2025年6月27日
労務・人事ニュース
令和7年5月 有効求人倍率1.24倍に低下、求職者数が前月比1.5%増で企業に影響も
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「駅チカ」/正看護師/内科/クリニック/うれしい土日祝休み
最終更新: 2025年6月26日 22:39
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「夜勤なし」/准看護師/デイサービス/介護施設/オンコールなし
最終更新: 2025年6月26日 22:39
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「夜勤なし」/准看護師・正看護師/整形外科/リハビリテーション科/外科/クリニック
最終更新: 2025年6月26日 22:39
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「夜勤なし」/准看護師/オンコールなし
最終更新: 2025年6月26日 22:39
一般職業紹介状況(令和7年5月分)について(厚労省)
令和7年6月27日、厚生労働省は令和7年5月分の一般職業紹介状況を公表しました。この統計は、全国の公共職業安定所、いわゆるハローワークにおいて取り扱われた求人や求職、就職の状況を集計し、労働市場の動向を示す重要な経済指標として毎月発表されているものです。最新の調査結果によれば、有効求人倍率の季節調整値は1.24倍となり、前月より0.02ポイント低下しました。これは、求職者1人に対して1.24件の求人があることを示しており、依然として労働需給はやや売り手市場に近い状態が続いているといえますが、その傾向にやや陰りが見えてきたとも読み取れます。
同じく季節調整された新規求人倍率は2.14倍で、前月から0.10ポイントの減少となりました。これは、企業による新たな求人活動にやや慎重さが見られることを意味しており、経済全体の先行きに対する不透明感の影響がある可能性も考えられます。また、正社員有効求人倍率についても1.04倍とわずかに下がり、求職者が希望する条件にマッチする正社員求人の確保が難しくなりつつある現状が示されました。
さらに、5月の有効求人は前月比で0.3%増加した一方、有効求職者数は1.5%増となりました。これは、求人の増加ペースに対して求職者の増加が上回ったことを意味しており、求人倍率がわずかに低下した要因の一つと考えられます。一方で、同月の新規求人(原数値)は前年同月比で5.2%減少しており、企業の求人意欲そのものが減退傾向にあることもうかがえます。
産業別に見ると、新規求人の動向には業種によって明確な差が見られました。たとえば、運輸業・郵便業では前年同月比で0.1%とわずかながら増加が確認されましたが、宿泊業や飲食サービス業では19.3%という大幅な減少となっており、インバウンド需要の変動や人件費上昇の影響が推測されます。卸売業・小売業も11.1%の減少、教育・学習支援業では8.6%の減少と、全体的にサービス関連業種の新規求人が減少傾向にあることが明らかになっています。
地域別に見ると、都道府県ごとの有効求人倍率の差も大きく、就業地別では福井県が1.86倍で全国最高、対して大阪府と福岡県はいずれも1.05倍と全国で最も低い水準でした。これは地域ごとの労働需給の格差を反映しており、特に都市部においては求職者数が多く、求人がそれに追いついていない構造が続いていることが示されています。受理地別では、東京都が1.76倍と高く、求人数が安定していることがわかりますが、神奈川県は0.89倍と1倍を割り込んでおり、需給バランスに大きな差があることが読み取れます。
このような雇用統計は、企業の採用計画や人材戦略の立案において極めて重要な判断材料となります。特に求人倍率の変動は、採用競争の激しさを直接反映しており、優秀な人材の確保が困難になりつつある業種や地域では、採用方針の見直しや処遇改善、柔軟な働き方の導入が求められる局面に差し掛かっています。反対に、求職者側にとっても労働市場の動向を的確に捉えることで、自身の就職活動に有利なタイミングや地域を見極めることが可能となります。
なお、令和3年9月以降はハローワークインターネットサービスの機能拡充により、オンライン上での求職登録や応募件数なども統計に含まれるようになっており、従来の来所型求職者との比較に際しては注意が必要です。こうしたデジタル化の進展も、今後の労働市場を分析する上で欠かせない視点となっています。
令和7年5月の統計は、労働市場における需給の微妙な変化を浮き彫りにしました。採用活動を行う企業にとっては、自社の採用戦略が時流に合っているかを見直す契機となる情報であり、求職者にとっても自身のスキルや希望条件が現在の市場にどの程度通用するかを考える上で貴重な資料となります。
⇒ 詳しくは厚生労働省のWEBサイトへ