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2025年12月2日

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日本でも発生してる人身取引、政府広報オンラインが明かす被害の実態と課題

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「人身取引」は日本でも発生しています。あなたの周りで被害を受けている人はいませんか?(政府広報オンライン)

この記事の概要

政府広報オンラインでは、「『人身取引』は日本でも発生しています。あなたの周りで被害を受けている人はいませんか?」というテーマで、国内でも実際に起きている人身取引の実態と、その被害を防ぐための取り組みについて詳しく伝えている。暴力や脅迫、詐欺などによって人を支配し、性的搾取や労働の強要などを行うこの犯罪は、深刻な人権侵害であり、令和5年には61人の被害者が保護されている。被害は女性や子どもに限らず、男性や外国人にも広がっており、国全体での対策と意識の共有が求められている。


人身取引は、暴力、脅迫、詐欺、誘拐などの手段を用いて人を支配し、性的サービスや労働、臓器の摘出などを強要する犯罪である。社会的・経済的に弱い立場にある女性や子どもが被害に遭いやすいが、成人男性も例外ではない。日本国内でもこの問題は現実に存在しており、令和5年には61人が人身取引の被害者として保護されたことが確認されている。

被害の形はさまざまで、出会い系サイトを通じて知り合った女性に売春を強要したり、外国人女性を不法に働かせたり、技能実習生に暴力を振るい長時間労働をさせたりする事例がある。これらの行為は、たとえ被害者が一見「自ら同意している」ように見えても、暴力や威圧、経済的支配の下で行われている場合には人身取引として処罰の対象となる。特に18歳未満の児童については、性的搾取や労働搾取の目的で支配下に置いた時点で犯罪とされ、同意の有無は問われない。

こうした犯罪は表に出にくく、被害者自身が被害を自覚していない場合も多い。例えば、借金を理由に性的サービスを強いられている人、極端に低い賃金で働かされている人、暴行や脅迫によって自由を奪われている人など、私たちの身近に潜む被害者が存在する可能性がある。もしも異変を感じたり、助けを求める声を聞いた場合には、警察や出入国関連機関など適切な窓口へ速やかに連絡することが大切である。匿名で通報できる仕組みも整備されており、提供された情報が事件の解決につながる場合には協力者に対して謝意が示される制度もある。

政府は人身取引の潜在的被害者を発見するため、多言語による啓発資料を作成し、公共施設や関係機関を通じて配布している。これにより、被害者自身が自分の置かれている状況を認識し、助けを求めやすくすることが目的とされている。また、被害者保護の仕組みとして、女性相談支援センターなどで一時保護を行い、外国人の場合には在留資格の特例を設け、帰国後の支援まで行われている。被害者が加害者に損害賠償を請求する場合には、一定の条件を満たせば法的支援を受けることもでき、経済的に困難な人は法律扶助制度を利用して無料相談や費用の立替えを受けることが可能である。

日本では2004年に人身取引対策の枠組みが整備され、行動計画に基づき多角的な取組が進められてきた。その後、2009年、2014年、2022年と段階的に改訂され、刑法の改正や入国管理制度の見直しが行われた。被害者が不法滞在を理由に処罰されることを防ぐ一方で、加害者が国外退去や入国拒否の対象となるよう法制度が整えられている。2017年には国際的な人身取引防止条約にも加盟し、国際社会と連携した取組を強化している。

2022年には新たに「人身取引対策行動計画2022」が決定され、関係機関が一体となって防止・摘発・救済を進めている。この計画の下では、被害者の救済支援や加害者の摘発だけでなく、教育・啓発活動を通じた再発防止にも重点が置かれている。被害の実態調査によれば、国内では依然として日本人・外国人双方の被害が確認されており、検挙件数と被害者数は完全な減少には至っていない。

人身取引は、被害者に精神的・肉体的な深刻な傷を残すだけでなく、社会全体の人権意識をも揺るがす重大な問題である。特に、家族や友人、地域社会が被害に気づかないまま時間が経過すれば、救済の機会が失われる可能性もある。そのため、政府は人身取引を「誰もが関係する社会問題」と位置づけ、国民一人ひとりに関心を持ち、異変を感じた際にはためらわず通報するよう呼びかけている。

社会全体でこの問題に取り組むことが、被害者を救い出す第一歩となる。人身取引を根絶するためには、法の整備だけでなく、私たち自身が人権を尊重し、周囲に目を向け、弱い立場の人々を見過ごさない姿勢を持つことが不可欠である。小さな関心が、大きな命を守る力につながることを、改めて認識することが重要だ。

この記事の要点

  • 政府広報オンラインが国内で発生している人身取引の実態を紹介
  • 令和5年には61人の被害者が確認・保護されている
  • 女性や子ども、外国人、技能実習生などが被害に遭いやすい
  • 18歳未満の児童搾取は同意の有無にかかわらず犯罪に該当
  • 匿名で通報できる仕組みが整備され、情報提供が保護につながる
  • 政府は2004年以降行動計画を策定し、2022年に最新版を実施
  • 人身取引は個人の人権を脅かす重大な犯罪であり、社会全体での意識共有が必要

⇒ 詳しくは政府広報オンラインのWEBサイトへ

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