2025年12月30日
労務・人事ニュース
薄暮から夜間の死亡事故が増える10~12月、交通教則に明記されたハイビーム活用、夜間の安全運転に
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ハイビームの上手な活用で夜間の歩行者事故防止(警察庁)
この記事の概要
夜間の交通事故を防ぐため、前照灯を上向きにするハイビームの積極的な活用が重要であることが示されている。特に街灯が少ない暗い道路では歩行者を早期に発見でき、事故回避につながる。一方で、対向車や先行車がいる場面ではロービームへの切り替えが不可欠である。令和2年から令和6年の分析では17時台から19時台に死亡事故が最も多く発生しており、ハイビーム活用により回避可能だったケースが一定数確認されている。
夜間の走行では視界が昼間に比べて大きく低下し、運転者は歩行者や自転車などの発見が遅れやすくなる。さらに速度感が鈍り、気付かないうちに速度が上がってしまうことも多く、事故につながる危険性が高まる。こうした夜間特有の状況を踏まえ、暗い道路を走行する際には前照灯を上向き、すなわちハイビームに切り替えることが推奨されている。ハイビームは前方の照射距離が長く、歩行者を遠くから捉えることが可能となり、早く状況を把握することで事故の回避に直結する。
ただし、ハイビームは強い光を前方に放つため、対向車や前を走る車両の運転者を眩惑させるおそれがある。このため、対向車とすれ違う場面や先行車が視界に入る場面では、ロービームに切り替える必要がある。交通量の多い市街地でも同様にロービームの使用が求められる。適切な切り替えを行うことでハイビームの安全性と利便性を両立できるとされている。
交通死亡事故の分析結果によると、令和2年から令和6年の5年間において、死亡事故は17時台から19時台に最も多く発生していた。この時間帯は日の入り時刻と重なり、薄暮から夜間に変わっていく時刻にあたる。さらに薄暮時間帯の死亡事故は10月から12月にかけて特に多く、季節によって視界の悪化が早まることの影響も見られる。また、薄暮や夜間の死亡事故全体のうち、自動車と歩行者の衝突が4割以上を占める結果が示されており、夜間の歩行者の安全確保の重要性が浮き彫りとなっている。
また、特定の条件下で発生した夜間の「自動車対歩行者」の死亡事故を分析したところ、ハイビームを活用していれば回避できた可能性が高いケースが一定数確認された。これは前方の視認性を高めることで、運転者が歩行者を早く発見し、危険回避行動を取ることができるためであり、ハイビームの効果が統計的にも裏付けられたものといえる。
前照灯には「走行用前照灯(ハイビーム)」と「すれ違い用前照灯(ロービーム)」の2種類があり、それぞれに性能基準が定められている。走行用前照灯は夜間に前方100mの障害物を確認できる性能を持ち、すれ違い用前照灯は40m先の障害物を確認できる性能が求められている。この基準からも、ハイビームで走行した場合はロービームに比べて2倍以上の距離から歩行者を発見できることが分かり、夜間の安全運転に大きく寄与する。
さらに交通の方法に関する教則にも、夜間は交通量の少ない状況を除いて前照灯を上向きにして歩行者などを早期に発見することが望ましいと記されている。ただし、対向車や先行車が存在する場合には前照灯を減光し、適切な機会に応じてロービームに切り替える必要があることも明記されている。これは周囲の交通状況に合わせて最適な灯火の選択を行うことが、安全な運転に不可欠であることを示している。
夜間の事故を防ぐためには、灯火の適切な使い分けとともに、昼間以上に速度を落として慎重に走行する姿勢が求められる。歩行者や自転車が暗い場所に突然現れる可能性を念頭に置き、常に危険予測を行いながら運転することが重要である。特に薄暮や夜間は周囲の光量が時間とともに急速に変化するため、運転者が状況を見誤らないよう注意が必要となる。
ハイビームの活用は、夜間の視界確保のための基本的な対策でありながら、まだ十分に浸透していない場面も見られる。適切にハイビームを使用し、安全確認を徹底することで歩行者事故のリスクを大幅に減らすことができる。夜間の道路は昼間と比べて危険性が高まるため、すべての運転者が前照灯の特性と正しい使い方を理解しておく必要がある。
この記事の要点
- 夜間はハイビームで歩行者を遠くから発見できる
- 対向車や先行車がいる場合はロービームに切替が必要
- 死亡事故は17時台から19時台に最も多く発生
- 薄暮時間帯は10月から12月に事故が増える傾向
- 夜間の事故の4割以上が自動車と歩行者の衝突
- ハイビーム活用で回避可能だったケースが一定数確認
⇒ 詳しくは警察庁のWEBサイトへ


