2026年2月20日
労務・人事ニュース
鳥取県2025年12月有効求人倍率1.27倍時代の人材確保戦略
鳥取県内の雇用情勢(令和7年12月分及び令和7年分)(鳥取労働局)
この記事の概要
2025年12月の鳥取県における有効求人倍率は1.27倍となり、前月から0.03ポイント低下しました。本記事では、鳥取県の雇用統計に基づき、求人と求職の動きや産業別の特徴を整理しながら、中小企業の採用担当者が有効求人倍率をどのように読み取り、採用活動に活かすべきかを詳しく解説します。数字の背景を踏まえ、現実的な採用の進め方を考察します。
2025年12月の鳥取県における有効求人倍率は1.27倍となりました。前月の1.30倍から0.03ポイント低下したものの、全国平均の1.19倍を上回る水準を維持しています。有効求人数は12030人で前月比1.3%減少し、有効求職者数は9498人で前月比1.4%増加しました。求人が減少し、求職者が増加したことで倍率が低下していますが、全体としては依然として求人超過の状態が続いています。鳥取労働局では、県内の雇用情勢について改善の動きが弱まっているとしつつも、物価上昇など外部環境の影響に注意が必要な段階と評価しています。
中小企業の採用担当者にとって、有効求人倍率1.27倍という数字は非常に重要な意味を持ちます。この数値は、求職者1人に対して1件以上の求人が存在している状態を示しており、企業は人材を選ぶ立場ではなく、選ばれる立場にあることを意味します。特に鳥取県のように人口規模が小さい地域では、少しの求人増減が採用環境に与える影響が大きく、採用活動の工夫が結果を左右しやすい状況にあります。
新規求人の動向を見ると、2025年12月の新規求人数は4098人となり、前年同月比で619人、率にして13.1%減少しました。業種別では、建設業や製造業で増加が見られた一方、卸売業・小売業、宿泊業・飲食サービス業、サービス業などでは減少が目立ちます。特に宿泊業・飲食サービス業では前年同月比27.4%減少しており、地域経済や消費動向の影響が採用にも表れています。このような環境下では、採用担当者は自社の業界動向を正確に把握し、採用計画を柔軟に調整する必要があります。
求職者側の動きを見ると、新規求職者数は1632人となり、前年同月比で84人、5.4%増加しました。有効求職者数も前年同月比で565人、5.6%増加しています。内訳を見ると、離職者や在職者による求職が増加しており、特に自己都合離職者は前年同月比で12.9%増加しています。これは、働きながらより良い条件や将来性を求めて転職活動を行う人が増えていることを示しています。
正社員の採用動向に目を向けると、2025年12月の正社員有効求人倍率は1.18倍となり、前年同月から0.03ポイント上昇しました。正社員の有効求人数は6157人で前年同月比1.2%減少しましたが、有効求職者数も5230人で3.2%減少しています。数の上では求人が求職を上回っていますが、実際の採用現場では職種や経験のミスマッチが課題となりやすく、採用が容易になるわけではありません。
鳥取県では、医療・福祉分野の求人が引き続き多く、慢性的な人手不足が続いています。一方で、事務職や一部サービス業では求職者が比較的多く、倍率が低い傾向にあります。このような職種別の偏りを踏まえると、中小企業の採用担当者は、すべての職種で同じ採用手法を用いるのではなく、自社の職種特性に合わせた対応が求められます。
有効求人倍率1.27倍という数字は、採用が不可能であることを示しているわけではありません。しかし、条件を提示するだけの採用活動では人材を確保しにくい時代に入っていることは明らかです。仕事内容を具体的に伝え、職場の雰囲気や1日の流れ、入社後の成長イメージを丁寧に説明することで、求職者は安心して応募を検討できます。これは応募数の増加だけでなく、入社後の定着にも大きく影響します。
鳥取県の雇用データからは、求人の勢いがやや弱まる一方で、求職者の動きが活発化している様子が読み取れます。中小企業の採用担当者は、有効求人倍率という客観的な指標を起点に、自社がどのような人材を求め、どのような関係を築きたいのかを明確にすることが重要です。短期的な人手確保にとどまらず、育成や定着を見据えた採用活動が、これからの鳥取県における採用成功の鍵となるでしょう。
この記事の要点
- 2025年12月の鳥取県有効求人倍率は1.27倍で全国平均を上回っている
- 求人は減少し求職者は増加しており採用環境は調整局面にある
- 自己都合離職者や在職者の転職活動が増えている
- 正社員採用は倍率が高いがミスマッチへの配慮が必要
- 採用担当者による具体的で誠実な情報発信が採用成果を左右する
⇒ 詳しくは鳥取労働局のWEBサイトへ


