2025年6月22日
労務・人事ニュース
製造業の所定外労働13.6時間・前年比3.1%増、現場の逼迫にどう対応するか(令和7年4月)
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精神科訪問看護の正看護師/未経験OK/車通勤可/服装自由
最終更新: 2025年6月22日 10:08
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病院での主任ケアマネージャーとしての業務/車通勤可/即日勤務可
最終更新: 2025年6月22日 10:08
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施設内での訪問看護業務/車通勤可/即日勤務可/シフト
最終更新: 2025年6月22日 06:33
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訪問診療同行のお仕事/車通勤可/即日勤務可/土日祝休み
最終更新: 2025年6月22日 10:08
毎月勤労統計調査 令和7年4月分結果速報 第2表 月間実労働時間及び出勤日数(厚労省)
2025年4月に公表された最新の「毎月勤労統計調査」速報では、事業所規模5人以上の従業員を対象に、産業別の労働時間と出勤日数の詳細な実態が明らかとなりました。この調査結果は、現在の労働環境における実態を定量的に示すものであり、企業の採用活動や人材マネジメントにおける戦略の見直しに大いに活用できる情報です。特に企業の採用担当者にとっては、業界ごとの平均的な労働時間や出勤日数を正確に把握することが、労働条件の提示や自社の待遇の見直しに直結するため、今回の統計は非常に注目されています。
まず、調査産業全体の平均的な総実労働時間は139.7時間であり、前年同月比では1.2%の減少となっています。この中には、所定内労働時間と所定外労働時間が含まれており、それぞれの平均は129.5時間(前年比1.2%減)、10.2時間(前年比2.8%減)という結果でした。労働時間の減少は、一部では働き方改革の成果や業務効率化が進展していることを示す一方で、他方では業務の縮小や人手不足に伴う構造的な問題を反映している可能性も否めません。
産業別に詳しく見ると、最も顕著な動きを示しているのが「鉱業、採石業等」の業種です。この分野では、総実労働時間が163.5時間と全産業平均を大きく上回っており、前年同月比では7.8%の増加、所定内労働時間は151.5時間で前年比11%の上昇と、いずれも高い伸びを示しています。一方で、出勤日数は20.5日と他の産業よりもやや多く、さらに前年比では1.7日増加しており、これは20.5%の増加に相当します。これらのデータは、同業種において業務量が増加し、現場の稼働日が拡大していることを示しています。採用においては、就業日数が多くなることを前提とした労働条件を明示する必要があり、それに見合った報酬体系や福利厚生の整備が求められます。
建設業においても、労働時間の水準は高く、総実労働時間は165.4時間、所定内労働時間は153.1時間、所定外労働時間は12.3時間となっており、他産業と比べても上位の長時間労働が続いています。前年同月比ではそれぞれが若干の減少傾向にあるとはいえ、出勤日数は20.5日と高水準を維持しており、依然として厳しい労働環境にあることが分かります。このような背景を踏まえると、建設業界では労働時間管理の強化と並行して、待遇改善による人材の確保が重要課題となっていると言えます。採用時には、職場の安全性や休暇制度、シフト勤務の柔軟性など、労働時間の多さを補完する制度設計が重要となるでしょう。
一方、製造業では、総実労働時間が159.8時間、所定内労働時間が146.2時間、所定外労働時間が13.6時間と、やや長めの労働時間が続いています。所定外労働時間の増加率は3.1%と他の業種よりも高く、業務量の増加や納期対応のために残業が発生していることが想定されます。出勤日数は19.3日であり、前年同月比では0.2日減少していますが、それでも20日に迫る日数となっており、一定の稼働日数が確保されています。このような状況下では、製造ラインの効率化や人員配置の適正化といった内部改善が進められているものの、慢性的な人手不足への対応が急務となっています。
労働時間の推移は、単なる就業時間の長短だけではなく、業種ごとの労働負荷や現場の逼迫度を読み取る重要な指標です。例えば、出勤日数が増加している産業では、年間を通じた労働力の確保が困難になっている可能性があり、こうした業種においては週休制度の見直しや交代勤務の導入といった労務管理の工夫が不可欠となります。また、全産業における所定外労働時間の減少傾向は、企業の労働時間適正化に対する意識の変化を反映している一方で、現場での仕事量やプレッシャーが一部の従業員に集中しているリスクも含んでいます。
このような背景を考慮すると、企業が採用活動を行う際には、自社が属する業界の平均的な労働時間と出勤日数を正確に理解した上で、それに基づいた実態に即した情報提供が求められます。求職者は、単に給与水準だけでなく、働く時間や休暇取得の状況を重視する傾向が高まっており、労働環境に対する透明性が信頼の基礎となります。また、働き方の柔軟性やテレワークの可否、育児・介護と仕事の両立支援なども、今後ますます重要な採用要素となってくるでしょう。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ