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2025年11月22日

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消費者庁が警鐘、子どもの転落事故134件を分析―2025年10月公表

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消費者安全調査委員会からの一葉 第20号(消費者庁)


この記事の概要

消費者安全調査委員会は、住宅の窓やベランダからの子どもの転落事故に関する注意喚起を行いました。1993年から2024年までの32年間に発生した6歳未満の転落死亡事故134件を分析した結果、6階からの事故が最も多く21件、次いで4階が16件、7階が14件と続きました。2階からの事故も3件確認されており、低層階であっても命に関わる事故が発生していることが明らかになりました。


消費者安全調査委員会は、住宅内における子どもの転落事故の防止を目的として、住宅の窓およびベランダからの転落事例について改めて注意を呼びかけています。2025年6月に公表された報告書では、1993年から2024年までの32年間に発生した6歳未満の子どもの転落死亡事故134件を対象に、発生状況や要因を検証しました。この調査により、転落事故は高層階だけでなく、2階などの低層階でも発生していることが確認されました。

調査によると、転落した階数別の死亡事故の内訳では、最も多かったのが6階の21件(窓7件、ベランダ14件)であり、次いで4階の16件(窓8件、ベランダ8件)、7階の14件(窓3件、ベランダ11件)となっています。さらに、2階からの転落死亡事故は3件、20階以上でも3件確認されており、転落が発生した階の平均は約7.97階でした。これらの結果から、どの階であっても転落による重大事故が発生し得ることが示されています。

報告では、転落の原因として、窓やベランダの付近に置かれた物が足場となるケースが多いことが明らかになりました。特に、ベランダの壁付け物干し、物干し竿や洗濯ロープ、洗濯かご、干していた布団、段ボール箱など、日常的に使用される身近な物が子どもの登る足掛かりとなり、転落につながる事例が複数報告されています。小さな子どもは周囲のものを使って簡単に高い場所に登るため、保護者が想定していない状況で事故が起こる危険があります。

消費者安全調査委員会は、「階数にかかわらず、窓やベランダ付近から足掛かりとなる物を取り除くことが重要」と強調しています。窓やベランダから外へのアクセスを遮断すること、転落防止用のストッパーやロックの設置、子どもが簡単に開けられない窓の施錠方法の導入など、家庭で今すぐできる対策を講じるよう呼びかけています。

また、委員会は事故の実態を広く知ってもらうため、転落に至る状況を再現した動画や、家庭で確認できる「転落防止チェックリスト」を公開しています。これにより、保護者が日常生活の中で危険箇所を把握し、事故の未然防止につなげることを目的としています。

報告書では、特に2階からの転落事故に注目が集まっています。一般的に「2階程度なら大丈夫」と考えられがちですが、実際には2階からの転落でも致命的な結果となる事例が確認されており、油断できないことが強調されています。転落した子どもの年齢は多くが3歳未満であり、好奇心が旺盛で行動範囲が広がる時期であるため、より一層の注意が必要です。

このほか、調査期間中には複数の事故が繰り返し発生しており、報告書公表後も同様の事案が報告されています。委員会は、転落防止対策が広く浸透していない現状を踏まえ、改めて社会全体で意識を高める必要性を指摘しています。家庭に限らず、保育施設やマンション管理組合など、子どもが出入りするあらゆる場所での安全対策が求められています。

子どもの転落事故は、わずかな不注意から短時間で起こる危険があります。特に、保護者が洗濯や掃除などの家事をしている間に、子どもが物干しや窓枠に登り、わずか数秒で転落に至るケースも確認されています。報告では、家庭での安全確認の徹底とともに、設計段階から転落防止を考慮した住環境の整備も重要であるとしています。

消費者安全調査委員会は、事故防止のために「子どもの目線で家の中を見直す」ことを推奨しています。窓やベランダの位置関係、家具や物干しの配置、踏み台代わりになりそうな物の有無などを定期的に確認することが大切です。日常的な意識の積み重ねが、命を守る最も有効な手段となります。

この記事の要点

  • 1993年から2024年までの32年間で6歳未満の転落死亡事故は134件
  • 最も多いのは6階(21件)、次いで4階(16件)、7階(14件)
  • 2階からの死亡事故も3件確認、平均転落階数は7.97階
  • 事故原因の多くは物干しや洗濯かごなど身近な物による足掛かり
  • 消費者安全調査委員会が動画とチェックリストを公開
  • 階数にかかわらず、窓やベランダ周辺から足掛かりを除去することが重要
  • 2階でも死亡事故が起こることを家庭に注意喚起

⇒ 詳しくは消費者庁のWEBサイトへ

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