労務・人事ニュース

令和7年 原油価格・物価高騰等対策土地改良区等緊急支援事業

令和7年10月31日を申請期限とする「原油価格・物価高騰等対策土地改良区等緊急支援事業」は、滋賀県内の農業水利施設を管理する団体に対し、近年続く電力料金の高騰による農業者の経済的負担を軽減するために実施されている支援制度です。この事業は、原油価格や物価の上昇に伴い、特に電力使用量の多い農業用ポンプ場や水門、井戸などの運用コストが増大していることを背景に、農業経営の安定化を目的として組まれたものです。

補助の対象となる施設は、滋賀県の補助により整備された農業水利施設であり、具体的には用排水機場（いわゆるポンプ場）、頭首工、水門、井戸などが該当します。これらの施設は農業活動において水の安定供給を担う極めて重要なインフラであり、その管理を行う土地改良区や水利組合などの団体は、日常的に多額の電力を消費しています。したがって、今回の支援は、農業者の生産活動の基盤を守るうえで大変意義のある取り組みといえます。

補助対象となる電気料金は、令和7年4月から9月までの使用分で、そのうち令和3年度の電力料金と比較して値上がりした部分について、3分の2以内の額が補助されます。つまり、対象期間中に実際にかかった電力費用のうち、過去の基準と比べて増加した分の多くを公的にカバーしてもらえる形になります。これは、電気料金の高騰による急激な支出増を吸収し、管理団体が安定的に施設運用を継続できるようにすることを目的としています。

この補助制度を活用するためには、対象団体が事前に必要書類を整えたうえで、施設の所在地域を管轄する滋賀県農業農村振興事務所・田園振興課へ申請書を提出する必要があります。申請書には、滋賀県が定めた補助金交付要綱に基づいた内容が求められ、申請様式には事業計画や電力使用実績、料金明細などの資料を添付することが想定されています。提出期限は令和7年10月31日（金曜日）であり、この日を過ぎての申請は受け付けられないため、対象団体は早めに準備を進めることが重要です。

加えて、補助金交付に関しては、「交付要綱」と呼ばれる運用ルールに基づいて審査が行われますので、申請を検討している団体は、滋賀県のホームページなどで公開されている要綱や申請チラシ、各種様式を事前によく確認する必要があります。また、提出書類や内容に不備があると受理されない可能性もあるため、不明な点については早めに農業農村振興事務所または県の担当課に問い合わせることが推奨されます。

このような支援は、単に電力料金の一部を補填するという経済的側面だけでなく、農業分野におけるエネルギー負担の見直しや地域インフラの持続可能な維持管理といった、将来的な地域農業の安定にもつながる重要な施策です。土地改良区や水利組合など、農業水利施設を運用・管理している各団体にとっては、現在の厳しい経済環境下における貴重な支援となるため、制度の内容を正確に理解し、適切に活用することが望まれます。

⇒ 詳しくは滋賀県のWEBサイトへ