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2025年6月27日

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北海道の観光需要が堅調、旅行代理店は夏季インバウンド増により国内路線の利用増を見込む(令和7年5月先行き)

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景気ウォッチャー調査(令和7年5月調査)― 北海道(先行き)―(内閣府)

令和7年5月に行われた北海道における景気ウォッチャー調査の先行きに関する報告では、地域の経済活動において業種ごとの期待感と不安が交錯している様子が鮮明になりました。観光や小売業においてはインバウンド需要や猛暑関連の消費増が追い風となるとの見方がある一方で、物価高騰や円安の継続、米国の関税動向の不透明さといった外的要因に対する警戒感も根強く、特に雇用や消費に関連する分野では先行き不透明な状況が続いています。

観光業界では、韓国、台湾、中国からの訪日観光客が堅調な動きを示しており、夏の観光繁忙期に向けたインバウンド需要の増加が期待されています。特に旅行代理店からは、半導体関連のビジネス需要が継続していることもあり、国内路線の利用も引き続き堅調に推移するとの見通しが示されました。これにより、観光型ホテルやフェリーなどの輸送手段にも連鎖的な需要の増加が見込まれ、道内経済にとっては一時的なプラス要因となりそうです。また、グループ旅行の再開やイベントの開催が増えることで、タクシーの利用も増加傾向にあり、観光シーズン到来に向けた動きが具体的に表れ始めています。

一方で、小売業に目を向けると、外国人観光客による売上の押し上げが見込まれる土産品販売や酒類の小売店などでは、一定の期待感が寄せられているものの、国内客の動きは必ずしも楽観視できる状況ではありません。例えば、大阪・関西万博の影響により、夏休みシーズンに関西方面へ客足が流れることが予想されており、北海道を訪れる観光客数は前年を下回る可能性があります。土産品店や百貨店などでは、これに伴う売上減を懸念する声が上がっており、来客数に直接影響する要因として注目されています。

スーパーやコンビニエンスストアにおいては、猛暑への備えとしてエアコンや冷たい飲料、氷といった夏季商材の売上が増加する見込みがあるものの、食品全般の価格上昇や水道光熱費の高騰により、消費者の買い控えは継続しています。米の価格が一時的に下がる見通しがあることで一定の売上押し上げ効果は見込まれるものの、中長期的には消費者マインドが改善するかどうかは不透明であり、食品スーパーの企画担当者や役員の間では、今後の景気について慎重な見方が多数を占めています。

衣料品業界では、価格志向の消費行動が強まっており、品質よりも価格重視の購買傾向が明確になっています。この傾向は、既に次期シーズンの発注・生産が進んでいる衣料業界にとっては柔軟な価格対応が難しい要因となっており、今後の景気に対する悲観的な見通しが広がっています。また、家電量販店では気温上昇に伴う季節商材の需要増に期待が寄せられているものの、天候次第で景気に与える影響が変わるため、不確実性が高い状況が続いています。

企業活動の側面では、建設業において一部受注が進んでおり、9月頃までは稼働率の上昇が見込まれていますが、米国の関税政策や資材価格の高騰、人手不足の問題は依然として企業活動の制約要因となっています。通信業やソフトウェア開発、鋼材卸売などの分野では、米国の関税交渉の行方によって景気が左右されるとの見方が多く、現段階では明確な回復基調に入っていないという評価が目立ちます。また、輸送業では、トラックや人材不足が業務運営に大きな影響を与えており、需要があっても十分に対応できないという実務的な課題も指摘されています。

雇用関連では、求人数の減少が一部見られるものの、これは特殊要因によるものであり、景気の悪化に直結する兆候ではないとする意見もあります。人材派遣業界では、求人は継続して存在しており、特にサービス業などでは人材確保が引き続き重要課題となっている状況です。ただし、求人情報誌の編集者からは、米や燃料など生活必需品の価格高騰が家計を圧迫しているため、雇用条件が多少改善されても、それが求職行動に直結していないとの指摘もありました。大学の就職担当者からも、景気が上向くような要因が見当たらず、業界によって雇用の改善状況が偏在しているとの報告が上がっています。

このように、北海道における経済の先行きには、観光を中心とした一部分野での明るい兆しがあるものの、全体としては物価高や外的要因への不安が根強く、企業も家計も慎重な姿勢を崩していないことがうかがえます。採用担当者にとっては、限られた人材資源をいかに確保し、定着させていくかという課題が引き続き最重要テーマであり、地域の景気動向と連動した柔軟な採用戦略の構築が求められます。

⇒ 詳しくは内閣府のWEBサイトへ

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