2025年11月19日
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令和8年度イノシシ被害防止柵設置事業 玉名市が国の補助活用で果樹農家を支援
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玉名市 令和8年度イノシシ被害防止柵設置事業
熊本県玉名市では、近年深刻化するイノシシなどの有害獣による農作物被害を抑制するため、国の補助を活用した「令和8年度イノシシ被害防止柵設置事業」を実施します。この事業は、玉名市鳥獣被害防止対策協議会が主体となって行うもので、農業者の自助努力を支援しながら、地域全体で野生動物による被害を減らすことを目的としています。農作物の被害は年々増加傾向にあり、特に果樹農家にとっては経営を左右するほどの損失につながることもあります。玉名市は、こうした現状を踏まえ、農地保全と地域農業の持続可能性を確保するための取り組みを強化しています。
この事業では、広域的なワイヤーメッシュ柵を設置し、イノシシなどの侵入を防ぐことを目指します。補助対象は、玉名市内の農地で、隣接する3戸以上の農家による共同申請が条件となっています。単独での申請は認められておらず、地域単位での連携が求められます。これは、イノシシ対策が一部の農地だけでは効果を発揮しにくく、地域全体での防護体制を整える必要があるためです。共同申請によって、面的な防護網を形成し、より実効性の高い被害防止を実現する狙いがあります。
補助の対象となるのは果樹のみで、米や野菜などの作物は今回の事業には含まれません。補助金は資材購入費用に限定されており、設置作業については申請農家による自力施工が条件です。つまり、ワイヤーメッシュや支柱などの材料費を補助対象とし、工事費や人件費は補助の範囲外となります。農家が協力して施工することでコストを抑え、持続的に維持できる仕組みを重視しています。
さらに、補助を受けて設置したワイヤーメッシュ柵については、国の規定により14年間の維持管理義務があります。この間、柵の管理が不十分であった場合や、破損・放置が確認された場合には、補助金の一部または全額の返還を求められる可能性もあります。長期間の維持が求められることから、単なる設置支援にとどまらず、持続的な管理体制を構築することが重要です。
また、この事業は国の補助を活用して行われるため、採択には国の予算状況が大きく影響します。申請した全ての案件が採択されるわけではなく、採択の有無は国の判断によって決まります。したがって、要望書を提出しても必ず事業を実施できるとは限らない点には注意が必要です。さらに、近年は資材価格の高騰により受益者負担額が増加している現状があります。補助によってすべての費用が賄われるわけではないため、受益農家は自己負担分を理解したうえで申請する必要があります。
なお、過去に玉名市の補助事業によって同様の防護柵設置を行った農地は、今回の補助対象外となります。これは、補助金の公平な運用と限られた予算の有効活用を目的としています。
事業要望の受付期限は2025年11月28日(金)までとなっており、この日を過ぎての受付は一切認められません。国への要望提出期限が定められているため、締切厳守が求められます。提出にあたっては、所定の「令和8年度イノシシ被害防止柵設置事業要望書」に加え、設置予定の農地の地番が確認できる資料(農地台帳など)および被害状況を示す写真を添付する必要があります。これらの資料は、申請内容の確認や事業採択の判断材料として活用されます。
玉名市では、これまでにも電気柵や防護ネットなどを用いた獣害対策を行ってきましたが、特に果樹農家の被害が深刻化している現状から、今回の事業ではワイヤーメッシュ柵に焦点を当てています。ワイヤーメッシュは耐久性が高く、長期的に有効な防護効果が期待できることから、地域ぐるみの被害防止策として適しています。
この事業は、単なる農業支援策にとどまらず、地域の安全と生産基盤を守るための重要な取り組みです。野生動物との共生を図りながら、農業の安定経営と地域の持続可能な発展を支えるための対策として位置づけられています。玉名市は今後も、農家や地域住民と連携しながら、有害鳥獣被害の軽減に向けた取り組みを継続していく方針です。
⇒ 詳しくは玉名市のWEBサイトへ


