生息状況も注目されています。これらの鳥は、自然な砂礫地に巣を作るため、彼らの存在は川の自然性の高さを示す要素として評価されています。調査によれば、ほとんどの調査河川で継続的な生息が確認されており、自然裸地が一定程度維持されていることが分かります。

一方で、気候変動や外来種の影響も河川生態系に変化をもたらしています。たとえば、温暖な地域に生息するテングヨウジという魚が、近年では東北地方の名取川など、より北の地域でも確認されるようになりました。さらに、スミレ類を好むチョウであるツマグロヒョウモンも、これまでの分布域を超えて北日本や東日本へと広がっており、気温上昇に伴う生息域の変化がうかがえます。

外来生物の拡大も深刻です。特定外来生物であるアライグマは、令和5年度の調査で26河川中22河川に存在が確認され、9河川では初めての確認となりました。その影響は、在来種の捕食や生息地の破壊など、生物多様性の損失につながる懸念があります。また、北米原産の淡水魚であるコクチバスも、日本の河川において分布を拡大しており、在来魚類との競合が問題視されています。

このような調査結果は、国や自治体が河川整備基本方針や整備計画を策定する際に重要な資料となり、今後の河川管理に科学的な視点を加える役割を果たします。国土交通省は、今後もこの調査を継続し、河川生態系の健全性を定量的に把握しながら、持続可能な環境保全を目指すとしています。

なお、令和5年度の最新調査結果の詳細については、河川環境データベースにて公開されており、関心のある方は閲覧が可能です。環境保全に携わる自治体や企業、NPOなどにとっては、こうした調査データの活用が、より効果的な取り組みの立案に結びつくことでしょう。

⇒ 詳しくは国土交通省のWEBサイトへ

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