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2025年9月14日

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PFOS摂取量はわずか0.10ng!令和6年度 国産農畜水産物のPFAS実態調査で安全性を確認

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令和6年度国産農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)の実態調査や試験研究の結果について(農水省)


この記事の概要

農林水産省は、令和6年度に実施した国産農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)に関する調査と試験研究の結果を発表しました。その結果、食品中のPFOSおよびPFOAの摂取量は、健康への影響が懸念される耐容摂取量(TDI)と比較して非常に低いことが確認されました。また、水田での栽培試験からも、土壌中のPFASは玄米にほとんど移行・蓄積しないことが明らかとなりました。


農林水産省が令和6年度に実施した調査により、国産の農畜水産物に含まれる有機フッ素化合物(PFAS)について、摂取量や蓄積状況に関する新たな知見が明らかになった。PFASの中でも特に注目されているPFOSおよびPFOAについて、14品目の農畜水産物を対象に分析が行われ、実際にこれらの食品を摂取した場合の一日あたりの摂取量が試算された。その結果、PFOSの摂取量は体重1kgあたり0.10ナノグラム、PFOAは0.08ナノグラムであり、いずれも内閣府食品安全委員会が設定した耐容一日摂取量(TDI)である20ナノグラムに比べて極めて低い数値であった。このことから、日常的な食生活を通じたPFASの摂取は、健康に対するリスクが非常に小さいと判断される。

調査対象となった14品目には、米(玄米)、ジャガイモ、キャベツ、トマト、牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、牛乳、マイワシ、マダラ、カツオ、アユ、アサリが含まれていた。農産物については、ほとんどの試料でPFASが定量下限未満という極めて低い濃度であった。畜産物についても多くが同様であったが、一部の試料では品目により濃度の幅があり、水産物ではすべての品目で何らかのPFASが検出されたが、その濃度は大きな健康リスクを示すものではなかった。さらに、仮に調査品目の中で最大濃度のものだけを摂取し続けたとしても、PFOSはTDIの7.5%、PFOAは2.6%と依然として十分に低い水準に留まっている。

また、PFASが環境から作物にどの程度移行・蓄積するのかを確認するため、水田を用いた栽培試験も行われた。PFOSやPFOAが暫定目標値を超えて検出される河川水を用いた田んぼでコメを栽培したところ、玄米中のPFAS濃度は定量下限未満から最大でも20ナノグラムという低い数値にとどまった。さらに、土壌に含まれるPFASを基準にして比較したところ、玄米中への移行率はPFOSで0.005以下、PFOAでは0.004以下と非常に低く、土壌から玄米への移行や蓄積がほとんど起きないことが実証された。

個別事例調査として、PFAS濃度が暫定目標値を上回る河川水や地下水を使用している地域で生産された農産物(玄米、ジャガイモなど)についても調査が行われたが、すべての試料でPFASは定量下限未満であり、全国的な流通品と同様の水準であることが確認された。これにより、特定地域の農産物においても安全性が確保されていることが裏付けられた。

今回の調査結果から、品目ごとにPFASの含有状況にばらつきがある可能性が示されたことから、農林水産省は令和7年度以降も対象品目を拡大して調査を継続する方針を明らかにしている。特に、今回の調査で特異的に高い数値が検出された試料については、より詳細な分析を進めるとともに、その要因を追究することで、科学的な知見の集積を図っていく。また、主食用米以外の農産物についても、PFASの移行や蓄積に関する研究を継続していくとされており、これらの取り組みが今後の食品安全に寄与することが期待されている。

食品安全に対する国民の関心が高まる中で、農林水産省が実施するこのような継続的かつ科学的な調査は、食品の安全性に対する信頼性を高める上で極めて重要である。消費者にとっては、国産の農畜水産物から摂取するPFASの量が耐容摂取量と比較して十分に低く、通常の食生活を通じて健康リスクが極めて小さいことが確認されたという安心材料となる。国としては、今後も正確な情報の発信と透明性の高い調査を重ねることで、消費者の理解と信頼を深める取り組みが求められる。

農林水産省は、国民一人ひとりがPFASに関する正確な知識を持ち、科学的根拠に基づいた冷静な判断を行うことの重要性を呼びかけている。今後も調査や研究の結果は同省のウェブページ等を通じて順次公表される予定であり、誰もが自由にアクセスできる形で情報提供が進められる。

この記事の要点

  • PFOSとPFOAの一日摂取量はTDIの0.5%および0.4%で健康リスクは低い
  • 玄米へのPFASの移行率は極めて低く、ほぼ蓄積しないことが確認された
  • 流通品や特定地域産の農産物でもPFASは定量下限未満で安全性が高い
  • 今後は品目を拡大し、特異な値の要因分析や他作物への移行調査を継続予定
  • 国民には科学的根拠に基づくPFASへの正しい理解と冷静な判断が求められる

⇒ 詳しくは農林水産省のWEBサイトへ

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