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2025年9月17日

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令和7年7月 千葉県の有効求人倍率が1.00倍に上昇、雇用環境は均衡へと向かう動き

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最近の雇用失業情勢(令和7年7月分)(千葉労働局)


この記事の概要

令和7年7月における千葉県の雇用情勢は、全体として緩やかな持ち直しの兆しが見られる一方で、業種や地域によっては依然として弱さが残る結果となりました。有効求人倍率や新規求人の動向を通じて、企業の採用意欲と求職者の動きに差が表れている状況を読み解きます。


千葉労働局が発表した最新の労働市場統計によると、令和7年7月における千葉県内の有効求人倍率(季節調整値)は受理地別で1.00倍となり、前月から0.02ポイント上昇しました。これは1人の求職者に対して1件の求人がある状態であり、雇用市場としては拮抗していることを意味しています。一方、就業地別では1.25倍となっており、前月比で同じく0.02ポイントの上昇が見られました。求人数と求職者数のバランスにおいて、地域差が存在していることがこの数値から読み取れます。

有効求人倍率とは、ハローワークに登録されている有効求人数を有効求職者数で割った指標であり、企業側の採用意欲と労働力市場における需給関係を表す上で重要な目安です。受理地別では企業の本社所在地を基に算出されるのに対し、就業地別は実際の勤務場所に基づいて算出されるため、企業の集中する地域や職種の偏在が結果に反映されやすい特徴があります。

一方で、新規求人倍率は1.80倍となっており、前月からは0.04ポイント低下しました。これは、今月新たに発生した求人に対して、求職者数の増加が相対的に大きかったことを意味します。新規求人倍率の低下は、企業の採用意欲が若干鈍化した可能性や、季節的な要因が関係していると見られます。また、雇用においては、物価上昇の影響や景気の先行きに対する不安感が背景にあり、慎重な姿勢をとる企業も一部存在するようです。

千葉県においても、職種ごとの求人の偏りが顕著になっています。製造業では依然として機械オペレーターや生産ライン作業員の求人が安定して出されている一方、サービス業、とりわけ宿泊・飲食関連産業では求人の停滞が見られます。これはコロナ禍以降の業界構造の変化や、依然として続く人手不足が影響しており、賃金や労働時間、福利厚生面での見直しが求められる状況です。

また、医療・介護・福祉分野では引き続き高水準の求人が続いていますが、この分野は離職率が高く、採用しても定着しないという課題を抱えています。企業としては単なる採用活動にとどまらず、働きやすい職場づくりやキャリア形成支援など、長期的な雇用維持に向けた施策が不可欠です。こうした職種においては、特に女性やシニア層の活用がカギを握っており、時短勤務やフレックスタイム制度など、多様な働き方を柔軟に取り入れることが望まれます。

雇用の地域間格差にも注目する必要があります。千葉県内では、東京近郊に位置する市川市や船橋市、松戸市などの都市部では求人倍率が比較的高めに推移している一方で、房総半島南部の館山市や鴨川市などでは求職者数に対して求人がやや不足している傾向が見られます。地域の産業構造の違いや、交通インフラの利便性などがこのような結果に影響を与えており、地方自治体との連携を通じた地域雇用の創出が必要とされています。

さらに注目すべきは、ハローワークインターネットサービスの利用拡大に伴い、求職活動の様式が変化している点です。かつては窓口での相談や紹介が主流でしたが、現在では自宅からオンラインで求人情報を検索・応募できる仕組みが整っており、在宅求職者や子育て中の方など、多様な背景を持つ人々が労働市場に参加しやすくなっています。こうした変化に対応するため、企業も求人票の表現や勤務条件の明確化、迅速な連絡対応など、デジタル時代に即した採用活動が求められます。

今後の雇用情勢を見通す上で、企業の採用担当者にとっては、求人倍率や求人数の単純な上下に一喜一憂するのではなく、業種別・地域別のデータを的確に把握し、自社に必要な人材層を見極めたうえでの戦略的な採用が不可欠です。特に、これからの季節は新卒採用や中途採用の募集が活発になる時期であるため、他社との差別化を図るためにも、自社の強みや働き方の柔軟性を明確に打ち出すことが求められます。

千葉労働局は今後も、ハローワークを通じて地域の雇用支援を継続するとともに、職業訓練や再就職支援策などを通じて、労働市場全体の活性化に向けた取り組みを強化していく方針です。企業としても、こうした支援施策を積極的に活用することで、効果的な人材確保と定着につなげることができるでしょう。

この記事の要点

  • 千葉県の有効求人倍率は受理地別で1.00倍、就業地別で1.25倍
  • 新規求人倍率は1.80倍で前月から0.04ポイント低下
  • サービス業では求人の停滞が見られ、採用難が継続している
  • 医療・福祉分野は引き続き高い求人水準だが定着率に課題
  • 地域間で求人倍率に差があり、館山など南部地域では求人不足傾向
  • ハローワークのオンラインサービス活用が求職行動に変化をもたらしている
  • 企業は柔軟な働き方と待遇改善で差別化を図る必要がある

⇒ 詳しくは千葉労働局のWEBサイトへ

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