2026年1月14日
職種図鑑
インダストリアルデザイナーのお仕事とは?業務内容や身につくスキル、どんな資格や経験がいかせるの?[パコラ職種図鑑]
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日々の生活の中で、無意識に手に取る製品の数々。その一つひとつに「使いやすさ」や「見た目の美しさ」を届ける役割を担っているのが、インダストリアルデザイナーという仕事です。この職種は、製品の設計から量産化までを支えるだけでなく、使う人の立場を考え抜いてかたちにしていく、ものづくりのプロフェッショナルです。
専門知識やツールの習得はもちろん必要ですが、発想力や観察力、協調性といった要素も求められるため、幅広い経験を活かせる職業でもあります。本記事では、インダストリアルデザイナーの仕事内容から必要なスキル、未経験からの挑戦方法、役立つ資格や研修情報までを、わかりやすく解説しています。
インダストリアルデザイナーのお仕事とは?
インダストリアルデザイナーという職種は、一般的にはあまり耳慣れない言葉かもしれませんが、実は私たちの暮らしのあらゆる場面に深く関わっている存在です。インダストリアルデザイナーは、工業製品や消費者向け製品の外観や使い勝手を考えながらデザインする仕事です。たとえば、日常生活で使っている家電や文房具、家具、自動車、医療機器など、あらゆる「モノ」に彼らの仕事の成果が活かされています。製品の形や色だけでなく、どのように手に取って使うか、どのように感じるか、そしてその製品が誰に向けられているのかといった視点も含めて、総合的にデザインを考えていく仕事なのです。
この職種の魅力の一つは、目に見える成果が形となって世に出るという点です。インダストリアルデザイナーが関わった製品は、実際に販売され、多くの人々の手に渡ります。人びとの暮らしに直接関わるものを生み出せることは、非常にやりがいのある仕事だと言えるでしょう。また、ただ見た目が美しいだけではなく、使いやすく、手に取りやすく、安全であることなど、多くの視点からものづくりを考える必要があるため、専門的な知識と観察力、柔軟な発想力が求められる職種でもあります。
インダストリアルデザイナーの仕事は、デザインのスケッチを描くだけでは終わりません。製品のコンセプトを立案する段階から関わり、どのような機能を持たせるべきか、素材には何を使うのか、コストはどの程度に抑えるべきかなど、技術的な条件や製造上の制約、さらにはマーケティングの視点まで考慮に入れて設計を進めます。デザイン案が固まった後には、3Dデータを用いて製品の形状を立体的に表現し、実際に試作を行うこともあります。そして最終的には、エンジニアや製造部門と協力しながら、量産に向けた調整や改良を行い、製品化へとつなげていきます。
そのため、インダストリアルデザイナーは、デザインだけでなく、素材や工法、製品の機能、コスト、さらには販売するターゲット層のニーズなど、多角的な視点を持ってプロジェクト全体を把握する必要があります。また、一人で全てを完結するのではなく、他の専門家と密接に連携して進めていくため、チームでの協力やコミュニケーション能力も欠かせません。自分のアイデアを図や言葉で他の人に伝え、納得してもらいながら一つの製品に仕上げていく力が求められます。
さらに、時代の変化や技術の進化とともに、インダストリアルデザイナーの役割も少しずつ広がっています。かつては製品の外観や機能に重きを置いていたデザインですが、近年では環境への配慮やサステナビリティへの関心が高まる中で、再生素材の活用や、長く使える構造設計など、より持続可能な視点を取り入れたものづくりが求められるようになっています。加えて、製品の使用体験そのものを設計する「ユーザーエクスペリエンス(UX)」の考え方も、インダストリアルデザインの領域に深く関わってきています。
このように、インダストリアルデザイナーの仕事は、単なる「モノづくり」ではなく、「使う人の暮らし」や「社会全体の動き」を見据えた、広がりのある活動だと言えるでしょう。どんな製品が求められているのか、どのように使われるべきかを常に考え、試行錯誤しながら形にしていくプロセスには、クリエイティブな喜びと同時に深い責任も伴います。だからこそ、一つひとつの仕事に誇りを持って取り組むインダストリアルデザイナーは、製品開発の中でも非常に重要な役割を担っているのです。
インダストリアルデザイナーのお仕事の主な業務内容
インダストリアルデザイナーの仕事は、一言で言えば「製品のデザイン」ですが、その実際の業務は多岐にわたります。ただ単にスケッチを描いたり見た目を整えるだけではなく、コンセプトの立案から製品完成までのプロセスに深く関わり、企画・設計・試作・調整・監修といった一連の流れを一貫して担うことが一般的です。そのため、アイデアをかたちにする力と、プロジェクト全体を見渡しながら関係者と連携する柔軟性が必要です。
まず最初に行うのは、製品の企画段階でのコンセプト設計です。ここではクライアントや企画担当者とミーティングを重ね、製品の目的や想定されるユーザー像、市場で求められている条件などを共有しながら、どのような価値を持つ製品にするかを話し合います。この段階では自由な発想が求められ、スケッチやアイデアメモを活用しながら、複数の提案を行うこともあります。
次に進むのが、デザイン案の具体化です。ここでは、初期のアイデアを元に、形状やサイズ、素材、カラーなどを検討していきます。デザインソフトや3Dモデリングソフトを使用して、より現実に近い形でイメージを可視化し、プレゼンテーション資料としてまとめます。ここではクライアントや社内関係者からのフィードバックをもとに、複数回にわたって修正やブラッシュアップが行われることもあります。
デザインがある程度固まってくると、次は技術面を考慮した設計段階に入ります。たとえば、使用する素材が加工しやすいかどうか、製造におけるコストや工程に無理がないか、耐久性や安全性に問題がないかなど、エンジニアや設計担当者と連携しながら、デザインの細部を詰めていきます。この段階では、ただ美しいデザインであるだけでなく、現実的なものづくりが可能であるかどうかという視点が重視されます。見た目の美しさと実用性を両立させるには、経験と知識、そして現場とのコミュニケーションが不可欠です。
さらに、試作品(プロトタイプ)の製作もインダストリアルデザイナーの大切な仕事です。自分が考えたデザインが実際にどのように形になるのかを確認するために、模型やモックアップを作成し、使用感やサイズ感、組み立てやすさなどをチェックします。こうした試作段階では、思い描いていた通りにいかないことも多く、細かな調整や再設計が繰り返されることになります。それでも、使い手のことを考えながら妥協せずに仕上げていく姿勢が、最終的によりよい製品につながっていきます。
また、量産を前提とした製品設計を進める際には、製造工場とのやり取りも必要になります。製造方法やコスト、納期などに関する打ち合わせを重ね、量産体制に適した設計に変更を加えることもあります。このとき、設計と製造の両面においてバランスの取れた判断が求められるため、素材や加工技術に関する基礎知識も業務を進めるうえで役立ちます。
加えて、近年では製品だけでなく、パッケージや取扱説明書、ロゴやブランドイメージまで含めたトータルなデザインに関わることも増えてきています。特に消費者向けの製品においては、見た目の統一感や、開封体験の快適さなどが商品価値に直結するため、製品そのものだけでなく、その周辺にある「使うまでの体験」「使った後の満足感」までを意識したデザイン設計が重要になってきているのです。
このように、インダストリアルデザイナーの業務は、単なる製品デザインの枠を超えて、企画・技術・マーケティング・製造など、複数の領域をまたぎながら多面的に関わっていく仕事です。日々の業務では、専門的な知識やソフトの操作スキルに加えて、柔軟な発想力、細部に目を配る観察力、そして多くの人と協働していくコミュニケーション力が求められます。そのため、継続的な学びと、広い視野を持ち続けることが、この職種で長く活躍するための大切な要素となっていくのです。
働きながら身に付くスキルとステップアップ
インダストリアルデザイナーとして仕事を続けていくなかで、自然と身についていくスキルは非常に多岐にわたります。デザインという職種の特性上、目に見える「かたち」をつくるスキルばかりに注目されがちですが、実際にはその裏側にある「考える力」「伝える力」「調整する力」など、見えにくいけれども非常に重要なスキルも多く養われていきます。これらのスキルを少しずつ積み重ねていくことで、デザイナーとしての視野が広がり、より多様な製品やプロジェクトに携われるようになります。
まず第一に、働きながら身につくのが「製品開発に必要な基礎的知識と技術的理解」です。インダストリアルデザイナーは、製品の使い勝手や見た目だけではなく、その製品がどのように製造されるのか、どんな素材が適しているのか、どのようなユーザーに向けられているのかといった視点からも判断する必要があります。そのため、現場で実際に製造や開発に関わることで、素材の特性や加工の流れ、コストとの関係など、実務を通じて得られる「実践知識」が蓄積されていきます。
次に、必ず求められるのが「プレゼンテーション能力」です。自分の考えたアイデアを図に描くだけでなく、それをどのように人に伝えるかがとても大切になります。クライアントやチームのメンバーに自分の意図をわかりやすく説明し、納得してもらうためには、スライド資料やビジュアルを作成するだけでなく、話し方や言葉の選び方にも工夫が求められます。多くのプロジェクトを重ねる中で、説明力や説得力が少しずつ磨かれていきます。
さらに、業務を通じて自然と身につくのが「プロジェクトマネジメントの視点」です。デザインというと、感性や表現力に重きが置かれる印象を持たれやすいですが、現実にはスケジュール管理、コスト管理、品質の担保といった現実的な要素を考慮しながらプロジェクトを進めていくことが不可欠です。納期に間に合わせるための進行管理や、部門間の調整など、経験を積み重ねる中で、段取りや調整力も自然と養われていきます。
また、時代の流れとともに求められるスキルも変化しています。たとえば、近年では3Dプリンタやデジタルモデリングソフトの進化によって、これまで以上にスピーディーにアイデアをかたちにできる環境が整ってきました。こうした新しい技術を使いこなすためには、専門知識だけでなく柔軟な学習姿勢も求められます。実務を通じてこれらのソフトや機材の使い方に慣れていくことで、表現力と開発スピードの両方が高まります。
また、さまざまな人と仕事をする中で自然と育まれるのが「コミュニケーション力」です。デザイナーは一人で作品を作り上げるわけではありません。企画担当者、エンジニア、マーケティング担当、営業、製造現場のスタッフなど、多くの人と連携しながら製品づくりを進めていきます。相手の立場や考えを理解しながら、自分の考えを伝える力は、単なる会話の技術以上に、仕事の成功を左右する大きな要素となります。
ステップアップを目指す段階では、デザイナーとしての経験を活かし、より大きなプロジェクトの企画段階から携わることができるようになります。たとえば、自分が担当する製品だけでなく、ブランド全体のイメージ作りに関わるようになったり、新製品の開発をゼロから主導したりするチャンスが増えていきます。また、デザイン部門のリーダーやマネージャーとして、若手の育成やチームの統括を任されることもあり、そこでさらに「人を育てる力」や「組織をまとめる力」が磨かれる場面も多くなります。
最終的には、インダストリアルデザイナーとしての経験が、プロダクト全体のブランディングや企業のビジョン設計にまで広がっていくこともあります。最初は一つひとつの製品デザインから始まっても、少しずつ積み上げた知識や信頼、スキルが、自分自身のキャリアの幅を広げることにつながっていくのです。努力を重ねるごとに、できること、任されることが増えていき、それによって仕事への充実感もより深まっていくでしょう。
未経験から挑戦できますか?
インダストリアルデザイナーという仕事に対して、「専門的で難しそう」「美術大学を出ていないと無理なのでは」といった印象を持たれることもあるかもしれません。たしかに、製品をデザインするためには特定の技術や知識が必要とされる場面は多くありますが、それが必ずしも「専門学校卒」や「実務経験あり」といった条件に限定されるわけではありません。未経験の方でも、学ぶ意欲と柔軟な姿勢があれば、この分野に挑戦することは十分に可能です。
まず前提として、インダストリアルデザイナーに求められるのは、必ずしも完成されたスキルではなく、「使う人の視点に立ってモノを考える姿勢」や「生活の中にある課題を見つけて、それに対して提案できる力」です。つまり、日々の生活の中で「この製品、もう少しこうだったら便利なのに」「こういう道具があったら助かるのに」と気づける感性こそが、デザインの出発点になります。実際に現場で働き始めてからでも、必要な知識やソフトの使い方は習得できますので、まずはそういった気づきや視点を大切にしていくことが、未経験からの一歩につながります。
ただし、まったくのゼロから始める場合、ある程度の基礎知識を身につけておくことはやはり大切です。たとえば、デザインの考え方に関する本を読んだり、製品デザインに関する資料を調べたりして、業界全体のイメージをつかんでおくことは効果的です。また、デザインソフト(Adobe Illustrator、Photoshop、Rhinoceros、Fusion 360など)の基本的な操作方法を自分なりに学んでおくことで、実際の現場でもスムーズに仕事を始められるでしょう。最近では、オンライン講座やYouTubeなどを使って手軽に学習できる環境が整っているため、独学でも基礎は十分に身につけられます。
さらに、未経験からの転職や就職を目指す際には、自分の考えたデザインをまとめた「ポートフォリオ」が非常に重要になります。実務経験がなくても、自主制作の作品や、課題として取り組んだデザイン案をまとめておくことで、自分の発想力や表現力をアピールすることができます。ポートフォリオには、単なる完成図だけでなく、そのアイデアに至った経緯や、どんな課題を解決したかったのかといった説明を添えることで、より説得力のある資料になります。
また、社会人経験のある方であれば、たとえば前職でのプレゼンテーション経験や、プロジェクト管理の経験、または営業や接客で培ったコミュニケーション力なども、デザイナーの仕事に活かすことができます。製品デザインの現場では、ただモノを作るだけでなく、多くの関係者とやり取りをしながら進行していくため、実はこうした「人と協力する力」が非常に重宝されるのです。未経験だからといって過小評価せず、自分がこれまでに培ってきた強みを別の形で活かせる場面が多くあることをぜひ知っておいてください。
さらに、企業によっては新卒や第二新卒、未経験者を対象にした研修制度を整えているところもあります。インターンシップやトライアル雇用などを通じて実際の現場に触れられる機会が設けられている場合もあるため、自分に合った入り口を探してみることが大切です。小さな会社ではある程度の即戦力を求められることもありますが、中には人柄や将来性を重視してくれる企業もあり、最初から完璧である必要はありません。
最後に大切なのは、デザイナーとして働くには「探求し続ける姿勢」が何より大切だということです。トレンドや技術は常に変化していく中で、学ぶことをやめない柔軟さが、キャリアの広がりに直結します。未経験であることは、見方を変えれば「固定観念に縛られない自由な発想ができる」という強みでもあります。その強みを大切にしながら、一歩ずつでも着実に知識と経験を積み重ねていけば、デザイナーとしての道は必ず拓けていきます。
こんな資格がいかせます!
インダストリアルデザイナーとして働くうえで、必須の国家資格があるわけではありません。そのため、資格を持っていないからといって仕事に就けないということはなく、実力や実績、作品で評価される世界でもあります。ただし、持っていると知識やスキルの裏付けとして役立ったり、就職や転職の際にアピールできる場面があるのも事実です。特に、デザイン系の職種は目に見える「成果」や「センス」にばかり注目されがちですが、それを支える裏付けとしての資格は、思いのほか強い武器となります。
まず、最もベーシックな資格として挙げられるのが「色彩検定」や「カラーコーディネーター検定」です。製品の外観において色の選び方は非常に重要な要素であり、色彩の基礎を体系的に理解していると、ユーザーにとって心地よい配色を判断する際に役立ちます。また、色の組み合わせ方や心理的効果についても学ぶことができるため、単に見た目を整えるだけでなく、ブランドや商品コンセプトに合った色設計ができるようになります。
次におすすめしたいのが「プロダクトデザイン技能士」や「インテリアコーディネーター」などの実務に関わる資格です。プロダクトデザイン技能士は、モノづくり全体に関わるデザインの知識や製図の技術が問われる資格で、実際の設計や試作などに関わる場面で実用性があります。インテリアコーディネーターも一見するとインダストリアルデザインとは別の領域に見えるかもしれませんが、空間全体の中で製品がどう見えるか、どう使われるかという視点を養ううえで有用な知識が含まれています。
また、近年では3Dデザインソフトの利用が業務の中心になってきているため、「CAD利用技術者試験」や「3次元CAD利用技術者試験」といった資格も実務で非常に重宝されます。図面や3Dデータを扱うことが日常的に求められる仕事であるため、こうした資格を通じて基礎から応用までのスキルを体系的に習得しておくと、業務のスピードと精度の両方を向上させることができます。特に実務未経験の方にとっては、実力の証明としても非常に有効なツールになるでしょう。
そのほか、「Photoshopクリエイター能力認定試験」や「Illustratorクリエイター能力認定試験」といったアドビ製品に関する資格も、デザインの基本ツールとして日々使用されるものであるため、取得しておくと安心です。視覚的な資料を作成したり、製品提案のプレゼンテーションを行う際には、これらのスキルが欠かせません。特にポートフォリオ作成の際に使用するソフトでもあるため、効率よく操作できるだけで仕事の幅が広がっていきます。
さらに、英語に関連する資格も、グローバルな製品開発に携わる機会のある職場では大きな強みになります。たとえば「TOEIC」などで一定のスコアを持っていれば、海外の取引先やエンジニアとのやり取り、海外展示会での対応などに活かせる場面が増えていきます。製品のグローバル展開や外資系企業との協業が進む中で、語学力もデザイナーとしての付加価値を高める要素のひとつです。
資格を持っていることで即戦力として判断されるわけではありませんが、それでも「この分野についてしっかり学んできた」「自ら努力して知識を習得している」という姿勢を示す手段として資格は非常に有効です。また、学習を通じて得た知識が実務の中で生きてくる場面も多くあり、後々のキャリアの中でもしっかりとした土台となってくれるでしょう。独学での知識習得に加え、資格という形で明示することで、自分自身の理解の深さと信頼性を高めることにもつながります。
こんな業務経験がいかせます!
インダストリアルデザイナーとして働く際には、必ずしも同じ職種での経験がなければいけないわけではありません。他職種での経験や、過去に携わってきた仕事の中で培ったスキルが、この分野で大いに活かされることは少なくありません。むしろ、デザインの世界では多様なバックグラウンドが発想の幅を広げ、新しい視点をもたらすことにつながるため、自分の過去の経験をポジティブに捉えることがとても大切です。
まず、ものづくりや製造に関わった経験がある方にとっては、その知識や感覚が直接的に活かされます。たとえば、工場での組立作業や生産工程に携わった経験がある場合、製品がどのように加工されるのか、どのような順序で作業が進められるのかといった実践的な知識が身についています。これは、デザインの段階で「どう作られるか」「どこでつまずきやすいか」といった現場の視点を持ちながら設計できるという大きな強みになります。現場に優しい設計ができるデザイナーは、技術者や製造スタッフからも信頼を得やすく、チームの中での調整役としても頼られる存在になります。
また、営業や接客など、人と接する仕事をしてきた経験も非常に価値があります。製品をデザインするということは、誰かの「使うシーン」や「選ばれる理由」を想像しながら設計するということでもあります。実際に多くのお客様と接してきた経験がある人は、自然と消費者目線で物事を考える力が身についており、その視点がデザインに深みを与えてくれます。さらに、クライアントとの打ち合わせや社内外の調整が多いこの職種において、相手の要望を丁寧に汲み取りながら、的確に対応する力はとても大切な要素です。
事務職やプロジェクトアシスタントなどの経験も、意外なかたちで役立ちます。スケジュール管理やタスクの進行、資料作成といった日常的な業務のなかで磨かれた「段取り力」や「文書作成力」は、デザイナーとしての業務でも多くの場面で応用が利きます。たとえば、プレゼンテーション用の資料を作る際や、プロジェクトの進捗を報告する際に、わかりやすく整理された内容をアウトプットできるスキルは大きな武器になります。特に複数の案件を同時に進めるような環境では、こうした基本的なビジネススキルが仕事全体をスムーズに進める助けになります。
また、建築やインテリアに関わる業務経験も、インダストリアルデザインに通じる部分が多くあります。空間をどう構成するか、どんな素材をどのように配置するかといった考え方は、プロダクトデザインにも応用可能です。スケールの違いはありますが、ユーザー体験を重視した構成や、使い勝手を考慮したレイアウト設計といった感覚は、いずれの分野でも共通しています。これらの経験を通じて培われた「空間認識力」や「構造への理解」は、製品デザインの際に非常に大きなアドバンテージとなります。
さらに、IT系やプログラミングに関する経験を持っている方も、今後のデザイン業務でそのスキルを活かせる場面が増えています。たとえば、UI/UXの観点を取り入れた製品設計や、IoT機器のインターフェース設計においては、デザインとソフトウェアの連携が求められるため、技術的な知識があると強みになります。複雑な機能を、誰もが使いやすいかたちで表現するためには、見た目の美しさと同時に、システム的な仕組みを理解しながら構造を考える必要があります。こうしたスキルを持つデザイナーは、今後ますます重宝されるでしょう。
このように、インダストリアルデザイナーという職種は、さまざまな業務経験が有機的につながって成り立つ仕事です。今までの自分の経験が、今後の仕事にどう役立つかを考えてみると、新たな可能性が見えてくるかもしれません。職歴に自信が持てないと感じている方でも、その中に光るスキルや視点が必ず存在しています。それらをどう活かすか、どう組み合わせていくかを工夫することが、デザイナーとしてのキャリア形成においてとても大切なステップとなるのです。
こんな研修が役立ちます!
インダストリアルデザイナーとしてスムーズに業務を進め、現場で活躍していくためには、実務に直結する知識や技術を効率よく学べる研修の機会を上手に活用することが非常に効果的です。特に未経験や業界経験が浅い方にとっては、研修を通じて基本的な流れを理解したり、最新のツールに触れたりすることで、不安を減らしながら業務への理解を深めていくことができます。また、経験を積んだ後も、スキルの見直しや新たな技術への対応を目的とした学び直しとして、定期的に研修を受けることはキャリアアップにも大いに役立ちます。
まず取り組みやすいのは、基本的なデザインツールの操作を学ぶ「OA研修」です。インダストリアルデザインの現場では、IllustratorやPhotoshopといったアドビ系ソフトのほか、Rhinoceros、Fusion 360、SolidWorks、AutoCADなどの3Dモデリングソフトも頻繁に使用されます。これらのソフトは、初めて扱う人にとっては操作の癖や機能が複雑に感じられることもあるため、初歩から体系的に学べる研修を受けておくことで、現場での戸惑いを最小限に抑えることができます。研修では、単なる操作だけでなく、実務でどのように活用されているか、どの工程でどのツールが適しているかなども紹介されるため、応用力も自然と養われていきます。
次に役立つのが、「ビジネスマナー研修」です。デザイナーというと、個人のクリエイティブな感性が重視される印象が強いかもしれませんが、実際には社内外の関係者とのやり取りが非常に多い職種でもあります。プロジェクトの打ち合わせやクライアントとの折衝、提案のプレゼンテーション、社内での意見交換など、コミュニケーションの場は日常的に発生します。その際に、基本的なビジネスマナーや報連相(報告・連絡・相談)の進め方、言葉遣い、資料の整え方などがしっかりしていると、信頼関係の構築に大きな影響を与えることになります。
また、近年では「デザイン思考」をテーマにした研修も増えてきています。これは、単に見た目を整えるのではなく、ユーザーの視点から課題を発見し、それを解決するためのプロセスを設計するという考え方です。こうした思考法は、商品開発に限らず、サービス設計やブランド戦略にも応用できるため、インダストリアルデザイナーとしての視野を広げ、より提案型のアプローチができるようになります。ユーザー調査の手法、アイデアの発散と収束のプロセス、プロトタイピングによる検証などを学ぶことで、製品の質そのものを高めることにもつながります。
さらに、実際の製造工程や素材の扱い方について学べる「工業技術系研修」も非常に有益です。どんなに素晴らしいデザインでも、実際に量産できなければ製品化は実現しません。そのため、設計と製造のギャップを埋めるための知識は、インダストリアルデザイナーにとって必須のものと言えます。たとえば、金属加工や樹脂成形、板金、切削などの基礎的な技術や、量産におけるコストや工程管理の考え方を学ぶことで、現実的な制約を踏まえた上での設計提案ができるようになります。
また、プレゼンテーション研修やドキュメント作成のスキルを磨く場も、自分のアイデアを正確かつ魅力的に伝えるためには大切です。デザイナーは自分の作品が語ってくれるとはいえ、やはりその意図や背景を補足する言葉や資料がなければ、伝わらない場面も少なくありません。こうした場面においては、見せ方の工夫、話し方の順序、資料の構成などが成果に直結することがあるため、定期的にこうしたスキルを見直す研修もおすすめです。
研修を受けることによって得られるのは、知識やスキルだけではありません。「学ぶ姿勢」そのものが評価される場面もあり、継続して自己研鑽に取り組んでいるという姿勢が、社内外の信頼構築にもつながっていきます。また、研修の場では異なる職種の人と出会う機会もあり、新しい視点や刺激を受けながら、日々の業務に役立つヒントを得られることもあります。自分の苦手分野を補うだけでなく、得意分野をさらに伸ばすためにも、研修を前向きに活用していくことは、キャリア形成のうえでも非常に大きな意味を持つのです。
インダストリアルデザイナーのお仕事のまとめ
インダストリアルデザイナーという職業は、製品の外観や使いやすさをデザインするだけでなく、人の暮らしや社会とのつながりをかたちにしていく、非常に奥深い仕事です。見た目の美しさだけではなく、手に取る人がどのように感じ、どう使うのかまでを丁寧に考えながら、企画から量産までの一連の流れに関わっていきます。アイデアをただ表現するのではなく、実際の製造現場やマーケットのニーズ、コストや素材の特性など、さまざまな条件を考慮に入れながら、現実的な「製品」に落とし込んでいくという点で、大きな責任とやりがいが伴う職種です。
その仕事には、デザインに関する専門的なスキルや知識はもちろん、プレゼンテーション能力、コミュニケーション力、スケジュール管理など、ビジネススキルも欠かせません。また、デザインソフトの操作や3Dモデリング、素材や加工技術に関する理解など、技術的な知識も求められます。しかし、それらは必ずしも最初から完璧に備わっている必要はなく、日々の業務の中で少しずつ学び、身につけていくことができるものです。
未経験からでも挑戦は可能であり、デザインに対する興味や、ものづくりを楽しむ気持ちがあれば、一歩ずつ着実にスキルを積み上げていけます。製品に対する感覚やセンスは、実際に手を動かしてデザインを重ねる中で育っていくものですし、自分が使いたいと思うものをかたちにしたいという思いが、結果的に人の心を動かす製品へとつながっていきます。また、これまでの職務経験や生活経験も、発想や視点を広げる糧となるため、自分自身のこれまでを活かしながら成長できる点も、大きな魅力です。
仕事を続ける中で身につくスキルには、プロジェクト全体を見渡して進める力、チームと協力しながら進める力、他人の意見を聞きつつ自分の考えをまとめて伝える力など、今後どのような分野にも応用できるものが多く含まれています。また、資格の取得や研修への参加を通じて、必要な知識や技術をしっかりと補っていける環境が整っていることも、キャリアを育てていく上での安心材料のひとつです。
日々の仕事のなかでは、デザインを巡って何度も修正が入ったり、思うようにかたちにならない場面もあるかもしれません。しかし、自分のアイデアが現実の製品となって世の中に出たとき、その達成感は何ものにも代えがたいものがあります。そして、その製品が人々の生活に寄り添い、誰かの毎日を少しでも豊かにするのであれば、インダストリアルデザイナーとしての努力や時間は、間違いなく意味のあるものだったと感じられるでしょう。
ものづくりに興味がある方、人の生活をより便利に、心地よくしたいと考えている方には、インダストリアルデザインという職業は大きな可能性と喜びをもたらしてくれるはずです。完成されたスキルや経歴よりも、ひとつひとつの製品に真剣に向き合い、より良いものを目指して試行錯誤できる姿勢こそが、この仕事で活躍するための土台になるのです。
よくある質問Q&A
Q1:インダストリアルデザイナーとはどのような職業ですか?
A1:インダストリアルデザイナーは、家電製品や家具、自動車、医療機器など、私たちの生活に身近な製品の外観や使い勝手を設計する職業です。製品の見た目の美しさだけでなく、使いやすさや安全性、製造コストや材料選定なども考慮し、企画段階から量産までの流れに広く関わります。使う人の立場に立って物事を考え、実際に形にしていく仕事であるため、創造力だけでなく、論理的思考力や実務的な調整力も求められる総合的な職種です。
Q2:インダストリアルデザイナーの主な仕事内容にはどんなものがありますか?
A2:インダストリアルデザイナーの主な仕事には、製品のコンセプト立案、スケッチや3Dデザインの制作、素材や構造の検討、プロトタイプの作成、製造現場との調整などがあります。また、デザイン案のプレゼンテーションや資料作成、クライアントや社内関係者との打ち合わせも多く、デザインと同時にコミュニケーション能力も重視されます。製品を形にする過程のあらゆる段階で活躍することが特徴です。
Q3:未経験でもインダストリアルデザイナーになれますか?
A3:未経験からでもインダストリアルデザイナーに挑戦することは可能です。必要なソフトの操作やデザインの考え方は、オンライン講座や書籍を通じて独学で学ぶことができます。自分の作品をまとめたポートフォリオを作成すれば、実務経験がなくても応募の際に自分のアイデアや考え方を伝えることができます。また、社会人経験や他職種での経験も、視点や発想力という形で活かすことができるため、不利になるとは限りません。
Q4:どんなスキルが自然と身につく仕事ですか?
A4:インダストリアルデザイナーとして働く中で自然と身につくスキルには、製品設計の知識、プレゼンテーション能力、プロジェクト管理力、そしてコミュニケーション力などがあります。また、3Dモデリングや画像編集ソフトの操作スキル、ユーザー目線での考え方、マーケティング的な視点も養われます。これらのスキルは業界を問わず通用するものが多く、長期的なキャリア形成にも役立ちます。
Q5:どのような人に向いている仕事ですか?
A5:モノづくりが好きな人、誰かのためになる製品を考えるのが好きな人、アイデアを形にすることに喜びを感じる人に向いています。また、柔軟な発想ができることや、新しいことを学ぶ姿勢を持ち続けられる人、チームで協力しながら仕事を進められる人にも適しています。完璧なスキルよりも、使う人の気持ちを想像できるやさしさや観察力が大切にされる職種です。
Q6:資格がなくても働けますか?
A6:資格がなくても働くことは可能です。インダストリアルデザインの仕事は実力主義の側面が強く、ポートフォリオや面接でのコミュニケーションを通じて自分の考えや経験を伝えることができれば、評価されることがあります。ただし、色彩検定やCAD関連、Photoshop・Illustratorの認定資格を取得しておくと、基礎知識や技術力の証明として役立ちます。資格は自信にもつながるため、取得を目指すことは有益です。
Q7:役に立つ資格にはどんなものがありますか?
A7:インダストリアルデザイナーとして役立つ資格には、色彩検定、カラーコーディネーター検定、プロダクトデザイン技能士、3次元CAD利用技術者試験、PhotoshopやIllustratorの能力認定試験などがあります。また、グローバルに活躍したい場合にはTOEICなどの英語資格も有効です。これらの資格を取得しておくと、技術の証明として評価されやすくなるほか、業務の幅を広げる助けにもなります。
Q8:どんな業務経験がこの仕事に活かせますか?
A8:製造や接客、営業、事務などの業務経験はすべてインダストリアルデザイナーの仕事に活かすことができます。製造の現場を知っている人は、量産に配慮した設計がしやすくなりますし、接客や営業経験のある人は、ユーザーの視点に立った発想力が強みになります。また、事務職の経験がある人は、スケジュール管理や資料作成、段取り力がデザイン業務でも大いに役立ちます。
Q9:どんな研修を受けるとよいですか?
A9:まずはIllustratorやPhotoshop、CADなどの操作を学ぶOA研修がおすすめです。ビジネスマナー研修やプレゼンテーション研修も、仕事を円滑に進めるためには非常に役立ちます。さらに、工業技術や素材の知識を学べる研修、デザイン思考をテーマにした研修を通じて、企画力や提案力を高めることも効果的です。研修は実務の補強だけでなく、自分の強みを広げるきっかけにもなります。
Q10:どのようなキャリアステップがありますか?
A10:まずはプロダクト単位でのデザイン業務からスタートし、経験を積むことで複数製品の設計管理やコンセプト開発にも関われるようになります。さらに、ブランドの世界観づくりや、プロジェクト全体を統括する立場に進むケースもあります。デザイン部門のリーダーや後輩指導を通じてマネジメントに携わることもあり、最終的には商品企画や経営レベルで活躍する人もいます。
Q11:3Dモデリングは必要なスキルですか?
A11:はい、近年のインダストリアルデザイン業務では3Dモデリングのスキルはほぼ必須となっています。試作品を作成する前に形状を確認したり、製造部門との打ち合わせで設計の意図を正確に伝えたりする際にも活用できます。代表的なソフトにはFusion 360やRhinoceros、SolidWorksなどがあり、それぞれの操作に慣れておくと業務を効率的に進めることができます。
Q12:ソフトの操作は独学で習得できますか?
A12:独学でも習得は可能です。現在はオンライン講座や動画サイト、書籍など多くの学習リソースが整っており、未経験でも自分のペースで学ぶことができます。特に初心者向けの入門講座やチュートリアル動画は数多く存在し、基本的な操作方法から応用技術まで学べる環境が充実しています。継続して取り組む姿勢があれば、実務レベルのスキルを身につけることも十分可能です。
Q13:英語力は必要ですか?
A13:必須ではありませんが、海外メーカーとのやり取りやグローバル展開を行う企業では、英語力があると活躍の場が広がります。特にTOEICなどで一定のスコアを持っていれば、仕様書や契約書の確認、展示会でのコミュニケーションなどに対応しやすくなります。語学力は単なる付加価値ではなく、海外市場での製品デザインや調査に参加するチャンスにもつながるスキルです。
Q14:製品開発のどの段階から関われますか?
A14:インダストリアルデザイナーは、製品の企画段階から関わることが多いです。どんな製品を誰に向けて作るかというアイデア出しから始まり、形状設計、素材の選定、コスト調整、試作、量産設計まで、各段階に携わります。単に「仕上げのデザイン」を担当するのではなく、プロジェクト全体の中で重要な役割を担うポジションです。
Q15:どのような考え方がデザインに役立ちますか?
A15:使う人の気持ちを想像すること、生活の中での不便さや課題に気づけることがとても役立ちます。感性やセンスも大切ですが、それ以上に「どうすればもっと良くなるか」「なぜ不便なのか」といった問いを立てられる視点が、優れたデザインにつながります。自分の生活体験もヒントになり、日常の中からアイデアを生み出す姿勢が求められます。
Q16:プレゼン資料はどのように作成しますか?
A16:プレゼン資料では、視覚的にわかりやすい図やイラストを用いて、製品の魅力や意図を伝えることが重要です。ターゲットや使用シーン、工夫した点などを簡潔に説明できるよう、構成や色使いにも配慮します。また、文字情報だけでなく、図解やモックアップ画像を活用することで、視覚的な説得力が高まります。
Q17:どんな働き方ができますか?
A17:企業のデザイン部門に所属する正社員として働くケースのほか、フリーランスとして複数の案件を受け持つ働き方もあります。在宅勤務やリモート対応が可能な案件も増えており、働き方の幅は広がっています。柔軟な勤務形態が認められている企業も多いため、自分のライフスタイルに合わせて仕事を選ぶことができます。
Q18:この職業のやりがいは何ですか?
A18:自分の考えたデザインが製品として世の中に出て、誰かの暮らしの中で使われる瞬間に、大きなやりがいを感じる人が多いです。手に取った人が笑顔になるような製品を届けられることは、この仕事ならではの喜びです。また、プロジェクトごとに違う課題に向き合うため、常に新しい挑戦があることも魅力の一つです。
Q19:就職活動で重視されるポイントは?
A19:ポートフォリオの内容、作品のクオリティ、コンセプトの伝え方が特に重視されます。また、面接での受け答えや、どんな考えを持って取り組んできたかという姿勢も見られます。スキルだけでなく、柔軟性や協調性、学ぶ意欲があるかどうかも採用判断に影響します。
Q20:将来性のある職種ですか?
A20:製品開発におけるデザインの重要性は年々高まっており、インダストリアルデザイナーは今後も需要のある職種です。特に、サステナブルな製品づくりやUXを重視した設計が求められる時代においては、従来以上にデザインの力が評価されるようになっています。技術の進化とともに、新たな分野で活躍できるチャンスも広がっています。




