2025年6月19日
労務・人事ニュース
令和7年4月の鹿児島県有効求人倍率1.10倍に減少、採用活動の見直しが急務に
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/デイサービス/介護施設/車で通えます
最終更新: 2025年6月23日 08:06
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「ブランクOK」/准看護師・正看護師/整形外科/リハビリテーション科/内科/クリニック
最終更新: 2025年6月23日 08:06
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「夜勤なし」/准看護師/訪問看護ステーション/有料老人ホーム/デイサービス/介護施設
最終更新: 2025年6月23日 08:06
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/介護施設/ブランクのある方も歓迎
最終更新: 2025年6月23日 08:06
正社員求人倍率が1.04倍に後退した鹿児島県、求められる雇用条件の工夫とは
令和7年4月の鹿児島県における有効求人倍率は1.10倍となり、前月から0.01ポイント低下しました。これは2か月ぶりの減少となり、全国平均の1.26倍を下回る水準です。求人が求職者数を依然として上回っているとはいえ、労働市場の需給バランスには微妙な変化が生じつつあります。このような環境下で、企業の採用担当者は数値の表面的な上下動に一喜一憂するのではなく、背後にある労働市場の構造的な変化を読み解き、戦略的な人材確保を行うことが求められます。
鹿児島県における有効求人数は36,684人で、前月比1.6%減少し、2か月ぶりの減少となりました。一方、有効求職者数は33,221人で、前月比1.0%の減少、こちらは3か月連続の減少です。求人数と求職者数がともに減少している中での倍率の低下は、求人側の減少幅の方が大きかったことを示しており、企業の採用意欲にやや陰りが見え始めていることがうかがえます。
業種別に見ると、特に建設業(5.6%減)、製造業(13.9%減)、卸売業・小売業(32.9%減)などで新規求人の落ち込みが目立っています。これにより、新規求人倍率も2.00倍と、前月から0.05ポイント低下し、3か月ぶりの下落となっています。これは企業が採用に慎重になっている兆しであり、採用活動の見直しや方針転換が求められる局面にあると言えます。
一方で、サービス業(他に分類されないもの)や運輸業・郵便業など一部の業種では求人が増加しており、業種によって採用環境が二極化しています。このような状況では、企業ごとの業界特性や地域の労働市場の実情を踏まえた柔軟な対応が必要です。特に地方都市においては、都市部とは異なる人材流動の傾向があるため、鹿児島県独自の特性を分析し、ピンポイントな施策を講じることが有効です。
有効求人倍率という数値は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す重要な指標であり、採用担当者が自社の採用力を外的に評価する一助となります。例えば、倍率が1.10倍であれば、理論上は1人の求職者を1社以上の企業が取り合っている状態であり、いわば“売り手市場”といえます。特に若年層ではこの傾向が顕著で、44歳以下の新規求職申込者は前年同月比で10.3%増と大幅に増加している一方で、55歳以上は1.8%の増加にとどまっています。
これらのデータは、企業にとって採用ターゲットを再考する材料となります。例えば、若年層の採用競争が激化する中で、働き方改革を進めて柔軟な雇用形態を導入することにより、シニア層や子育て世代など、多様な人材に対するアプローチも選択肢に入れていく必要があります。また、正社員有効求人倍率は1.04倍と前年同月を下回っており、正社員採用に関しても難しさが増していることを示しています。このような環境下で採用成功率を高めるには、求人票の内容精度を高め、求職者にとって魅力ある条件提示を行うことが不可欠です。
加えて、新規高等学校卒業予定者向けの求人受付が令和7年6月1日から開始されました。これは企業が将来を担う若手人材を確保するまたとない機会であり、採用担当者はこの時期に向けてしっかりと準備を整える必要があります。高校生の就職活動は、9月16日から選考が開始されるため、夏休み期間中に行われる三者面談を想定し、7月初旬には求人票が学校に届いていることが望ましいとされています。このようなスケジュール感を正確に把握し、タイムリーな対応ができるか否かが、優秀な若年人材の確保に直結します。
また、採用活動においては単なる求人情報の発信にとどまらず、企業の魅力を多角的に伝える広報活動も重要です。鹿児島労働局では企業PR動画の活用を推進しており、従来の動画に加えてYouTubeショート機能を用いた短編動画も配信可能となりました。これはスマートフォンでの視聴に適した形式であり、高校生のような若い世代に対して効果的なアプローチ手段となります。採用担当者は、このような新しいメディアを積極的に取り入れ、自社の価値観や職場環境をリアルに伝える努力を怠るべきではありません。
今後の採用活動を成功に導くためには、定量データと現場感覚の両輪を活かした人材戦略が求められます。有効求人倍率が指し示す市場の現状をしっかりと把握した上で、自社の雇用方針や労働環境を見直し、他社との差別化を図ることが大切です。特に地方都市での採用は、地域密着型のアプローチや、求職者が生活の場としての地域にどのような魅力を感じるかといった視点も欠かせません。
鹿児島県のように人口動態や産業構造に特徴のある地域では、ただ単に求人を出すだけでなく、その地域に根ざした魅力づくりと、企業としての社会的責任の明示も重要です。求職者は給与や福利厚生だけでなく、働く意味や企業の理念といった価値観にも目を向けています。企業の採用担当者は、このような視点を持って求人活動に臨むことで、単なる採用ではなく「共に働き、共に成長する仲間」を見つけることが可能になるのです。
⇒ 詳しくは鹿児島労働局のWEBサイトへ