労務・人事ニュース

  • TOP
  • お知らせ
  • 労務・人事ニュース
  • 令和7年 大分県 西部医療圏で診療所を承継・開業する医師に対し3事業で段階的支援を実施

2025年8月5日

労務・人事ニュース

令和7年 大分県 西部医療圏で診療所を承継・開業する医師に対し3事業で段階的支援を実施

Sponsored by 求人ボックス

令和7年 大分県 重点医師偏在対策支援区域における診療所の承継・開業支援事業

大分県では、地域の医療体制を安定的に確保するため、重点医師偏在対策支援区域において診療所の承継や新規開業を予定している医師を対象に、施設整備・設備購入・地域定着に関する補助事業を実施する方針を明らかにしました。高齢化と人口減少の進行に伴い、特に地方部では医療機関の減少が著しく、医師不足が深刻な問題となっています。こうした状況を受け、県は人口の一定規模が維持される見込みがあるにもかかわらず、医師の確保が困難なエリアを「重点医師偏在対策支援区域」として指定し、具体的な支援を行うことを決定しました。

対象地域には、西部医療圏が設定されており、地域医療対策協議会と保険者協議会の協議結果をもとに、医療提供体制の維持に向けた取り組みが進められます。今回の支援制度の最大の特徴は、診療所の開設や継承にかかる費用の一部を公的に補助する仕組みで、医師の地域への定着を後押しすることを目的としています。

補助の対象となるのは、令和7年度中に西部医療圏内で診療所を承継または開業する計画を有する医師であり、計画内容については協議会の審査と合意が必要となります。対象事業は大きく分けて3つに分類されており、それぞれに補助の上限や条件が細かく定められています。

まず、施設整備事業では診療所本体の建築に関わる費用が支援されます。無床診療所は160平方メートル、有床(5床以下)は240平方メートル、有床(6床以上)では760平方メートルが基準面積とされており、医師や看護師の住宅を併設する場合には80平方メートルが基準として追加されます。構造に応じた補助単価は鉄筋コンクリートが1平方メートルあたり484千円、木造が355千円、ブロック造で214千円とされており、補助率は1/2です。

次に、設備整備事業では医療機器等の購入費が対象となっており、診療所1か所あたり16,500千円が基準額として設定され、補助率は同じく1/2です。これは最新の診療機器導入を促し、質の高い医療サービス提供を可能にするための支援であり、開業時における初期投資の負担軽減につながります。

さらに、地域への定着支援事業では、診療所の運営に必要な人件費や消耗品費、光熱水費、社会保険料など、日常的な運営に関わる幅広い経費が対象となります。この支援額は年間の診療日数に応じて段階的に計算され、129日以下であれば6,200千円に71千円を掛けた日数分、130日から259日の場合は同額に77千円を掛けた日数分、260日以上であれば87千円を掛けた日数分が加算されます。仮に年間260日の診療を行う場合、支援額は最大で28,820千円に達する計算となり、非常に実効性の高い支援内容といえます。また、訪問看護を実施している場合は、1日あたり25千円の加算が受けられ、地域密着型医療への取り組みに対するインセンティブとしても機能しています。

ただし、これらの補助を利用するためには、令和7年8月21日(木)までに必要書類を提出し、地域医療対策協議会及び保険者協議会の審査を経て支援対象として認められる必要があります。提出方法は郵送または電子メールのいずれかで、大分県庁の医療政策課・地域医療推進班宛に提出することとされています。なお、提出された資料は両協議会において公開されるため、情報の取り扱いについても事前に了承が求められます。

この制度は、特に地方における医師不足の解消と地域医療の持続可能性を高めることを主眼としており、国の追加募集が行われる場合には、今後再度募集が行われる可能性もあります。制度の透明性と公平性を確保するために、既存のへき地診療所運営費補助金などとの併用は認められていない点にも注意が必要です。

こうした手厚い支援制度は、開業医を目指す医師にとってはもちろん、地域医療に人材を確保したいと考える自治体や関係機関、さらには医療分野における企業の人材戦略にも大きな影響を与えるものです。長期的に地域に根ざした医療を実現するための実効性ある取り組みとして、今回の支援事業は高い注目を集めています。

⇒ 詳しくは大分県のWEBサイトへ

パコラ通販ライフ
それ以外はこちら